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カテゴリ:ランゲ&ゾーネ( 449 )

A.ランゲ&ゾーネからの歴史的発見!~幻の代用モデル、あのSSケース・ヴァージョンが日本でも存在確認!!


驚きである!!
――いま"幻の時計”を目の当たりにしている。

まずは、ざっとでよいので、ちょうど2年ほど前に書いた過去記事を読んでいただけると話が早い。

https://watch-media-online.com/blogs/249/ (A.ランゲ&ゾーネとステンレス・ケース)


その記事に登場する1815のステンレス・スティール・モデル。
もともとは、オーバーホールや修理中に時計がないと困るというユーザーへのサービスとして、いわゆる"代車"的な考えで、修理期間中に代わりの時計をお貸しするというものだった。

「オーバーホールや修理などでユーザーが時計をランゲに預けなければならない際に、代替えの時計(車で言う代車のようなもの)を貸し出していたのですが、さすがに貸し出し時計に貴金属を使うわけにいかず、ステンレスケースのモデルを作り、しかもご丁寧にストラップまでランクを落としたカーフ(牛皮)を付けて貸し出したのです!(拙ブログより引用)」


その希少な1815ステンレス・スティール貸与用モデルが、なんと日本のリシュモン・サービスに長く保管されていたことが判明したのだ。


これがその実機である。





「ランゲ時計会社の資産」という意味のドイツ語、“EIGENTUM DER FIRMA PROPERTY OF LANGE UHREN GmbH” も、ムーブメント番号の下に"SERVICE"の文字が彫られているのも約束どおり。





海の向こうの話とばかり思っていたのだが、まさか日本もに存在していたとは。
初めて見るステンレスケースの1815。やはり軽い!!

表は通常の1815黒ダイヤルとまったく同じなので、あまり面白みもないので、手持ちの黒ダイヤル・ランゲと並べてみた。





で、この特別な1815SSの来歴調査をしていただいたのだが、これがなかなか困難なことになった。なにせ販売用の時計ではなく、修理・サービス部門の管理だったこともあり、通常のような在庫管理台帳には載っていないのだ。

つまり価格がついていない時計、極端な言い方をすれば、修理用の"パーツ"と同列の存在で、営業部門の手を経ずに、修理・サービスのセクションへ配備されたわけである。


そこでランゲ探偵団による"推理"を試みる。
ここから先はあくまで「仮説」であることをご理解の上、お読みください。



まず、1815が発表されたのが1996年で、黒文字盤が作られるのはその一年後の1997年のことなので、当然それ以降に配備されたことになる。
さらに、代用品貸与サービスをドイツ本国のみならず日本まで、つまり全世界的なサービスに拡大してるという事実から考えると、A.ランゲ&ゾーネがリシュモンの傘下に入った2000年以降と想像するのが自然ではないだろうか。
おそらく2000年代の前半に日本にやってきた個体ではないだろうか。

さかのぼれる範囲での貸与記録は2005年が最も古く、最後の貸し出し記録は2011年(ああ。この頃に知っていたら、オバホの際とか"時計がないと困るぅぅぅ"とか騒ぎ立てて絶対に借りていたろうに・・・)。

2011年以後このサービスは休止され、現在に至るまで復活していない。念のために言っておくが、現在ではいかなる理由があろうとも、A.ランゲ&ゾーネが時計を貸与してくれることはない。

ちなみに2年前のブログに登場した1815SSは、ストラップがカーフだったが、撮影した日本の配備品は純正のクロコだった。この理由は調べがついている。さすがは日本のサービス、お客様に貸し出すごとにストラップを新品に換えていたので、初代のカーフ・ストラップは最初のおひとり様で終了、廃棄されたようだ。


「貴金属を使わなかったことにより、結果として、このステンレスの1815は、ランゲ史上最も貴重な時計のひとつとなりました。何個作られたのか、ランゲ本社は絶対に教えてくれませんが(笑)、マニア間では現在までに少なくとも3個の存在が報告されております。(拙ブログより引用)」


ということで、これが4本目の"発見"となる。
この4例目の個体は、近くドイツ本社に返納されるそうだが、その前に、WATCH MEDIA ONLINEの読者限定で、10数年間の日本生活をねぎらう1815SSの送別会(笑)をやらせてくれとお願いしているので、ちょっと期待していて下さい。


さて、こんな写真も撮ってみた。



黒文字盤ばっかりであるが・・・ほかに、なにかお気づきの方はいらっしゃるだろうか。

㊙㊙㊙㊙㊙・㊙㊙㊙㊙ですが、もしかしたら、A.ランゲ&ゾーネから黒文字盤にまつわる、なんらかの発表があるかも・・・気になる方は、ここ数日の間、WATCH MEDIA ONLINEをこまめにチェックです!!







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by A-LS | 2018-11-27 22:29 | ランゲ&ゾーネ | Trackback | Comments(0)

A.ランゲ&ゾーネの新作、1815トゥールビヨンのホワイト・エナメル実機を他のエナメル・モデルと比較検証する!

先日、エンバーゴ(情報解禁日時)と同時に情報をUPした1815トゥールビヨンの新ヴァージョン 限定ホワイトエナメルだが、
直後から問い合わせが相次ぎ、早くも品薄状態とのことらしい。

幸運なことに、早くも実物を拝見する機会を得たので、早速出かけてきた。






限定番号も振られていたので、限りなく実機。
今回の肝であるエナメルには一点の曇りもなく、純白無垢。
もう少し手作業ぽ差があってもよいくらいだ。



そして、ここでひとつ訂正がある。

前回記事で、個人的な推察として、
「(この作品の発売意図は)数年前に設置された自社エナメル工房の量産に、ようやく目途がついたことを実証するためのトライアルではないか」と書いたが、この推測をブランドにぶつけたところ、

この作品のエナメル文字盤は、リヒャルト ランゲ プール・ル・メリット(鎖引きの作品)のエナメルを焼いたのと同じドイツ人エナメラーである。
A.ランゲ&ゾーネの自社エナメル工房の人員は、現在まだわずか2名で、しかもエングレーバーも兼ねているため、とても量産の体制にはないということでした。


お詫びの印というわけではないが、そのリヒャルト ランゲ プール・ル・メリットとの比較画像を!

●これが同一人の作品。

ランゲのエナメルと言えば、復興10周年記念のランゲマティック・エマイル(500本限定)が名高いが、乗り掛かった舟ということで、そのエマイル比較画像も!!


ケース径の差は約2㎜だが、ローマとアラビアというインデックスの違いで、その凝縮感はかなり異なって感じられる。
また、エマイルにはまだ手仕事の風合いが漂っている(笑)。
どのブランドの作品にも言えるが、最近のエナメル技術の進歩はほんとうに目覚ましく、昔は目を皿のようにしてチェックしていたクラック(ひび)や曇りなどを見つけることのほうが難しくなってきた。
そうなると人間とは贅沢なもので、"多少の色むらのあったほうが手仕事の息づかいが感じられていい"、などという声も聞こえたりする。

で、これは比較になるかどうかはわからないが、20世紀初頭のランゲ懐中のエナメル文字盤も混ぜてみた。




ここまでくると、もう全部やりたくなるのがマニアの常(笑)。
ということで、もはや比べる意味は微妙この上ないが、エナメルということでコレも!!


ランゲ1トゥールビヨンの黒エナメルとの比較だ!

こんな全比較、普通のジャーナリズムでは決してやらないだろうが、ユーザー・サイドに立つメディアを自負するWMOは、マニア目線を最優先、しかもありがたいことに、企画意図を話したところ、何人かのコレクター氏が貴重な限定時計を貸して下さった。


●開口部を覗く、ベースとなる金属片は銅のようだ。


●トゥールビヨン ブリッジとの接合部。


●バックショット


それから、前回記事で、「※参考価格 :198,000ユーロ」と掲載したところ、その金額にユーロ・レートを掛け算して、約2600万円という数字が一部でみられたが、このユーロ価格はVAT(消費税のようなもの)の15%を含んでいるので、それを除き、日本の消費税8%を加えると、かなり安くなる。

A.ランゲ&ゾーネ ジャパンが告知している日本円予価は以下の通り。

税込 23,252,400円(税別 21,530,000円)


動画も撮っているので、後ほど追加したいけれど、今はこれた情報を急ぎUPする。

結論から言うと、数が数だけに、気になっている方は早く動いたほうが良いみたい!
ご健闘を!!!


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by A-LS | 2018-07-16 00:55 | ランゲ&ゾーネ | Trackback | Comments(0)

A.ランゲ&ゾーネ、エナメルダイヤル仕様の1815トゥールビヨンを発表!

先日、銀座ブティックでみたツァイトヴェルク・トゥールビヨンの記事を書いた際、「近々に、A.ランゲ&ゾーネからなんらかの発表があるかもしれません!」と予告したが、その正体がコチラである!


エナメルダイヤル仕様の1815トゥールビヨン リミテッドエディション!




まずは以下、A.ランゲ&ゾーネからのプレスリリースを。


ストップセコンドおよびゼロリセットを搭載した

A.ランゲ&ゾーネ初のトゥールビヨンモデルに
特別エディションが登場。


2014年にA.ランゲ&ゾーネが発表した1815トゥールビヨンは、トゥールビヨンにストップセコンド機構と秒針位置合わせのためのゼロリセット機構を初めて同時搭載した時計です。特許技術であるこれらの機構により、時計を停止して秒単位の正確さで時刻合わせができます。この度、このモデルに100本限定製作のエナメルダイヤル仕様の特別エディションが登場します。


1815トゥールビヨンのこの100本限定の特別モデルは、伝統の工芸技術と最先端技術を駆使した複雑機構を融合した、究極の精密時計です。一見したところ、白色のエナメルダイヤルを備えた明晰なデザインのこの時計は、控えめで飾り気のない印象を与えます。しかし、6時位置の大きな開口部をのぞくと、この時計が複雑な作りになっていることが分かります。



この開口部からは、ブラックポリッシュで仕上げた受けの下に取付けられたワンミニッツトゥールビヨンの動きを見ることができます。このトゥールビヨンは、重力の影響を相殺するだけではありません。A.ランゲ&ゾーネの設計技師たちは、この繊細な複雑機構と特許を取得した二つのメカニズムを連動させる技術を開発しました。1997年に発表されたランゲマティックに初搭載されたゼロリセット機構を、2008年に特許を取得したストップセコンド搭載トゥールビヨンと組み合わせることにより、秒単位での時計の停止と時刻合わせを可能にしたのです。


●ゼロリセットの略図(秒針につけらえたハート状のカムをハンマーが叩くことで秒針が帰零する)と、トゥールビヨンを止めるパーツ、"ハックレバー”


サファイアクリスタルのシースルーバックからは、自社製キャリバーL102.1の丹念に手作業で施された仕上げ装飾だけでなく、その精巧な動きもよく見えます。ムーブメントの精緻な装飾を締めくくるのは、ハンドエングレービング入り秒針車受けにビス留め式ゴールドシャトンで取付けられたダイヤモンド受け石です。



完璧に仕上げられたエナメルダイヤルにぴったりのフレームであるプラチナ製ケースは直径39.5ミリで、限定製作のシリアル番号001/100~100/100が刻まれています。このモデル1本を仕上げるのに要する手作業の工程は、約30におよびます。別途プリントして焼成した赤い「12」の数字には、A.ランゲ&ゾーネの真の時計を作ることへのこだわりが反映されています。

青焼きしたスチール製針、アラビア数字、線路をイメージしたレイルウェイモチーフの分目盛りをあしらったダイヤルデザインは、19~20世紀に名声を誇ったA.ランゲ&ゾーネの懐中時計を彷彿とさせます。

この1815トゥールビヨンは、ブラックの手縫いのアリゲーターベルトにプラチナ製フォールディングバックルを組み合わせ、落ち着きを感じさせる装いで登場します。




1815トゥールビヨン (Ref. 730.079F)

ムーブメント
ランゲ自社製キャリバーL102.1、手巻き、ランゲ最高品質基準準拠、手作業による組立ておよび装飾、五姿勢調整済み、素材の特性を生かした洋銀製の地板および受け、ハンドエングレービング入り秒針車受け


ムーブメント部品数 :262
石数 :20石、うち1石はダイヤモンド受け石
ビス留め式ゴールドシャトン :3石
脱進機 ;アンクル脱進機
調速機 :耐震機構付きチラネジテンプ、自社製ヒゲゼンマイ、毎時21,600振動
パワーリザーブ :完全巻上げ状態で72時間
機能 :時、分およびストップセコンド機能搭載スモールセコンドによる時刻表示/特許技術ストップセコンドおよびゼロリセット機構付きワンミニッツトゥールビヨン

操作系 :ゼンマイ巻上げ、時刻合わせおよびゼロリセット機構操作用リューズ
ケース寸法 :直径:39.5 mm、高さ:11.3 mm
ムーブメント寸法 :直径:32.6 mm、高さ:6.6 mm

風防ガラスおよびシースルーバック:サファイアクリスタル(モース硬度9)
ケース :プラチナ
ダイヤル :ホワイトエナメル仕上げのブロンズ
針 :ブルースチール
ベルト :手縫いアリゲーターベルト、ブラック
バックル :プラチナ製フォールディングバックル
限定数 :100本
(※参考価格 :198,000ユーロ)


以上がリリースからの引用である。
多くの方が感じるのは、なぜこの時期にこの作品が出されたのかという点ではないだろうか。これは非常に興味深いところであるが、個人的な推察としては、数年前に設置された自社エナメル工房の量産に、ようやく目途がついたことを実証するためのトライアルではないかとみている。



また今回A.ランゲ&ゾーネからは製品開発ディレクター、アントニー・デ・ハス氏のインタヴューも配信されており、それによってこの作品に関するいくつかの注目点が語られているので、そちらも見てみよう。


ーーこの作品について。

アントニー・デ・ハス(以下A):ある意味、「1815トゥールビヨン」はA.ランゲ&ゾーネの神髄を一番体現する時計かもしれません。ブランドの伝統性と時代の先駆者的発明の両方がバランスよく共存しているからです。大きく設計されたトゥールビヨンに、ゼロリセット機構とストップセコンドという2つの特許技術が搭載されています。これらの機構は派手ではないですが複雑で難易度が高く、我々の実直で高品質な時計作りの姿勢を象徴しています。時計の表からは見えない「縁の下の力持ち」として、精度、機能とパフォーマンスを向上させる隠れた英雄たちです。
時計のクラシックさを際立たせるエナメル素材のダイヤルは、かつてのランゲの懐中時計にもみられたアラビア数字のインデックス、レイルウェイ風の分目盛やブルースチール針といった要素が盛り込まれています。我々の根底にあったのは、古典的な時計作りを現代に継承する橋渡し役としての使命感でした。


―― 特許取得のストップセコンド搭載トゥールビヨンの特徴、そしてゼロリセット機構との連結について:

A: ストップセコンド機能が付いた腕時計はよくあります。でも、トゥールビヨンに搭載されることは長年ありませんでした。理由は、常に回転するトゥールビヨンケージ内のテンプを止めることは技術的に不可能と されていたからです。しかしA.ランゲ&ゾーネは不可能を可能にしました。リューズを引くと“ハックレバー”と呼ばれるV字型のバネを携えたレバーが作動します。Vを構成する2つのアームの一方がケージの3つの支柱のひとつに接触、もう1つのアームがテンプに接触し、トゥールビヨンの回転を停止させます。さらに、「1815トゥールビヨン」ではストップセコンド機構のハックレバーがゼロリセット機構と連結して、 トゥールビヨンケージの停止とあわせて秒針がクロノグラフのように瞬時にゼロ位置に戻ります。これによって、秒単位での時刻合わせが容易になります。


●1815トゥールビヨンについて語るアントニー・デ・ハス開発部長(2014年のオリジナル発表当時の映像より)


ーー12時のインデックスを赤色にした意図について

A:昔の懐中時計の文字盤でもよく見られたデザイン手法で、赤は差し色として効果を発揮します。昔からの正統的な時計作りへのこだわりはA.ランゲ&ゾーネの特徴ですが、その分手間がかかります。赤いインデックスを焼きつけるために別工程が必要になるのです。

ーーエナメルダイヤルの製作で最も困難だった点。

A:エナメルは気まぐれで時間がかかります。製作に数日を要し、さまざまな工程を何度も何度も繰り返さなくてはなりません。ダイヤルの表面を完璧に仕上げるためにクリーンな環境も必要で、極小のちりやほこりも許されないのです。


いかがだろうか。
ここでエナメルに関して少し補足しておく。昔の懐中時計で12時の色を換える(多くが赤だが、まれに青などもある)のは、エナメルの焼成技術の高さを表現するために始まったという歴史があり、この点からも今回の作品がエナメル技術にスポットが当てられていると想像できるのである。

そしてエナメル文字盤を優先しているもう一つの証拠が、この作品のケース厚である。
通常の金属文字盤に対し、同じく金属をベースにしつつも、その表裏に油で溶いたガラス質を何層か塗布してその都度に焼成するエナメルは、通常の金属文字盤よりもコンマ数ミリ程度多くの厚みを必要とする。
「この時計、文字盤をエナメルできないかなぁ~」などというマニアの不埒な欲望は、このコンマ数ミリの壁に阻まれ、断られることが多い(笑)。
今回のエナメルの1815トゥールビヨンもその例外ではなく、2014年のオリジナル発表時には11.1㎜厚だったケース厚が、このエナメル・ヴァージョンでは11.3㎜厚となっている。腕時計にとって0.2㎜のプラスは重大である。通常のケースに収めると針のカシメ部分が風防に接触してしまうなどの不都合が生じるからだ。そのため、この作品は風防もしくはケース自体に設計変更を行っている、つまりさらなるコストをかけても完成させたという、この作品の持つ伏線が、ここにもうかがえるのである。

1815トゥールビヨンとえばデザイン面でも賛否あった作品だが、ホワイト・エナメルというある意味清廉な素材を得て、ダイヤルの凝縮感、静謐さなどがどのように時計の表情を構築しているのか、すなわちそれこそがA.ランゲ&ゾーネのエナメルセクションの実力と直結するのであるが、それらはやはり、実機を見てから判断したいと思う!


ちなみにこれはブティック限定ではなく、正規店であれば問合せ可能とのこと。
いずれにしても、世界100本限定となれば、いつまでも残ってはいまい。
実機レポート前に"完売”してしまったら、ごめんなさい、である(笑)。





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by A-LS | 2018-07-12 23:14 | ランゲ&ゾーネ | Trackback | Comments(0)

A.ランゲ&ゾーネ、銀座ブティックにてツァイトヴェルク・ミニッツリピーターを見る!

久々にツァイトヴェルク・ミニッツリピーターの実機を見る。





A.ランゲ&ゾーネ最初にして唯一ミニッツ・リピーター。

2015年の発表時、たいへんに興奮して分析していたことを懐かしく思い出し、ちょっと昔のブログを引用。

『復興から20年もの間ランゲがただの一度もリピーターにトライしなかったということは、普通に考えてもあり得ないことでしょう。
風聞では、過去にいくつかのリピーター・プロダクトが陽の目を浴びることなく葬られた(そのうちのひとつは発表寸前の段階にあった!)らしいこと、そしてその理由は、主にそれらが「ランゲらしいリピーターではない」という判断からだったなどと言われています。
では、ここで言う“ランゲらしさ”とは何でしょう。

いわゆるミニッツ・リピーターは、1783年のブレゲの発明以来、その原理という点ではさほど進化はしていません。
発表の瞬間からインパクトを放ったランゲ1やダトグラフのように、確かな革新性を伴った高性能時計を世に問うという姿勢でその歴史を歩み始めたランゲ&ゾーネが、250年近くも前の使い古された原理に基づくリピーターを、ただ単に出すだけであるならば、それは「ランゲらしくない」という判断があったのだと思われます。

そこでまずランゲが選択したのは、歴史的なリピーターを進化させること、すなわちリピーターという機械が抱え続けてきた”弱点”を改善するという発想だったと想像するのです。つまりそうしたアプローチによって製作された時計であれば、そのリピーターはおのずと革新的で「ランゲらしいリピーター」となるに違いないからです。

それがまず、以下に挙げる3点の克服と革新だったのではないでしょうか。

すなわち・・・

①「防水性の確保」。
スライダーで巻き上げる形が多いリピーター動力は、スライダーという構造上、ケースサイドに空間が生じ、生活防水すら困難ですが、まずそれを10時位置のプッシャー式にして(思えばこれは「グランドコンプリケーション」でも実験ズミでしたが)、4M防水を実現しました。


②「デシマル・リピーター」。
360度の円形文字盤を4分割した15分単位でゴングを組み合わせて10分の位を告げる、今となってはややわかりにくいという弱点でもあった伝統的なリピーターの時打ちに対し、デジタル表示されている時間を、時・10分の位・1分の位の順にゴングを打つデシマル方式を採用したことで、誰もが簡単に、感覚的に時間がわかるリピータとなっています。

開発部トップのトニー・デ・ハースは言います。
「文字盤も針もないツァイトヴェルクのリピーターを考えた時、デシマルはごく自然な発想だった」。

工房主任ティノ・ボーベも
「どこにもないリピーターという観点からデシマル・リピーターに着目し、結果としてそれを搭載するのはツァイトヴェルクが最適だった」

と、ランゲの“開発2トップ”は出発と着地を入れ換えて語ってくれましたが、昔からランゲには“偶然から生まれた美しい必然”を理想的なストーリーとする傾向がありますので、ここは両人の両説を「はいはい」と受け入れておきましょう(笑)。

③「リピーター起動時にリューズ操作が規制される」。
想像してみてください。リピーターが鳴っている最中に、リューズを引き上げて時分針を動かしたり、起動用プッシャーをもう一度押すとどうなるかを(笑)。作動したリピーターはギアの位置から”時分”を読み取ってハンマーを打ちますが、その最中に基盤となっていた”時分”を動かしてしまうわけですから、普通であれば重篤な故障が引き起こされ、かなりの確率で時計は本国送りです(笑)。
このような恐ろしいプレイによって、”どういうことが起こるか”を現行のリピーターで試した方はほぼいないとは思いますが、実はこういう箇所も、古来からリピーターの弱点ではありました。
しかしこのランゲのリピーターは、それが作動すると同時にリューズと主動力の輪列を強制的に切り離すことで、この問題を解決しているのです。

当然ですが、リューズが引かれた状態では逆にリピーターのプッシャーがロックされ、操作不能となります。

もちろん、上に挙げた①~③を個々に見れば、ランゲ以前にもいくつかの先例はあります。しがし、2世紀にもわたって引き継がれたリピーターの大きな弱点を一気に3つとも改善した時計は過去にも例がありません。その点からも、「ランゲらしいアプローチを持つ、比類のないリピーター」という、かなりハードなアウトラインからスタートした時計の着地点が、このツァイトヴェルク・ミニッツ・リピーターだったと思えるのです。

実はこの時計の開発段階で、ランゲは6つもの特許を取得しています。
そのうちの3つが上記の②~③に関連するもので、すなわち、「リピーター作動中に輪列を切り離す仕組み」と「その際に作動するギアとラチェット(空回りする)・ホイール」で計ふたつ(註:ドイツ語と英語のやりとりだったため具体的な詳細は異なる可能性もあるかもしれません)。さらに「デシマル・リピーターに関連するもの」でひとつです。
そして、残る3つの特許を吟味していくと、このリピーターの特性は、より一層際立ってくるのです。』

と、まだまだ延々と続きますので、興味のある方は、こちらを参照してほしい。

(前編): https://alszanmai.exblog.jp/24181390/

(中編): https://alszanmai.exblog.jp/24200954/

(サウンド編) https://alszanmai.exblog.jp/24207238/



抽象絵画のような背面は依然美しい。。。。

現在、銀座のランゲブティックに入荷中ですので、実物を目の当たりにされたい方は是非お出かけくだされ!

こちらもブティック入荷中のリトルランゲ1ブティック・リミテッドとのツーショットを。







そして、2018年度版のカタログ、コレクション2018も出来上がってました!!


では最後に12時59分のサウンドを!



追伸:近々に、A.ランゲ&ゾーネからなんらかの発表があるかもしれません!
気になる方は、この1週間くらいWATCH MEDIA ONLINEをこまめにチェックしてください!!



A.ランゲ&ゾーネ銀座
住所:東京都中央区銀座6-7-15 
第二岩月ビル1F
03-3573-7788
定休日:毎週水曜日






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by A-LS | 2018-07-06 23:27 | ランゲ&ゾーネ | Trackback | Comments(0)

A.ランゲ&ゾーネの3つのニュース、フィリップス・オークション落札瞬間動画から北米限定モデルまで!


A.ランゲ&ゾーネからの小さなニュースを3つまとめてお届け!


まずは、ちょっとしつこいかもしれないが、先日のオークションで9000万オーバーという高額で落札された、「1815ウォルター・ランゲへのオマージュ」のSSユニーク・ピースだが、そのハンマーの瞬間を撮った動画が配信されている。




10万スイスフランからはじまり、あっという間に60万スイスフラン、ここからはオンライン・ビッダーと会場にいらしゃるパドル・ナンバー1番の紳士との一騎打ちとなります。そして競り勝ったのは会場!!
ちょっと手に汗握る動画だ。

落札者された御方の詳細はもちろん明らかにはされないが、わたしはちょっとした推論を試みた(笑)。
紳士がお召しになっているダウンベストをご覧いただきたい。
これ(動画からキャプチャしたもの)ってもしや・・・・


これ(ハンガーにかかってるもの)に似てない??

だとすると、この襟を立てると、このロゴが出てくるはず!



これはA.ランゲ&ゾーネが後援し、毎年VIPを招待しているコモ湖のクラシックカー・イベント、「Concorso d'Eleganza 」の招待客にのみ配られるベストだ。

この紳士は、コモ湖に招かれるほどのVIPユーザーであり、A.ランゲ&ゾーネのネームの入った愛着ある衣装に身を包み、パドル番号からわかるように、ほとんど一番乗りで会場入りし、つまりそれはもう、並々ならぬ覚悟を持ってこのオークションに臨んでいたのではないだろうか・・・。

もしわたしが想像するようなキャラクターの御方であるならば、あの貴重な時計がそういう方の御手元に渡ったことを、天国のお爺様もきっとお喜びに違いない!

余談だが、このオークションの落札者には、「1815ウォルター・ランゲへのオマージュ」の全ケース(YG、WG、PG)の限定番号1番を購入できるプライオリティー権が付属するそうなので、この老紳士はSS含めた全色のNo.1番を所蔵することになるかもしれない。めでたし、めでたし。


で、なかなかグッド・タイミングなことに、さっきのダウンベストの話に出てきた、「Concorso d'Eleganza 」がつい先日開催され、ちょうどその動画も配信されたばかりなので、2番目の小ネタとして紹介しておこう。



このイベントも7年目なので、やや新鮮味には欠けてきた気もするが、CEOがハマっているようで、まだ続きそうだ。
わたしも最初の3年は熱心に書いたが・・・、

(参照)
2014年 https://alszanmai.exblog.jp/22752437/
2013年 https://alszanmai.exblog.jp/20510148/
2012年 https://alszanmai.exblog.jp/18388943/

ここ数年は、我ながら記事の濃度は薄く(笑)、とうとう昨年は書いていない(汗)
2016年 https://alszanmai.exblog.jp/25855901/
2015年 https://alszanmai.exblog.jp/24501732/


知りうる限りでは、今年の記事もこのTime Zoneくらいだろうか。
興味ある方は、下をクリック!
http://forums.timezone.com/index.php?t=tree&goto=7536612&rid=0#msg_7536612


さてこれで、小ネタ2つ終了。


最後の三つめは、新作時計のお話。

実は、こんなのが出ているのだ!!!



サクソニア・アニュアル・カレンダーのグレー文字盤(+ブルーストラップ純正)だ!! 

今年の4月に北米マーケット・リミテッドで発表されたもので、限定数は25個。
実物はきっとさらにカッコ良いと思う。

このアニュアル・カレンダー、グレー文字盤ということのほかに、もうひとつ、ランゲ史上初めて採用されていることがあるのだが、下の画像をよく見て、おわかりでしょうか~?





10秒以内で正解された方には、
“首までランゲ沼”賞を認定しよう(笑)!!



正解は、
ローターのA.ランゲ&ゾーネのロゴ部分の背景にブラック・ロディウム・メッキが施されていること。

では、正解画像をドアップで!

アメリカの方は、ロゴ回りを特殊化するというのがお好みなのだろうか。
他ブランドでもこういうロゴ回りをイジる例があった気がする。

北米マーケットの、それもニューヨーク、マイアミ、コスタメサ(カリフォルニア州)にある3軒のA.ランゲ&ゾーネ・ブティックのみでの取り扱いとのことだ。


興味のある方は、ダメ元でお問合せを!!
https://www.alange-soehne.com/ja/retailers-and-boutiques/#pos-3959







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by A-LS | 2018-06-03 10:48 | ランゲ&ゾーネ | Trackback | Comments(0)

【緊急速報!!】 1815ウォルター・ランゲへのオマージュ、SSユニークピースの落札価格はなんと!!!!


【5/16・追記】 先日、A.ランゲ&ゾーネのウォルター・ランゲへのオマージュ、SSケースのユニークピースが、チャリティー・オークションで9000万円超という高額で落札されたことをお伝えしたが、A.ランゲ&ゾーネからもそのプレスリリースが発行されたので、オリジナル記事に少し追加をしました。

まずは、本オークション以降は個人蔵となるため、お目にかかる機会はほとんど訪れないであろうこのユニークピースの実機画像を、ありったけ載せておきます(笑)。今回の掲載画像は©A.ランゲ&ゾーネです。




●この時計のモデルとなった19世紀製作のA.ランゲ&ゾーネの懐中時計と。

続いては、ウォルター・ランゲ翁とのつながりを感じられる画像。

●ウォルター・ランゲの時計のツールボックスの前で。


●左に映っているのがウォルター翁の工具箱

●おそらく時計学校時代に刻まれたと思われるウォルター・ランゲの銘のある作業台。



そして、出荷前と思われる最後の手入れの画像から、ジュネーブで展示されるまでの画像。



オークション会場にて


●左から、ハンマーを握るオークショニア、フィリップス時計部門のトップ、オーレル・バックス氏、収益金が寄付されるチルドレン・アクションのベルナルド・サブリエリ氏、A.ランゲ&ゾーネのシュミットCEO


●オークション中。


以下はA.ランゲ&ゾーネから配信されたプレスリリースです。


A.ランゲ&ゾーネの世界限定1本の時計がランゲ史上最高額で落札
1815 “ウォルター・ランゲへのオマージュ”に85 万2500 スイスフラン

2018 年5 月13 日、スイスのジュネーブにあるオークションハウス「フィリップス」で春期オークションが開催され、緊張感が漂う中、1815 “ウォルター・ランゲへのオマージュ” スティールエディションが85 万2500 スイスフラン(71 万3627 ユーロ、バイヤースプレミアム込み)で落札されました。この落札価格は、これまでにオークションで競り落とされたA.ランゲ&ゾーネの腕時計の最高値です。

●1815 “ウォルター・ランゲへのオマージュ”のオークション。ハンマーを持つオークショニアはオーレル・バックス氏

1 秒ごとに歯切れ良く進むセンターセコンドが目を引くブラックエナメル仕上げのダイヤルをスティール製ケースに収めたこの時計は、2017 年1 月に永眠したA.ランゲ&ゾーネ復活の立役者ウォルター・ランゲへのオマージュとして、特別に1 本限定で製作されたものです。収益金はすべて、チルドレン・アクション財団に寄付されます。同財団はスイスを拠点に世界各地の8 カ国で、心身に障害を持つ青少年の支援活動を展開しています。

ランゲCEO のヴィルヘルム・シュミットはこの結果を殊のほか喜び、「私たちの期待を大きく上回る成果が得られ、特に、ウォルター・ランゲが常々考えていたように、チルドレン・アクション財団の主要な活動に大きく貢献できることをうれしく思います。この落札額は、A.ランゲ&ゾーネの時計への評価が高まっていること、さらには世界中のコレクターがウォルター・ランゲをいかに尊敬しているかを反映するものだと考えています」と述べています。

オークションを取り仕切ったオーレル・バックス氏は、これほどの高値が付けられた第一の理由を次のように語っています。「1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”は、A.ランゲ&ゾーネが公式に発表した初めてのスティールモデルです。この時計は、コレクターにとっては夢の時計であり、困難な状況にある子供たちを援助することを目的に製作されました。この時計には永遠に、この類い希な誕生秘話が寄り添うことになります。フィリップスのスタッフ一同、この素晴らしいプロジェクトに係わることができたことを栄誉に思います」。

1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”には、製作数1 本のスティールエディションと並んで、ホワイトゴールドモデル(限定145 本)、ピンクゴールドモデル(限定90 本)およびイエローゴールドモデル(限定27 本)があり、今秋に発売される予定です。これらの限定数は、マニュファクチュール・ランゲの歴史の中で節目となった年または年数を表しています。ホワイトゴールドモデルの145 は、フェルディナント・アドルフ・ランゲが工房を設立した1845 年12 月7日から曾孫ウォルター・ランゲが会社を再設立した1990 年12 月7 日までに流れた年数です。ピンクゴールドモデルの90 は、再設立年の「1990 年」に因みます。そして、イエローゴールドモデルの27 には、会社の再設立日からウォルター・ランゲへの敬意を表する特別モデルが発表された2017 年12 月7 日までの年数が反映されています。


以下が5月13日に掲載した当ブログのオリジナル記事になります。


つい数時間前、
A.ランゲ&ゾーネが今は亡きウォルター・ランゲ氏に捧げた「1815ウォルター・ランゲへのオマージュ、SSユニークピース」のチャリティー・オークションが、ついに決着した!!







その落札価格は、なんと!!


CHF 852,500 (スイスフラン)

●ハンマーの瞬間!!!!


で、それを本日の為替レートで日本円に換算すると、


 93,289,075円
 9千3百28万9千円でした!!


報道によりますと、70万スイスフランでハンマー:プライスとなり、
上記の数字はバイヤーズプレミアム(手数料)を含んだ数字となります。

流石です。

詳しいことがわかりましたら、また取り上げます。


取り急ぎ、結果まで。



写真提供:©フィリップス

https://www.phillips.com/detail/A-LANGE--SOHNE/CH080118/233
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by A-LS | 2018-05-14 23:19 | ランゲ&ゾーネ | Trackback | Comments(0)

A.ランゲ&ゾーネの2018新作展示会開催、ウォルター・ランゲ翁の追悼企画も

先週、A.ランゲ&ゾーネのSIHH新作を日本のユーザーにお披露目するイベント「ランゲ・ツァイト」が開催された。

会場となった素敵な洋館(赤坂プリンス クラッシックハウス)。


新作がSIHH閉幕からかなり早い時期に世界各国をツアーするイベントが恒例化したころ、確か日本は3年連続で最速海外公開地に選ばれていた。理由は、世界で3番目に開かれたブティックとオーナーズクラブがあるということだった記憶があるが、それ以降は新しくオープンしたブティックの地などが優先されてきた。しかし今年はひさびさに最速地の栄誉を得たと聞く。日本市場、期待されているようだ!

会場内のしつらえも非常に趣向が語らされていて、A.ランゲ&ゾーネのホスピタリティーが遺憾なく発揮されていた。

●会場の模様



今年の展示は、ハイコンプリケーションのトリプルスプリットをメインとした、クロノグラフの系譜と、


トリプルスプリットの使い勝手を開設するボードなど。


ドイツ本社からはツァイトヴェルクの組み立てを行っている(ということは相当上級の腕を持つ)時計師のロバート・ホフマン氏が来日して、すごく親切にいろいろな解説を行ってくれていた。



ツァイトヴェルク(手前)とサクソニア(奥)のヒゲの違いを説明。こんなに違うが、パワーリザーブはサクソニアの圧勝なのだ、などパーツという普段目にする機会の少ないツールでいろいろ説明していただけると非常にわかりやすい。



展示の中でも、ひときわ目を惹いたのは・・・・

ウォルターおじいさまのご愛用時計の展示。。。。


思わず、ツイート。https://twitter.com/als_uhruhr/status/983896346636705793

ほかにもお爺さまの思い出フォトやお言葉がいっぱい。


さて肝心の時計である。ウォルター・ランゲ・オマージュの限定時計は言うまでもないが、


その他の作品の中で、ご来場の皆さまの反応を見ていたところではコチラの・・・

サクソニアのアベンチュリン・ダイヤルと。。。
画像下左のグレー文字盤のリトル・ワンが、ひときわ注目を集めている印象だった。




もちろん、大トリはこちらだ。

限定ピースなので入手はかなり困難な状況らしい。存在感は凄まじい!!

ご来賓の袖口を見ているだけでも楽しい。
このようなドリーム・ショットも!!


その後にいただいた食事会にはロバートさんもご同席して、愛好家から寄せられるさまざまな質問にもにこやかに答えておられたのが微笑ましかった。

この袖下はダトグラフなのだ!


宴を終えた印象だが、今年のA.ランゲ&ゾーネにはトリプルスプリットという傑出した大作のほかは、ミドル・レンジの秀作が多いためか、ブランド側にもユーザー側にも、何かとても和やかというか、温かい時間、まさに"ランゲ・ツァイト"が流れているように感じた。



2018年のA.ランゲ&ゾーネは、何かとても面白くなりそうな気がする!!


この東京展示会に引き続き、大阪で行われた展示会の模様も近日掲載予定ですので、
どうかお楽しみに!!
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by A-LS | 2018-04-24 18:39 | ランゲ&ゾーネ | Trackback | Comments(0)

第41回日本アカデミー賞・作品賞受賞「三度目の殺人」とA.ランゲ&ゾーネ「サクソニア」との秘話

去る3月2日、東京都内で最優秀賞の発表ならびに授賞式が行われた『第41回日本アカデミー賞』。

是枝裕和監督の『三度目の殺人』が作品賞をはじめ最多6部門で最優秀賞を獲得するという圧倒的な評価を受けたことは、ニュースなどですでにご存知の方も多いと思う。今回はこの2017年を代表する作品と、A.ランゲ&ゾーネとの間に生まれた、映画の構成にも関わる特別な秘話・・・、というお話である。

●「三度目の殺人」ポスター



「三度目の殺人」が受賞した最優秀賞6冠の内訳は以下の通り。

⦿作品賞=三度目の殺人
⦿監督賞=是枝裕和(三度目の殺人)
⦿編集賞=是枝裕和(三度目の殺人) 
⦿脚本賞=是枝裕和(三度目の殺人) 
⦿助演女優賞=広瀬すず(三度目の殺人) 
⦿助演男優賞=役所広司(三度目の殺人) 
※その他、優秀賞として、優秀音楽賞(ルドヴィコ・エイナウディ)、優秀撮影賞(瀧本幹也)、優秀照明賞(藤井稔恭)、優秀録音賞(冨田和彦)を獲得している。

この受賞内訳を見ると、是枝監督の編集ならびに脚本など、映画の構成に関する部分が高く評価されての受賞ということがわかる。

物語の大筋はこうだ。
勤務していた工場の社長殺害で起訴されている被告(役所広司)の弁護を、福山雅治が演じる弁護士が引き受けるところからストーリーは始まる。すでに犯行を自供していた被告には殺人の前科があったため、死刑は免れようのない状況で、弁護士は死刑を無期懲役に減じる法廷戦略を採るのだが、面会の度に変わる被告の供述に翻弄されながら、やがて犯行そのものに疑問を抱くようになっていく・・・というのもの。

是枝監督といえば、ドキュメンタリー出身監督ならではの同時並行的クリエイティヴ・スタイルをとることで知られている。監督でありながら編集ならびに脚本も自ら手掛ける、つまり、脚本を書きながら撮り、撮りながら編集し、そのうえで監督として脚本にも手を入れていくという、無限のごときループの果てに作品を完成に導くのだ。

そのループ手法はこの作品においても遺憾なく発揮されたようだ。その結果なんと、サスペンス・ミステリーの要素が強いこの作品における最大の見せ場であるはずの、事件の謎解き部分(映画では最終弁論のシーン)が、バッサリとカットされたというのだ。
つまり事件の真相そのもの、極端に言えば"犯人は誰か"という最重要案件を含む多くの真実が、もやっとしたベールにくるまれたままという反則的な余韻を残し、映画は幕を閉じるのである。

その理由として是枝監督は、インタヴューで以下のように語っている。
「(被害者の娘役の広瀬すずのセリフの)『ここでは誰も本当のことを言っていない』という言葉に繋がるよう、本当のところを言っている部分を切っていった。この編集の形にたどり着いたのは、もう完成しなければいけないという時だった」

その結果、"本当のところ"が長まわしで語られていた、福山氏熱演の最終弁論シーンもなくなったというわけだ。

再び監督の言葉。
「(最終弁論シーンは)ひとつのクライマックスと言える場面だけど、全部カットした。福山さんは(そのシーンがないので)驚いたと思うけど、"この形で納得できたので、気にしなくて大丈夫”とLINEしてくれた。感謝しています」
●是枝監督のインタヴュー部分は映画.comの記事より引用したが:http://eiga.com/news/20171102/16/  
どうもそのインタヴューの元ネタは成田おり枝氏のものようにも思えるので、そのURLも併記しておく
http://news.nicovideo.jp/watch/nw3047098  :https://news.walkerplus.com/article/126509/


さて、そのバッサリとカットされた幻のシーン、半日をかけて撮った最終弁論シーンとは、約5分にも及ぶ福山雅治の長台詞をカット割り無しで撮るという、まさに主演の見せ場であり、しかも脚本が上がったのは撮影の前日、セリフの分量が分量だけに覚えるには最低2日は欲しいと言っていた福山氏だったが、その大分量のセリフをわずか1日で完璧に覚えるという、渾身の演技を見せたのだった。

是枝監督によれば、
「法廷セットの裁判長の後ろの壁を外し、大型クレーンを入れて、福山さんのアップに寄っていく5分のシーン。(福山の)声も含め、素晴らしかったですよ。『いい最終弁論になったね』と役所さんにも言われたんですが…」
『普段、本当のことを言わない弁護士が、法廷で本音を言ってしまうという最終弁論だったんです。だけど、作品全体を考えると、法廷においては誰も本当のことを言わない方が(作品として)怖い。泣く泣く、そこは切ったんです。切った方が、あの弁護士がこれから抱えて生きていかないといけない荷物が重くなって、いいと思いました』

そしてここからが本題なのだが、なんとこの幻のシーンの重要な小道具として登場していたのが、
A.ランゲ&ゾーネのサクソニア・オートマティックWGだったのだ。

映画の最も重要な真実が語られる最終弁論のシーンには、弁護士が腕元を見つつ、(時計のアップで)時間の計測をしながら犯人分析を行うというカットがあった。そのため、製作チーム側も非常に熱心に時計選定を行い、その結果サクソニア・オートマティックが選ばれ、A.ランゲ&ゾーネも快く時計の貸し出しに応じたのだが・・・。
是枝監督の、同時並行製作手法の拘りによって、最後の最後になってそのシーンはお蔵入りとされたのである。


●サクソニア・オートマティック。左がWG


その幻の最終弁論シーンは、DVDの特典映像として日の目を見るのではという期待もあったのだが、現段階ではどの映像作品にもこのシーンは収録されていない。うーむ・・・・。



●主演俳優の左手袖口の下には「サクソニア・オートマティック」がいたハズだった・・・

Ⓒ2017フジテレビジョン アミューズ ギャガ



この"もやもや感”からか、賛否両論ある作品のようだが、監督の伝えたかった"真実”は、解決を委ねられたことで観客もその重さの一端を共有せざるを得なくなるという点において、エンターテインメントとしてだけでは割り切れない、ある種の社会性を獲得していると思う。ま、映画中に散りばめられたフックをつなげていくと、真相はだいたい明らかな気もするしね(笑)。


しかしいつの日にか、封印された福山弁護士の熱演とともに、共演したサクソニアの"名演”を観たいものではある。  



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by A-LS | 2018-03-10 15:53 | ランゲ&ゾーネ | Trackback | Comments(0)

A.ランゲ&ゾーネ銀座ブティック10周年記念イベント・レポート



早いもので、2008年10月にオープンしたA.ランゲ&ゾーネ銀座ブティックが10年目を迎えた。

今回それを記念し、A.ランゲ&ゾーネの本国ドイツから時計ジャーナリスト、ギズベルト・ブルーナー氏を招き、クロノス日本版の広田編集長との対談イベントが開かれた。


ブルーナー氏といえば、A.ランゲ&ゾーネに限らず、高級機械式時計に関する数々の著作を上梓されており、ブランドの保有する歴史的資料やムーブメントなどを丹念に調べて時計を浮き彫りにしていくという、現代的な時計ジャーナリズムを確立した大先達であり、A.ランゲ&ゾーネの復興とその過程にリアルタイムで立ち会った数少ないジャーナリストのひとりでもある。


まさに生きる歴史であり、その頭脳たるや時計知識の塊のような方なので、ひとつの質問に対する答えがどんどん広がっていき、約1時間のトークショウは先生のほぼ独演会状態で、ドイツ・ウォッチ・インダストリーに関する興味深い話を拝聴することができた。

内容はA.ランゲ&ゾーネの「歴史」、「復興」、「マイルストーン(名作)」、「魅力」という4つのパートを予定していたようなのだが、2回取材させていただいたうち、一回目は「歴史」だけで40分以上を費やしてしまい、その反省を踏まえた二回目は「復興」からスタートしたものの、やはり「復興」で40分近くを費やしてしまい(笑)、なぜかヒゲゼンマイの製作法にも長く時間を割き、「マイルストーン」では、どうしても外せない「ランゲ1」「ダトグラフ」でほぼタイムアップ・・・。

おそらくこのトークの詳細は今回のイベントのパートナーを務めたクロノス日本版に掲載されると思うので、メディアの仁義としてそちらに譲りたい(笑)。

トーク終了後、金粉入りの日本酒で乾杯。ちなみにブルーナー先生は大の日本びいきで、ドイツの自宅では天ぷらを自作しちゃうほどの和食好き、時計好きであれば初対面であろうが、どんな質問にも笑顔で答えてくれるのだ、しかも延々と(笑)。
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                           

また、すでに既報ではあるが、このブティック10周年を祝して発売されるアニヴァ―サリー・モデル、「ランゲ1・デイマティック銀座ブティック10thアニバーサリー・リミテッドエディション(世界限定20本・税別価格5,505,000円)」の、その実機も披露され、イベントに招かれたゲストたちの注目を集めていた。


●ゲストが持参したランゲとのヒストリカル・ショット①。
左から、「ランゲ1(ファーストモデル)」、今回の「10周年記念デイマティック」、10年前のブティック・オープン記念として製作された「ランゲ1・ムーンフェイズ"東京ブティックエディション”」



●ゲストが持参したランゲとのヒストリカル・ショット②。
「10周年記念デイマティック」と創業時の本社建物への移転を記念して作られた限定時計「ランゲ1A」



ヒストリカル・ショット③。ブルーナー先生が持参してくださったランゲ懐中の腕化時計と今年発表された「1815ウォルター・ランゲへのオマージュ」。ブルーナー先生のがオリジナルモデルで、スモセコとは別にクロノグラフがステップ運針するランゲが特許を取得した機能を搭載している。

裏もそっくり!

●トークショウ中にもこの2つの時計の興味深いエピソードがブルーナー先生によって語られた。




製作に2年を費やしたという10周年記念デイマティック。



おめでとうございました!

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by A-LS | 2018-02-27 11:18 | ランゲ&ゾーネ | Trackback | Comments(0)

「ウォルター・ランゲへのオマージュ」ならびに、ランゲ・フレンズディナーに寄せて

ウォルター・ランゲ翁との突然のお別れから一年。
昨年の12月7日、会社にとっての大事な記念日に、A.ランゲ&ゾーネはそのオマージュ作品、「1815ウォルター・ランゲへのオマージュ」を発表し、今年のSIHHを迎えたのはすでに皆さんご存知のことと思うが、それにまつわる幾つかのお話しを、少しだけ語りたい。




YG、RG、WGそれぞれがA.ランゲ&ゾーネにちなむ異なった数の限定モデルとして発表された「1815ウォルター・ランゲへのオマージュ」だが、その3色とは別のSSケースの1本が、ウォルター翁が熱心だったチャリティー目的に使うため、オークションにかけられることになっている。


そのオークションの詳細が、今年1月16日の"ランゲ・フレンズ・ディナー”の席で発表された。
このフレンズ・ディナーというのも、ウォルター翁と浅からぬ因縁がある。
もともとは、A.ランゲ&ゾーネがSIHHに参加することになったばかりのまだ会社の草創期に、手弁当で毎年集まって来る熱心なユーザーたち(のちにその一部がLOGを名乗った)が、年一回の再会を楽しみつつ、手持ちのランゲ・ウォッチを撮影しあうなど、プライベートな食事会としてスタートしたと聞いている。時にウォルター翁が個人的に参加する年もあった。
しかしブランドが成長し名声が浸透するにつれ、年々参加希望者が増えてきたことや、VIPユーザーをアテンドする各国ランゲ支社の要望など諸々の事情によって、数年前からA.ランゲ&ゾーネ本社が統轄するようになり、ウォルター翁も交えてSIHHの2日目の夜に行われることが通例となった。
そして昨年、SIHH2日目は1月17日だった…。つまり、ランゲ・フレンズ・ディナーが行われる日の朝に、ウォルター翁が天に召されたのである。

●昨年のフレンズディナーのテーブルメニュー。17 January 2017という日付けが刻まれている。


今年、2018年の「ランゲ・フレンズ・ディナー」が開かれたのは1月16日、ちょうど一年の喪があける日に開かれる形となったわけだが、そこでちょっと洒落た趣向があった。
A.ランゲ&ゾーネはこのSIHHに合わせて、ウォルター・ランゲ翁の切手を作成していたのだが、



●ウォルター・ランゲ"記念”切手シートと、その切手を貼ったポストカード


この切手を貼ったポストカードとポストとがデイナー会場に用意されていて、その場で知人に宛てて葉書が投函できるようなサビースがあったのだ。
この切手料金からして日本向けの国際郵便は難しいと思い、1通だけウォルターお爺さま宛てのグリーティングメッセージを残したのだが、お爺さま、届いてますかぁ~!

さてこの葉書をよく見ると、「With horological greetings」というメッセージと、まさに「1815ウォルター・ランゲへのオマージュ」のSSケースのオークションピース、右にはA.ランゲ&ゾーネ社屋、そして左手にうっすらと、よく目を凝らさないと見えない図こそ、いまだ公開されていない「1815ウォルター・ランゲへのオマージュ」の輪列図のように見えるのだが、はていかに(笑)。

●ポストカードも部分拡大と実機の裏、位置をほぼ同じにして比較してみた。


この日のために用意されていたポストカードは他に2種あって、ひとつは今年の花形モデル「トリプル・スプリット」、そしてもうひとつがランゲ時計学校の選ばれた学生たちによるムーヴメント・コンペの最優秀作品のカード(このフレンズ・ディナーはその授賞式も兼ねておりました)。

●ランゲ時計学校の優秀作品(上)とトリプル・スプリット(下)のそれぞれのポストカード

でまぁ、当然と言いますか、残念と言いますか、一番人気があってすぐに品切れてしまったのは、「トリプルス・プリット」のカードであったのだった・・・。元のー数が違ったのかしら?

そしてランゲ・フレンズ・ディナーから、最後にもうひとつ。
各テーブルに置かれていたギフトがこれ。ポストカードと同じシートと「1815ウォルター・ランゲへのオマージュ」のチョコレート作品。

チョコレート色なので、ケース色は不明なのだが、自然とSS黒文字盤を連想してしまうのは仕方ない(笑)。そして個人的な話だが、コレはいまだ食せずに冷凍中である(笑)。

さて、そのピースユニーク、世界1本のSSケースの今後だが、この個体は有名なオークション会社フィリップスに託され、5月12日にジュネーヴでのオークションに出品され、その売り上げは「Children Action」に寄付されることになっている。

SIHH期間中、この時計はA.ランゲ&ゾーネ・ブースの奥の部屋に設置されたガラスケース内に展示されており、触れることは叶わなかったので、重量感やフィット感は全然わからなかったし、おそらく、オークションの終了後は目にすることすら叶わなくなると思われるので、ガラス越しであまり写りは良くないのだが、しばし実機写真を。









また、フィリップスがこのユニークピースをオークションで扱うことを報じた記事に、
https://www.phillips.com/article/28192077/phillips-to-offer-unique-a-lange-söhne-1815-homage-to-walter-lange-in-stainless-steel

おそらく最初で最後と思われる実機の接写写真が掲載されていたので、そちらもどうぞ。



貴金属ケースで47000ユーロという「1815ウォルター・ランゲへのオマージュ」だが、はたしてこのSSはケースは、如何ほどで落札されることになるのか。


この記事を書くにあたっていろいろと荷物をほじくり返していたら出てきたものや、今年戴いたものをおすそ分けしましょう。

①17 January 2017というウォルター翁の命日の日付けが刻まれている昨年のフレンズディナーのテーブルメニュー。
②ウォルター翁の切手を貼った今年のポストカード。
③2018年のコレクションブック。

①~③までのご希望のものを書いて、当記事のコメント欄から申し込んでください。
(まだ連絡先は残さないで結構です。素敵なコメントを残された方に、のちほど当方よりコメント返信の形でご連絡しますので、その後、連絡先や送り先を教えていただきます。)


なにとぞ宜しくお願い致します!



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by A-LS | 2018-02-04 00:24 | ランゲ&ゾーネ | Trackback | Comments(0)