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a-ls 時計(Mechanical Watch Users News) blog.

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Lange1考古学

以前に書いた「謎のダース」というブログ中で、以下のような仮説、
「94年に発表された最初のソリッドケースのLange1は250本作られ、その内訳はシャンパンダイヤルが100本、シルバーダイヤルが100本、プラチナが50本で、シリアルは11万1から11万250番まで、通し番号が割り振られていたと予想します」と、書いたことがあるのですが…。(以下、ちょっと加筆訂正してますが、原文の引用。該当はその緑字の部分)。


『復興したランゲのシリアルナンバー(ケース番号)は、(1845年の創業以来約11万個の時計を作ったという事実に基づいて)110,001から律儀にスタートします。1994年に発表された復興ランゲ初のモデルは、「Lange1」、「Saxonia」、「Arkade」、「Pour le Mérite」の4モデルでしたが、さらに律儀なことに、ケース番号の下3桁とムーブメント番号を合致させようと試みたため、初年度の製品に関してはかなり計画的に番号が振られています。
もちろん、いくつかの例外はあるでしょうけれど、
基本的にLange 1には110,001~110,250までの計250本が振りあててられたと思います。、
なぜかといいますと、続く110,251番が、有名にウォルター・ランゲ翁所有のPour le Mérite(YGケース・限定番号1番!)であるからです。そして、そこから200本分、すなわち110,450までがPour le Mériteに割り振られます。
そして110,451以降をSaxonia、Arkadeで分け合いますが、こうした経緯から、110,XXX台のケース番号を持つ時計は、必ず1994~95年ヴィンテージでなければならないのです。

過去ブログには画像もありますので、(ランゲ 1)、(サクソニア)、ケース番号を確認してください。

さらにLange 1に絞って見ていきますと、復興年の94年に発表されたLange1は、すべてがソリッドケースバック仕様で、以下の3種類だったとされています。
・YG (solid caseback)ケース/ シャンパン・ダイヤル・型番:101.001
・YG (solid caseback)ケース/シルバー・ダイヤル(青針)・型番:101.002
・PT (solid caseback)ケース/ ロディウム・ダイヤル・型番:101.005

※これは推測の域を出ませんが、この250本の内訳は、YGが100本ずつで200番までを使い、残るPTが50本。結果、合計が250本になったのではないかな、と…。




ついにそれを証明する個体が発掘されました!

Lange1考古学_b0159560_1727361.jpg


ランゲ1PT Ref.100.035 
ケース番号110,205。 ムーヴメント番号158。

1996年販売のギャランティーが付属していますので真贋は問題ありません!


Lange1考古学_b0159560_17313899.jpg


この個体の発見によって、ケース番号110,201から110,250までは、
ランゲ1PT(スティルス)のソリッドケースバックに割り振られていることがほほとんど証明されたと思います。。


同時に、ケース番号の末尾3桁とムーブメント番号の一致という試みは、かなり早い段階で破たんしていたこともわかってきました。



なんか遺跡から発掘された遺物によって仮説が証明されたような感じで、
ちょっと感動しております!!
by a-ls | 2013-11-28 17:46 | ランゲ&ゾーネ