シュミットCEOとの”プレス風”対話
復興20周年記念のランゲ1限定セット、ブティック限定モデル、ハンドヴェルクスクンストなど、どのような感想をお持ちになったでしょうか?
さて、話は少し遡りますが、先月の10月30日、虎ノ門ヒルズにあるアンダーズ東京の52階ルーフトップスタジオにて、ドイツ本国からヴィルヘルム・シュミットCEOも出席したAランゲ&ゾーネのプレスプレゼンテ―ション&昼食会が開かれておりました。
会場には錚々たる時計ジャーナリズムの面々が招かれておられ、雑誌メディアからもLeonさんやら、GQさんやら、クロノスさんやら、ゲーテさんらが、しかもみなテレビなどで拝見するような編集長さんがご出席の中に混じって、一介の趣味ブログを書いているにすぎないわたしまでも、その場にご招待いただきました。
こんなブログをメディアとしてご評価いただいたことは本当に感謝ですし、しかもしかも、こともあろうに、お食事席がシュミットCEOの真ん前という恐縮至極な位置関係でございました。
もちろん、会場にはハンドヴェルクスクンストをはじめとする新作モデルがごっそり展示してあったのですが、ま、もう時計の写真は充分に載せてきたとも思いますし、料理の写真を載せるのも如何かと思いましたけれども、一点だけ(笑)…
で、今回は、この日の席の位置関係を活かしてシュミット氏に試みた簡単なインタヴューで得た情報を、”プレスっぽく”少しだけまとめておきます。
――自社エナメルの開発は、いつ頃からスタートしたのですか。
「3年ほど前からです。現在建設中の新工場内に、エナメルの部署が設けられます」
――自社工場はいつ頃公開されますか?
「来年の春に稼働の準備を始めますが、メディアに公開できるのは8月くらいになるでしょう」
――工場内にはエナメル以外にも、文字盤やケースを扱う工芸的なセクションを作る予定はありますか?
「それは答えるのに難しい質問です。まだここでは言えないことはありますので…。今年は復興モデルから20周年ですが、わたしの頭の中にはすでに、次の20年分にも相当するアイデアがありますから、それらに関連した新しい部門もいくつかできます」
――ではエナメルに関して、今後クロワゾネやミニアチュールなどの、絵画的な文字盤にトライする可能性もありますか?
「うーん、それらの手法はランゲらしくないと思います。ランゲのヒストリーにはないですからね。メインはあくまでもブラック&ホワイトです」
「(爆笑)。」
シュミット氏は冒頭のスピーチの締めくくりを
「わたしはいま非常に忙しく動いていますが、わたしが忙しいということはランゲにとって良いことです。そして、ランゲが新しいサプライズを提供することで、プレスの皆さんは忙しくなります。わたしたちはこれからもプレスの皆さんを忙しくし続けるでしょう」と語っていましたが、このプレス昼食会のあとに全国のディーラー・ミーティングを開いたのち、その足で、夕刻の羽田から次のスケジュールが待つジュネーヴへと飛び立っていかれました。いやホントに忙しい・・・。
さて東京を離れて十数時間後、シュミット氏が向かったのは、GPHG(the Grand Prix d’ Horlogerie Genève 2014 )の授賞式でして、グランプリではなかったものの、「テラルーナ」がカレンダー・ウォッチ部門で最優秀賞をとり、ウォルターお爺様が審査員特別賞を受賞いたしました。
おめでとうございます。