ランゲ・ブティックにて~2012新作展示会
展示初日の夜、ブティック閉店後に、オーナーズクラブ向けのレセプションが開かれました。
まずは最も気になっていたNEW GRAND LANGE 1へ。
薄くなることで獲得したシャープさには好感が持てるというのが第一印象で、手に乗せた感じにもさほどの違和感はありません。
ただひとつ感じたのはゼンマイの巻き上げに関して。最初なかなか巻き上がっていかないランゲ1のあの感覚がここにはなく、かなり均一的にスムーズな感触でした。もちろん、機械としてはこちらも理に叶っているわけですが…。偏執的なランゲ1マニアにはこだわり所だったりもします(笑)。
そこで、持参した旧GRAND LANGE 1との比較。
写真では分かりづらいでしょうけれど、厚みはかなり違って感じられます。
裏側はシャトンが少ないのが“新型”です。
このとき、なんでしょう・・・、突如、あるイメージが閃きました。(が、それは後ほど…)
次はダトグラフUP&DOWNをいじりに行きます。クロノのプッシュ感は軽やかで好感触。
大きさも腕に乗せた感じも、さほど気になりません。
さらにメンバーの方が付けられていた貴重なYGダトをお借りして新旧の比較へ。
YGダト、PTダト、ダトU&Dの裏側。
表顔の“間延び”が気になる方もおられるようですが、ダトの魅力はなんといってもこの裏顔でしょう! これはさすがに圧巻でした。
ここまでの盛り上がりの中、モックアップだったこともあってか、誰のご指名もなく、いまだショウケースの中で寂しそうに鎮座されているLANGE 1トゥールビヨン・パーチュアル・カレンダー(笑)
限定で、我が国への割り当ては“片手くらい”とわかってはいても、あのお値段ですから…、
実機の動きをみないと、おいそれと手は挙げられないでしょうね・・・。
ということで、今回はこのモデルに関しては、わたしもノーコメントということで。
そしてまぁ、コレと・・・
・・・コチラは、すでに良くご存知のハズなので・・・。
最後にピンボケですが、
ランゲ 1 トゥールビヨン・パーペチュアル・カレンダーを模したスイーツをいただき、
有志一同の2次会へと向かったのでした・・・。
これらの新作は、
3月4日まで銀座のランゲ・ブティックに展示されておりますので、
ぜひお出かけください。
で、先ほど言いかけたこと・・・、
今年の新作と旧作を較べた時、どんなイメージが閃いたのかというと、
これは誤解されるといけないのですが・・・、決して否定的なイメージではなく、
受け取り方・受け取られ方とか、アプローチにおける比較なのですが・・・
旧=
新=
いや、別に発狂したわけではないですからね~(苦笑)。
実は今回の新作と旧作との狭間に、わたしは縄文と弥生的な“差”を感じたのです(笑)。
それを踏まえて、今一度、新旧の比較を・・・
ね、ね、ね? そんな感じしませんか?
新作全体に感じられるのは、「スッキリ」とか「あっさり」とか…、そういう機能美に根差した無機質なインターバルというかシェイプから産まれるデザインの美感で、これが好きな人にはきっとたまらなく“美しい”に違いなく。逆に、旧作の根幹にあるのは、「ギュっ」と凝縮された精神的・情念的な感性を集約したデザインというかアプローチであって、これが好きな人にとってはこれ以外のプロセスは受け入れられないような性格のものに思えたのでした。
ということで、
今年の新作、おそらく好みは分かれるかもしれませんが・・・
でもそれは新・旧どちらが「良い」とか「悪い」という問題ではなく、
弥生人には、機能に影響しない縄文土器の“装飾”が無駄に思えるように、
縄文人には、どうしても弥生式土器の“無機”さに魂が感じられないように、
趣味・趣向・民族性の“差”のようなものを感じるのです。
今後、この“差”はさらに分離して進行していくのか、それとも融合して進化するのか、
その方向性によって、いろいろな“伝統の進化形”が想像できる2012のランゲ新作でした。