PuristSのKIHさんよりお借りしたリピーター動画を追加しました。
http://patek.watchprosite.com/show-forumpost/fi-11/pi-4968108/ti-751493/s-0/
先日拝見させていただいた5339Rの音色がどうにも気になって仕方がなく、
そこであの“御方”にもご同伴を願い、またまた再会してまいりました!
あの“御方”とは…、
そう、長年にわたってパテック・フィリップの主力リピーター(しかもトゥールビヨン搭載!)としてカタログに君臨し、
先頃ついに、名作揃いの3千番台リファレンスの最後を飾る形で、惜しまれつつ勇退なさった3939Hです。
その3939Hのムーヴメント、ならびにホワイトエナメル・ダイヤルという伝統をそのまま引き継いだ5339R。
まずは2ショットから。
3939H。 直径はわずか33.3mmですが、ころんとした独特の厚みを持つケース。
一方の5339Rは36.40mm径。3939Hの厚みに代わる約3mmのベゼル余白を持ち、
そこには重厚な“クル・ド・パリ”装飾が施されています (その彫りの鋭角さゆえか、パテックのHPでは、もはやホブネイルと表記されています)。
特筆すべきことに、クリスタルバックだけでなく、付属のメタルケースバックにまでホブネイル装飾がびし~っと入れられております。
そしてそれぞれの音を聴きます。
う~~~~~~~~~~~~~む。
繰り返しますが、この2本にはまったく同じ手巻ムーブメントCal. R TO 27 PSが入っています。
にもかかわらず、両者のその音は全然違うのです!!
3939より一回り大きい5339Rの奏でるサウンドは、圧倒的に強く、透明な音。
特にその音量は、これまでに聴いたどのパテック・リピーターよりも大きく感じました。
誤解を恐れずに例えるなら、
ジャガールクルトのクリスタルゴング&トレビュシェ・ハンマーにも近い音質&音量に聴こえます。
KIHさんより動画をお借りできましたので貼っておきます。
カセドラルゴングにも負けないくらい非常にクリアーで大きな音であることがわかります。
比較のため、同じ条件下で録画されたカセドラルゴングの5074Pの動画も貼っておきます。
一方の3939Hの音色ですが、5339Rに比べると小さいながらも、
その打刻音は3939の持つ独特の厚み空間の中に増幅され、気高く澄んだ、しっかりとしたサウンドに感じられます。
中の機械が同じであっても、音にこれほどの違いが生まれるのが、リピーターの面白くも不可思議なところでしょうか。
ムーブどころか、たとえば同じリファレンスで、同じケース素材でも、音の違いはハッキリと生まれます。
幸運なことに、素晴らしい友人・知己に恵まれたお陰様をもちまして、わたしはこの2年間で5本もの5016P個体の“音”を聴く機会を得ることができましたが、その5本それぞれみな、明確に異なる音色・音量・音質・音響を奏でたのです!
すべてのパテックのリピーターはフィリップ・スターン(現在は息子のティアリー)の耳によるチェックに合格しないと世に出られないことになっています。にもかかわらず、これほど個体差が生まれるのは何故か?
最も響きの良いケース素材について、過去にフィリップ・スターンはRGと答えたそうですが、それは真実なのか?
製造年度が下るほど打刻音が大きくなる傾向は、スターン氏の聴力の老化に反比例しているのではという噂の真偽は?
などなど、リピーターの“音”にまつわるこれら、ある意味“都市伝説”(笑)について、
いつの日にか、まぁランゲのリピーターが世に出た時にでも改めてまとめようかと思っていますが(笑)、
リピーターの“音”という要素は、ムーヴメントと同様、実に実に奥深い世界だと思います。
さて今回ですが、
この5339Rについて、「興味深い話を聞いた」と前のブログで“もったいぶった書き方”をしたところ、
「はよ、それ書けや!!」と叱られたので(笑)、今日はその点について書きます。
以下、未確認情報も含まれますので、どうか眉に唾してお読みください(笑)。
More・・・つづく