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リシャールミルジャパンがチャリティ基金を設立、アスリートのRMファミリーも集結した発表会見にみるブランド好調の理由



2011年の東日本大震災を受けて始まったリシャールミルジャパンのチャリティ活動。
その後の熊本地震や、恵まれない子供たちを支援するラファ・ナダル・ファウンデーションへの寄付など、いまやその活動対象は世界的に広がっている。
当ニュースサイトでもすでに何回か報道しているが、その寄付総額はこの7年間で約1億8000万円以上にのぼっている。
(参考: https://watch-media-online.com/blogs/890/  https://watch-media-online.com/blogs/1079/

この度リシャールミルジャパンは、チャリティー活動の拡大と継続のため、正式に「リシャールミルジャパン基金」を設立し、先日プレス発表を行った。


●プレスカンファレンスでスピーチするリシャールミルジャパン川﨑社長

設立趣旨は以下の通り。
『シャールミルジャパン株式会社は、2011年に発生した東日本大震災復興支援チャリティの開始以来、今日まで国内外複数の団体へ寄付活動を行ってまいりました。
これら一連の活動は、助けを必要とする方々への支援を積極的に行う使命がラグジュアリーブランドにはあると考えているからです。
この考えは、私たちだけではなく、リシャール・ミルブランドの創始者でもあるリシャール・ミル氏の考えでもあります。
この考えは、ブランドポリシーとして、お客様のみならず、ブランドアンバサダーとして契約しているスポーツ選手や俳優、リシャール・ミルのブランドに関わる全世界のスタッフを含め、携わるすべての人々を「ファミリー」と呼び、本当の家族同然に常に気に掛け合い、助け合うことを非常に大切にしていることに由来しています。

2011年に日本に大きな悲しみをもたらした東日本大震災。
特に深刻な被害を受けた東北地方は、復興が進んだとはいえ、約7万人の方々が避難生活を余儀なくされ、そこで生活する未来を担う多くの子供たちの心身への影響が懸念されているといわれています。
また、 2016年に発生した熊本地震では、熊本のシンボルのひとつである熊本城が甚大な被害を受けました。その修復には約20年もの歳月と莫大な費用が必要と試算されています。
これらのこうした大災害の記憶を風化させないためにも継続した支援と発信が、私たちの使命と考えます。
リシャール・ミルブランドは、多くのスポーツ選手とファミリー(アンバサダー)契約を交わしています。彼らはそれぞれの分野で非常に輝かしい功績を残しているだけではなく、母国振興や自身に関連するチャリティ活動を主宰し着実な成果を挙げています。そこで、私たちも世界中の方々への更なる支援活動の拡大と継続を目的とした、「リシャールミルジャパン基金」を設立いたします。2018年以降もより積極的な活動を予定しています。皆様のお力添えを賜りますことを心よりお願い申し上げます。』


そしてこの場で、毎年恒例の特別なチャリティー・ウォッチのオークション、「Dear family」の2018年の提供モデルは、
「RM 11‐03 オートマティック フライバック クロノグラフ マクラーレン」のプロトタイプに、アロンソとバンドーンのサインをプリントした特別な1本であることが発表された。

2018年のチャリティーオークションモデル。
「RM 11‐03 オートマティック フライバック クロノグラフ マクラーレン」の特別製作モデル
プロトタイプ ・世界限定1本!!

ケースバックにMcLaren F1ドライバーのフェルナンド・アロンソ選手(スペイン)、ストフェル・バンドーン選手(ベルギー)の2名のサインをプリント。



自動巻き、オレンジクオーツTPT®xカーボンTPT®、オレンジラバーストラップ
通常販売予定価格:23,004,000円(税込)


●会場に展示されたオークション・モデルRM 11-03」

入札期間:2018年7月1日(日)~9月30日(日)まで
入札受付:リシャール・ミル ブティック銀座の店頭
またはfax.03-5537-5024にてご入札ください
落札発表:2018年10月1日(月)
リシャール・ミル ブティック銀座の店頭、ホームページにて
寄付先:認定NPO法⼈ カタリバコラボスクール(東北)
熊本県庁 熊本城・阿蘇神社等被災⽂化財復興⽀援委員会(熊本)
ラファ・ナダル財団(スペイン)
バッバ・ワトソン財団(アメリカ)
YB アフレイド財団(ジャマイカ)
マクラーレン社財団(イギリス)

基金専用のオフィシャルサイト、RM Foundationも開設されている。
https://rmjapanfoundation.jp/


また、このプレス発表当日には、リシャールミルジャパンのファミリーである5人のアスリートが終結し、(その日試合があった阪神タイガースの金本監督はメッセージビデオ参加)、川﨑社長を交えたトークセッションで会場を盛り上げていた。




(写真上)左から、6月からファミリーに加わった女子ゴルファー青木瀬令奈、レーシングドライバー松下信治、プロゴルファー宮里優作、スノーボーダーの竹内智香、レーサーの松下信治の各選手。
(写真下)を送った金本知憲監督から送られたビデオメッセージ。








ファミリー5人のアスリートに川﨑社長と女性MCを交え、各選手とリシャール・ミルとの出会いや、エピソード、そして自身の将来の目標など、和やかなトークショーが行われた。




またこの日には、あわせて新作である「RM 71‐01 オートマティック トゥールビヨン タリスマンの正式発表も行われた。
当サイトではすでにカミネさんがご紹介済みであるが(参考 https://watch-media-online.com/shop_news/1540/ )、トライバルアートとアールデコを融合させ、自社製オートマチック・ムーブメントによってトゥールビヨンを駆動させるという驚異的なレディース・ウォッチである。



今年のオークション・ピースとなった「RM 11‐03 オートマティック フライバック クロノグラフ マクラーレン」、
そしてこの「RM 71‐01 オートマティック トゥールビヨン タリスマン」

の2モデルに関しては、別稿で詳しくまとめたいと思う。


スピーチの中で川﨑社長は、ラグジュアリー・ビジネスとしてのリシャール・ミルが最も重んじている3つのキーワードを挙げた。それは・・・

①チャリティ
②セカンドマーケット
③ホスピタリティ
というものだったのだが、これらをさらに読み解くことで、現在のリシャール・ミルの好調の理由の一端がわかるのではと、以下、簡単にまとめてみた。


①「チャリティー活動」
これは今回の記者発表の主題としてフィーチャーされた点でもある。欧米では宗教的な倫理観もあって、チャリティは成功者にとって非常に重要な責務という考えが定着しており、世間もそれを注視している。
しかし、社内に正式な基金を設けたのは、各国のリシャール・ミル現地法人に先駆けリシャールミルジャパンが初なのである。
「ラグジュアリーブランドと名乗るからには、物質的な豊かさの提供だけでなく、心の豊かさも兼ね備えることが当然と考え、 支援を必要としている方がいるならそこに手を差し伸べること、それをブランドの使命として、今年も認定NPO法人カタリバ、熊本県庁熊本城・阿蘇神社等被災地文化財復興支援委員会、ラファ・ナダル基金、バッバ・ワトソン基金、YBアフレイド基金、マクラーレン社等など複数の団体や基金に7000万円を寄付する予定」というのがこの日の発表の骨子だが、特に東日本大震災を経験し、その際に多くのリシャールミル・ファミリーの支援を得た日本法人は、この部分に計り知れない恩義を感じ、そこに敬意をはらっていると感じる。
そして“ファミリー”という繋がりを通じて、その想いをよりポジティブかつポップに打ち出せるのが、このブランドの強みとなり、既存の日本企業とは一線を画したイメージづくりを可能にしている気がする。



②「セカンドマーケット」への傾注。
販売することで終了するのではなく、そのピースが中古品(リシャール・ミルではビンテージと呼んでいる)となった際にも、適正な市場価格と品質クォリティーを提供するための“認定中古制度”を導入している。

このシステムには売り手・買い手双方に多くのメリットがある。セカンドマーケットの流通にブランドが関与して販売価格が適正に維持されることは、売り手にとっては資産価値が裏書されることにつながる。買い替えなども非常にやりやすくなる。一方、中古品を買う際に一番の不安点である品質の保証がブランドから与えられることは買い手にとっても重要なメリットである。
さらにここには、現状の需要と供給のバランスから、販売する時計が足らないというブランドにとっても利点がある。この現状を多少ならずとも補い、リシャール・ミルを欲する人にビンテージ品を譲渡することができるという、3者すべてが丸く収まる美しい循環が生まれているのだ。

この話題に関連して川﨑社長は、「ウチはすべてガラス張りですから」と、ほぼ正確な売上本数と金額を公表してくれた。
前期(17年9月期決算)は448本を販売し、売上高は52億円(過去最高)を記録。
しかし今期は、5月までの8カ月で、すでに390本、過去最高だった前期を上回る62億円を売り上げており、業績予想を大幅に上方修正する必要があるとし、18年9月の期末までには500~530本の販売と70~72億円の売り上げを見込んでいるという。
また認定中古業務でも、前期は一年で50本の販売のところ、今期は8か月間ですでに44本、8億円強の売り上げがあり、最終的には20億円の販売を見込んでいる。
つまり順当に商品が入ってくればという前提付きではあるが、リシャール・ミルというブランドの日本国内でのビジネスにおいて、正規品とビンテージ品あわせて、100億円市場を見据えていると話す。

しかしその一方で川﨑社長は、リシャール・ミル本人との間で数字を目標にする議論は一切したことはないともいう。ユーザーに満足いただくことがビジネスの成功であり、それを積み重ねていけば必ず数字はついてくるという(リシャール本人との)共通理解のもとで、数字的な展望を持たないままやってきた。買っていただいたお客様がその後に、我々と一緒にブランドを繋げていってくれるような、そのための努力をしていこうという基本は変えない、と断言する。
その姿勢が三つ目の柱につながる。


③徹底的な「ホスピタリティー」
どのような方がリシャール・ミルを買われるのかを知り、その方をさらに満足させ、喜ばせるためにはどうすればよいのかを、常に全社の全スタッフで考える。

リシャール・ミル氏の人柄がにじみでるようなこうした姿勢が、一番わかりやすく出ているのは、ブランドが主催する各種のイベントだが、それだけではなく、所有した方であればわかると思うが、他業種とのコラボレーションやアスリートとのパートナーシップ、さらには素材の選定などによって、時計をよく知らない人にもリシャール・ミルという時計とブランド・ネームがアピールしやすい状況を、常にブランドが作っていてくれていたりするのである。



モデルの平均単価が2180万円、年間生産数は5000本弱というスキームのリシャール・ミルがここまで好調な理由のひとつは、以上のようなビジネスの指針が基盤となってることは言うまでもない。そしてさらにそこに、RM作品の基盤となっているリシャール・ミル氏のコンセプターとしての独特にして先端的な感性が加わることで、いま、リシャール・ミルは新たな支持層を得ているという。川﨑社長は次のように語る。

「たいへん若いお客様に評価をいただいている。30代どころか、20代のユーザーが数名どころではなく、かなり多くいらっしゃって新規のお客様がどんどん若くなっている。2000万円を超える時計だが、20代・30代の若者に買っていただいている。これは、私たちの当初からの目標であった、着用できる高級スポーツ・ウォッチというスタイルが、いまの若い方たちの愉しみ方と合致して、新しい需要が広がっていると分析している」という。



時計マニアから「レオン」「ゲーテ」のリッチなおじ様から、そしてついには20代のエクストリーム富裕層まで、通常は相いれない指向性を持つ層がこぞってラブ・コールを贈るリシャール・ミル。

もはやこれは、リシャール・ミルという“文化”なのかもしれない。
奥深き哉・・・。










【More Information】
http://www.richardmille.jp/



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by A-LS | 2018-06-19 22:14 | リシャール・ミル | Trackback | Comments(0)