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「アップサイドダウン」の名作 ~ GOとピアジェのお話

GOこと、グラスヒュッテ・オリジナルがバーゼルに向けて新作のプレ発表を行いました。

我が陣営、つまりドイツ時計で、「アップ・アンド・ダウン」といえば元祖はランゲの1815シリーズですが、
「アップ・サイド・ダウン(逆さま)」といえば、こちらGOの大発明PanoInverse(パノインバース)が元祖です。

発表された新作は、題しまして「パノマティック インバース(PanoMaticInverse)」。

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簡単に言うと、GOの話題作「パノインバース(PanoInverse)」の自動巻きヴァージョンですが、今回は、「パノインバース」のパワーリザーブ位置にGOで言うビッグ・デイトを配置し、賛否両論あったインデックスをバーにかえてクラシカルさを強調しています。
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ランゲにおいて、SSモデルを出さないのことがブランドの特徴であり素晴らしいところであるのと同様に、
GOの素晴らしいところでありブランドの特徴は、PGと並行してSSを発表し、幅広い価格レンジをユーザーに提供してくれるところです。
下の画像がSSモデル。
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さて、実はここからが本題です。

ドイツ時計の美しさの象徴とされるケースバックの光景を思い切って表にデザインし、ダブル・スワンネック、グラスヒュッテ・ストライプ仕上げ、テンプ、ルビー・シャトンなどが時分針と一緒に見える、つまりグラスヒュッテ特有の時計美を、常に腕の上に見ることができるようにデザインした時計。(下の画像はパノインバースXL)
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その分、要素を表に出しすぎてしまった後のケース裏は、ちと地味でしたが・・・(笑)
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新作のほうにはオートマティック用のローターがあるため、旧作よりちょっとは見栄えが良いのかもしれません。(下の画像参照)。
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ま、その辺はあまり触れずとも(笑)、この意表を突いたコンセプトはスイス・マーケットにも影響を与えた模様で、すぐにフォロワーが登場します。

超デカいムーンフェイズなど、そのちょっとヘンテコな時計がけっこう好きだったりもするイギリス生まれのスイス・ブランド(笑)、
アーノルド&サンのTB88などの登場です。
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「アップサイドダウン」の名作 ~ GOとピアジェのお話_b0159560_23273196.jpg「アップサイドダウン」の名作 ~ GOとピアジェのお話_b0159560_23272706.jpg






やがてアーノルド&サンは、さらにはそれを「Time Pyramid(タイム・ピラミッド)」というシリーズでスケルトン化しちゃうのです(笑)。 まぁ、透けちゃっているので逆さま加減も微妙ですし、これは表なのかもしれませんが…。

しかしその後、この「アップ・サイド・ダウン」コンセプトは、さらに驚くべき”進化”を遂げることになります。
なんとなんと、今年のSIHHで発表されたピアジェのAltiplano 900Pによって、”最薄時計”の世界記録更新へとつながるのです。
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ま、ピアジェの人に正式に確認したわけではないですが、もともとはグラスヒュッテ様式ならではのケース裏の美観を表に出すというコンセプトが、いろいろなブランドに転用され、結果として、ブリッジと日の裏と時分針を同一面で共用するという、ピアジェの究極の薄型時計の”発明”へとつながったと言っても、まぁ、あながち間違いとは言えないのではないででしょうか。
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(大袈裟に言えば…)
こうして、GOが提案した「アップ・サイド・ダウン」時計は、
ピアジェの成し遂げた腕時計の世界最薄記録である3.65mm厚 (38mm径)とともに、歴史にその名を刻むことになったのです!


最後になりますが、
ピアジェのAltiplano 900Pは、そのヴァリエーションも非常に美しいのです。


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以上、
もしもGOの「パノインバース」という発明がなかったら、
Altiplano 900Pという、今年のピアジェの世界最薄新記録の達成もなかったのではないか・・・



・・・・というお話でした。めでたし、めでたし。。。。。













by a-ls | 2014-02-17 00:31 | グラスヒュッテ・オリジナル