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Midnight Planétarium Poetic Complication ~ うちゅうのとけい

時計の魅力を喩えるときによく、『この小さな機械の中に小宇宙があるから…』などと言い、”ああ、この言葉ってなんてロマンチックな表現なんだろう”と思っていた貴方…。しかし今年のVan Cleef & Arpelsはとうとう、その表現を何ともリアルなものにしてしまわれました(笑)。

アストロノミー・ウォッチ――天文時計というテーマでは、わが陣営の”テラ・ルーナ”も素晴らしい機構を発表してくれましたが、この「ミッドナイト・プラネタリウム・ポエティック・コンプリケーション」は、着想はもとより、そこに込められたロマンや表現の美しさにおいて、2014年のSIHHでも抜きん出た存在といえるのではないでしょうか。

SIHH会場で見た瞬間に、感覚的にこの文字盤の意味するところがわかりましたし、その瞬間から、2014年の”最も気になる時計”のひとつとなりました。

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このMidnight Planetarium Poetic Complicationは6枚の回転ディスクを備え、そしてその各々が夜空に見える6つの惑星のうちのひとつを表す小さい球体の貴石を動かしています。太陽になぞらえられたローズゴールドの球をその中心位置として、ディスクはそれぞれ異なる速度で回転します。
つまり太陽から順に、 水星、金星、地球、火星、木星、土星を表す宝石が実際の公転周期に忠実に、すなわち木星はほぼ12年、火星687日、地球365日、金星224日、水星は88日、土星に至っては29年以上かかって、ダイヤル上を360度回転(一周)するのです。

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時間は、ダイヤルの円周を周回する流れ星状のシンボル(PG製)が指し示します。
ただ、目盛りは1時間を4分割したものですので、精確な時間はザックリとしかわかりませんが、太陽系全体から見たらそれは些細なことなのでしょう(笑)。
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この画像で言うと、現在時刻は22時と21時45分の間のやや45分寄りなので”たぶん…21時47分くらい?”ってな感じです。

さらにこの時計にはプライベートな特徴があります。
円周の一番外につけられた赤いポインターは、回転ベゼルによって時計オーナーの特別な一日を設定することができるのです。
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それを個人的な記念日に設定すれば、その日が来たときにターコイズで表現された地球のシンボルは、上の画像のようにサファイアクリスタルに彫られた星(☆)型の中にピッタリと入るのです。


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ジュエラーとしてのVan Cleef & Arpelsが得意とする宝石の専門知識によって、それぞれの惑星はそれをシンボライズするような貴石で美しくセットされています。
当方はあまり貴石に通じていないので、興味をお持ちの方は、上の画像に書かれた英単語を訳して、各自でそれを確認してくだされませ。

以下、データです。
●惑星モジュールの設計は、クリスチャン・ファン・デル・クラウーの手によるもの。
【註※Christiaan van der Klaauw =天文腕時計の製作を得意とするオランダの独立時計師。ソロトゥーン時計学校卒。ルノー・エ・パピに入社後独立。1992年のバーゼルにおいてプラハの天文時計を腕化したような『アストロラビウム』を出品し注目を集める。1989年より独立時計師アカデミー(AHCI)に所属。作品の多くが天文時計であることで有名】
●ベースムーブメントにはロジェ・デュブイの自動巻きムーブRD821 を採用。
●部品数は396パーツ。
●ケース径44mmでローズゴールドのみ。
●ダイヤルはアベンチュリンガラス(鉱物を包含した水晶結晶板)に、惑星を表した貴石の配列から成る。
●日、月と年は、2つの押しボタンを用いてセットすることができ、裏のダイヤルの上にある2つの開口(拡大レンズ付)を通して表示。

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特筆点としては、ま、この時計ったら特筆点だらけなんですけど(笑)、機械自体にも物凄く美しい仕上げをしているのに、ダイヤルの美しさに注目して欲しいからというブランド・サイドの強い願望から、ほとんどメタルケースバックで封印されてきたヴァンクリの時計裏が、今回はデイト表示のために裏スケで表現され、その仕上げの美しさの一端を目にすることができます。

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太陽系の惑星直列による地球滅亡説などが声高に騒がれたのは一昔前のことでしたが、6つの惑星の織りなす太陽系ジオラマを三次元で写し取ったこの時計さえあれば、次の直列が起こった時、それは腕の上で可視化されちゃうのです(笑)。
価格はおよそ245,000ドル。ダイヤモンドをセットしたバージョンもあって、およそ330,000ドルとのです。
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一瞬本気で欲しいと思っちゃったりもしましたけれども、
よくよく考えると、”ん、これだったらウォールクロックでイイんじゃね”・・・と思い直しもした(笑)。

でもでも、ほんとうに計り知れないくらいロマンチックな作品であるということは間違いないでしょう!!!!!!!!






2つのプッシャーの精確な役割や操作方法など、この時計のさらなる詳細は個人的にはまだよく解明できておりませんが、とりあえず上の動画で大まかな動作を確認してみて下さい。



また、今年のVan Cleefの素晴らしさの最大の要因である、『完璧にトータライズされた2014年の新作品テーマ』についても、
再度別のブログで詳しく触れられたらと考えております。















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Commented by トキオ at 2014-02-09 13:26 x
文句無しに素晴らしいと思います。
Commented by 武珍 at 2014-02-10 00:38 x
同じく!
Commented by a-ls at 2014-02-10 07:02
トキオさん おはようございます。
あとは、(これらはまだ未調査なのですが…)しばらく止めてしまった後の、カレンダーや天文列の合わせなど、実用面がシンプルであれば完璧だと思います!
Commented by a-ls at 2014-02-10 07:07
武珍さん 
なんと簡潔で力強い一言コメント! 
時計のグランメゾンからこそ、こういう夢のある作品が出て欲しいんですけれどもね。
Commented at 2014-02-10 08:12
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by a-ls at 2014-02-10 11:11
2014-02-10 08:12付コメントさん お久しぶりです。
そうですよね。使ってみて初めて実感する面倒臭さとかって、確かにありますからね。
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by a-ls | 2014-02-09 12:31 | VAN CLEEF & ARPELS | Trackback | Comments(6)