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1815ハニーカラーゴールド・シルバーグレイン加工



アドルフ・ランゲ生誕200周年記念の1815・ハニーカラーゴールド・ケース。
昨年の秋の展示イベント以来、ひさびさに実機を見た。

この時計の大きな注目点はシルバーグレイン加工された文字盤の風合い。

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シルバー・ダイヤル上に施された細やかな凹凸が、ある意味ノスタルジックで、ハニーカラーゴールドのケースと相まって艶やかな味わいを伝えてくれるのだが、実機を拝見した印象は、昨年10月に香港のWatches&Woundersで最初に見た印象と、微妙に異なるものだった。

下の画像は、Watches&Woundersでみた(おそらく)プロトタイプ文字盤のクローズアップ。
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そしてこれがデリヴァリーされている最終形の文字盤。

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違いがお解りだろうか。
プロトでは、プリントされたインデックスのエッジに干渉するくらい加工の粒子が粗いのに対して、実機では粒子がかなり細かくなり、インデックスのアウトラインも非常にスムーズに見える。

好き好きの問題もあるだろうが、個人的に言うと、プロトの粗い質感のほうが素晴らしく思えた。
デリヴァリーに向けて、かなりブラッシュアップを試みた結果だとは思うが、20世紀初頭に出回り始めた金属文字盤の酸化防止をルーツとするこの加工法の持つレトロ感みたいなものは、かなり減衰したのは確かだ。
もちろん、きれいな仕上がりという点では実機に軍配が上がるのだろうが、進化し過ぎて通常の文字盤とあまり”差”が感じられないのもね・・・。


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ま、仕上がりは向上したわけなので、贅沢な難癖なのですが(笑)・・・。






で、ここで雑学を付け足し。
時計業界以外で、「シルバーグレイン」というと、それは主に林業の用語で、和訳すると「銀杢・虎杢」というらしい。
「杢(もく)」とは木目の斑紋のこと。
天然木に現れる木目で特に美しいものを「杢(もく)」といい、その中で最も有名なのものが「虎杢」、これが英語では「シルバーグレイン」と呼ばれるという。「杢(もく)」が発生するメカニズムは現在も明確にはわかっていないらしいが、外的要因(寒暖差、斜面で陽の光の差、瘤や節)が複合してできるという説が有力だ。虎斑は、オークや楢(ナラ)等のブナ科の木材で見られる模様で、名前の通り虎の模様に似た木目が、光の加減で銀色がかって美しく見えることからこの名がある。希少なため古くから高級材の証とされたという。

また、皮革業界にも「グレイン」という加工用語がある。原皮の真皮層の表皮に近い面を「銀面」と呼ぶのだが、この銀面をそのまま表面に使った革を「グレインレザー」、日本では「銀付き革」と呼ぶそうだ。

木材・皮革どちらの業界でも、自然の風合いの中で生じた微妙な凹凸が、光の加減で銀色に見えるような状態を指すようだが、時計文字盤の場合はシルバーのプレートに酸化防止加工したことから「シルバーグレイン」と呼ばれた経緯があるようで、ちょっと趣きは異なるようだ。

また、同じ時計業界でも微妙な違いがある。たとえばゼニスが発表したチェーンフュージー伝達キャリバーを持つ、ジョルジュ・ファーブル=ジャコ限定でも、”文字盤にはシルバーグレイン仕上げを施した”と説明されているが、比べてみると、これもまた1815とは違った風合いを持っているのも面白いところだ。

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by A-LS | 2016-04-08 12:30 | ランゲ&ゾーネ | Trackback | Comments(0)