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ワイン会と鮎の会

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ワイン会にお招きいただく。

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錚々たるラベル。

ただただ、美味しく戴き、感謝・感謝・・・。






ついで、日を改めて
鮎の会に参加させていただく。


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錚々たるメンツ・・・・



あ、それは、











・・・集まった時計の話(笑)

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旬の天然鮎&Deep二次会。。。





実に心地良い宴だった、……またよろしくお願いします。


































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by A-LS | 2015-06-27 15:29 | GTG | Trackback | Comments(0)

リシャール・ミル~フェリペ・マッサ・コラボレーション10周年記念モデル

リシャール・ミルとF1レーサー、フェリペ・マッサとのコラボレーション10周年を記念して、2種の限定モデルが発表された。

スポーツシーンにおける時計の新たなスタンスを提唱し続けるリシャール・ミルにとって、フェリペ・マッサは、おそらく最初のスポーツ・フィールドからのアンバサダーだった。そして、アンバサダーとして時計を実装してレースを走ることで、彼自身がまさに”リシャール・ミルのテストドライバー”として、数多くの貴重な実測データをブランドにもたらしたはずだ。その意味で、リシャール・ミル本人にとっても、マッサは非常に特別な存在なのだと思うし、ブランド・アンバサダーをファミリーとして非常に大事にするリシャールさんの、これは人情味あふれる義理堅さの結実といえるとも思う。


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ただ、時計に関しては、その価格や限定数は、人情っぽくないかも(笑)・・・と思われるのがコチラ、RM056のファースト・ヴァージョンのリモデル。ダークブルーに縁どられたダイヤル・デザインによって、スポーティなイメージが増強したが、これを着用してF1を走れるのかは未確認(笑)。10本限定。


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そして、お馴染みの RM011ではあるが、注目素材 NTPT で完装されたフェリペ・マッサ仕様モデルが100本。
12時位置にマッサのレース・ナンバー「19」があしらわれている。

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時計自体は既存モデルのリモデルなので、知識にも乏しいわたしなぞがあまり触れることもないけれど、門外漢なりにちょっと書きたいことがある。
あえてブログにしたのはそのためだったりする。

リシャール・ミル初期のモデル、RM002などを使ってみるとよくわかるのは、時計自体がレーシングカーのコックピットをイメージしていることである。ファンクション・セレクターはギアチェンジのイメージだし、トルクインジケーターの針の動きはアクセルを踏み込んだ時の計器類の動きを彷彿とさせる。
コンセプターとしてのリシャール・ミルの面目躍如といったところだが、彼のチャレンジは実に果てしなく、「時計=コックピット」から、やがてそれは「時計=レーシングカー本体」へと拡大していくのだ。リシャール・ミルが邁進した、ボディーの素材探究や軽さへのあくなき挑戦、それはまったくF1カーや戦闘機の永遠の研究テーマに他ならない。リシャール・ミルのこうした理論的で筋道の通った探究過程において、フェリペ・マッサの果たした功績は何物にも代えがたいものであったに違いないのだ。

つまりこのアニバーサリー・モデルとは・・・、
戦闘機や宇宙船やレーシングカーなみの科学技術と研究成果を時計に注ぎ、それが、時計にとって必要なのか不必要なのか、そんな雑念をものともせず、ただ自身のコンセプトを突き詰め続けた超一級の時計馬鹿と、それに応え続けた超一級のF1レーサーとの10年間の結実というか、男と男の夢の”一里塚”にも思えるのである。

あれから10年、その一見馬鹿げた野望と挑戦の意味は、いまやこの時計馬鹿と価値観を共有したいと望むファンの多さと熱い支持によって見事に証明されている。




そうした歴史に思いをはせると、
ちょっとウルッとくる時計ではないだろうか!




















もし石油王とかだったら、056、絶対買ってやるのだが・・・(爆。













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by A-LS | 2015-06-24 13:25 | リシャール・ミル | Trackback | Comments(1)

不思議なノーチラス

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ん!?
6時上の、この妙なマークは何?




実はこれ、特別な納品先にのみ許される特別な紋章なのである。






その答えがコチラ。




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あのマークは中東の君主制国家オマーンの国章で、伝統的な短剣「ハンジャル」をモチーフにしたもの。

オマーンでは勲章などの副賞や恩賜の品として時計が贈られることが多く、そういう用途のために発注されたロレックスやパテック・フィリップには、この国章が入れられるらしい。その慣習が現在も続けられているかどうかは未確認だが、オークションハウスなどにこの”オマーン・ウォッチ”が登場する際は、(ま、モノがモノだけに落札額がそれほど伸びるわけではないけれど)、レアピースとして扱われる個体である。


さて、上の例では王様のノーチラスだが、ある意味、それとはまったく正反対の存在といえるノーチラスref.3800が、6月27日のアンティコルム香港オークションに出品されている。それがこちら。。。



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ダイヤルからブレスまで、すごい宝飾。



実はこのノーチラスは、山口組系の広域暴力団・柳川組組長、柳川次郎に送られたノーチラスだというのである。
興味のある方は調べてみるといいが、柳川組は山口組を語る際に欠かせない存在だそうで、その武闘派気質は”殺しの軍団”とまで呼ばれ、山口組傘下という二次団体でありながら警視庁から単独の広域暴力団に指定された唯一の組織であった。
柳川次郎は”魔天の黒シャツ”と綽名され(柳川組の本部があった大阪市北区天満をマテンに読み換え、本人が好んで黒シャツを着ていたことから付いた)、有名な「仁義なき戦い」などでも知られる東映実録やくざ映画シリーズでも、千葉真一や小林旭らによって演じられているほか、最近では「実録・柳川組」というシリーズ作品で竹内力が主演をつとめている。再三映画の題材となるような、かなり濃密な生き様があったと想像される。




資料によれば、1969年4月9日に柳川は獄中で柳川組の解散を決意、そのため山口組・田岡組長から絶縁状を受けることになるが、その世界から引退した以後は、亜細亜民族同盟を創立して日韓の親善につとめたり、ボクシング団体の日本IBF設立に関わり初代コミッショナーを務めたりもする。

このノーチラスは、ヤクザから完全に足を洗っている1990年製のもので、寄贈品であるうえ、しかも本人はその翌年1991年12月に大阪で死去している(享年69・満68歳)ので、使用の程度はほぼなかったかもしれないが、四半世紀を経てマーケットに登場したわけである。。
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見るからにそれっぽい華美さだが、よく見るとラウンド・ダイヤを18Kの台座に編み込んだ丁寧な造りで、ダイヤは計7.49カラット。ドルフィン・ハンドというのも珍しく、ケースバックには"贈・柳川魏志(彼のもうひとつの名)”と刻まれた、これは間違いなくユニーク・ピースである。
エスティメイトは8万~12万ドル。アンティコルムのカタログにもこの所有者の履歴は、はっきりと明記されているので、それを受けた落札結果が気になるロットである。


(詳細はコチラ↓)
http://cat2.antiquorum.com/catalog/lots/patek-philippe-ref-3800-108-lot-292-392?page=1&q=patek+3800






王様から組長まで、まさに正反対なトップ・オブ・トップの2本のノーチラス。
パテック・フィリップの奥の深さを垣間見れる2本といえるのではないだろうか。。。。














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by A-LS | 2015-06-21 20:06 | パテックフィリップ | Trackback | Comments(3)

パルミジャーニ師の言葉


降りそうで降らない曇天の夕空。わたしはそそくさと青山外苑の道を急いでいた。
何しろこの日、パルミジャーニ・フルリエの東京オフィスにお招きいただき、偉大なマイスター、ミシェル・パルミジャーニ師のレクチャーをSkypeを通じてライヴで聴講できるという、類まれな機会に恵まれたからだ。

なんでも、これから世界各国のエンドユーザーとこのようなコミュニケーションを図っていく方針だそうで、今回はその世界初の、いわば”実験ケース”としてお選びいただいたらしい。いや、実験であれなんであれ、光栄なことに間違いない。

膨らむ興奮と少しの緊張を携えてエレベータに乗り、招き入れられた応接間は、まさにSkypeの最終チェックの真っ最中だった。

早速、パルミジャーニ・フルリエ・ディストリビューション・ジャパンのジェネラル・マネージャー、ブルーノ・モネ氏と名刺交換を済ませると、フレンドリーなこの御仁は、
「あ、そうそう、紹介するよ。ミシェル・パルミジャーニだ」と、モニター画面の向こう側でチェックのためにスタンバイしていた男性を指し示す。
気取りのないカジュアル・スタイルで椅子に腰かけていたその男性が、片手をあげ「C'est bon(セ・ボン)!」と、なんとまぁ気さくな第一声。
これが”神の手を持つ男”と呼ばれた時計師とのファースト・コミュニケーションだった。


この日招かれた日本側ゲストは6名。日本時間は夕刻、仕事終わりのわれわれはシャンパンで、スイス時間は午前中のためこれから仕事に入る時計師はペリエを片手に、互いのモニター越しに乾杯し、そして、60歳を過ぎているとは思えないほど精力的で若々しいミシェル・パルミジャーニ師の講演は始まった。
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内容は、幼年期の時計との出会いから、修復師として時計界に入った理由、サンドス・ファミリー財団との出会い、そしてマニファクチュール・ブランドを設立して現在に至るまでの師の経歴を軸に、機械式時計の製作に対する姿勢や情熱を織り交ぜた興味深い講演だった。

それはとてつもなく純粋で当たり前な話だったのだけれど、パルミジャーニ氏の口から出るその言葉には、やはり説得力があった。

やがて質疑応答の時間となり、各ゲストからの質問が続く。そしてそのしんがりで、かねてから興味を持っていた質問を正直にぶつけてみた。
以下、記憶をたどってまとめてみる。
ま、多少美化されているかもしれないけれど(笑)、質疑応答のやり取りは概ね次のようなものだった。


――古い時計の修復にも関わっているパルミジャーニさんだからこそお伺いします。
主に手仕事で作られた昔の時計と、進歩した精密機械や計測器が用いられる現代の時計、それぞれの利点と欠点を教えてください。

「最近の精密機械の進歩は素晴らしいですが、そのまま人の手を何も加えずに使えるパーツは実はそれほどありません。人の手が加わることでそれはさらなる精密さや仕上げの美しさを持つのです。機械によって製作された部品だけを組み上げても、それはまだ高級機械式時計と呼べる範疇に到達しません。もちろん、良い点もあります。機械の進歩によって、部品を均一的に作ることが容易になりました。つまり部品の取り換えが容易になったのです。それによって現代では時計の故障やオーバーホールの際にも、的確で素早いサービスが可能になりました。これは精密機械のなかった昔では大変に困難だった点で、古い時代の高級機械式時計の多くが特別オーダーによる一点物で成り立っていたのは、主にその点によります。」


――高級機械式時計という範疇において、パルミジャーニ・フルリエと他ブランドとの大きな違いは何でしょうか。

「時計の完成度において生じる大きな違いは、ひとつの部品に対して、そして、ひとつの調整に対して、どれほどの時間を費やすかということに尽きます。解かりやすい例は仕上げでしょう。トゥールビヨンのキャリッジの部品を満足のいくレベルで仕上げるには、どんなに最低でも20時間の時間が必要です。もちろんそれ以外の工程、たとえばヒゲゼンマイの調整もそうでしょう。ひとつひとつにどれほどの時間を費やすのか、もちろんそれはコストとして価格に跳ね返ってきますので、これは作り手側の覚悟と信念の問題となってきます。高級機械式時計の範疇にあることを謳いながら、本来掛けるべき時間や覚悟が不足した時計も、かなりちらほらと目にするのも事実です。わたしたちパルミジャーニ・フルリエは年産5000本の時計を制作していますが、その一本一本に、マニファクチュールとしての誇りと信念が込められています。」


――機械式時計の機構自体はかなり突き詰められて、近年では素材や装飾の違いをして”新製品”と呼ぶ作品が目につく気がしますが、高級機械式時計はこれからどのような方向に進むべきだとお考えですか?

「確かにそういう傾向があるのは間違いありませんが、わたしはスイスの機械式時計産業がクォーツに駆逐されて、『昨日はあそこが閉鎖した、今日はあそこが倒産した』という、たいへんな逆流の中でこの世界に入りました。そのため古い時計を修復することからキャリアをスタートさせました。そのときもわたしは、自分と機械式時計は”赤い糸”で結ばれた運命的な関係と感じていました。それは今も変わりません。ですからわたしのキャリアは、昔に発明された素晴らしい機構が進化や改良を加える過程をより良く見ることができました。その上で言えることは、どんなに突き詰めても、未だどの機構も完璧ではないということです。それが完璧でない限り、そこに改良の余地がある限り、時計師はそれを完璧に近づけるために最善の方策で取り組むべきであり、それがわたしたちの使命でもあると考えています。」

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残念ながら、ここでタイムオーバー。
「この続きは、ぜひまた近いうちに行いましょう」というモネ氏の挨拶で、パルミジャーニ氏は”本日の作業”へと戻っていったが、最後の回答の言葉はとても印象的だった。

なるほど!クロノグラフも永久カレンダーもトゥールビヨンも、ミニッツ・リピーターだって、2015年現在、”これがパーフェクトだと言い切れる機械はないのだ”!
どこかに改良の可能性が残されている限り、それをコンマ1ミリでも完璧に近づける可能性に向かって、ほほ永久的に、良心的なウォッチメイカーには成すべき挑戦が存在するのだ!!

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その後、場所を変えてディナーをご一緒したのだが、これもまた素晴らしいものだった。特にジェネラル・マネジャーのモネ氏のお話は、時計は言うまでもなく、多岐にわたる趣味の話が実に愉快で、とても贅沢な時間を演出してくれた。特に車に関しての造詣は深く、パッド片手にご自身が所有する21台ものクラッシック・カーの動画や画像を披露してくれたり、車の縁で当時BMWに在籍していた現ランゲCEOのシュミット氏とは10年来の知己であることや、あのリシャール・ミル氏とF1のクラシックカーを共同所有している話など、興味深い交友関係もうかがうことができた。


マネージャー氏がこんな感じなので、こういう会にありがちな、いわゆるセールスプレッシャーのようなものが微塵もない。
それどころか、ブランド全体にゆとりというか、一流を誇りとしそれを楽しむ余裕が溢れている感じなのだ。

最近よく想ってしまうのだが、時計を買う人(ユーザー)、作る人(ブランド)、売る人(代理店)という3者それぞれの本来の立ち位置は、もしかしたら相容れないのかもしれない(笑)。3者が「時計を愛する」というスタンスでいるうちはそれなりハッピーなのだが、その”愛情”の質は意外と異なっていて、究極的に「経済活動」というスタンスに変換されていく比率が高まると、互いの関係性はかなり息苦しいものになるのではないか・・・。

しかしこの日の体験、パルミジャーニ氏の真っ直ぐな言葉、そしてブランドスタッフの醸し出す、時計と人との出会いを楽しむ気風・・・。おかげで様で何か、最近は忘れてかけていた時計への感情や、ブログの行く末などいろいろと考えあぐねていた迷いなどに、この夕景の出来事はとても心に強く響き、時計と自分との関わり合いみたいなものを、改めて自分なりに整理するよいキッカケとなったと思う。
この日を契機に「感じたこと・決めたこと」については、近々別にブログにまとめることにしたいと思う。


うん。いろんな意味で、”Merci beaucoup”、どうもありがとう!!!




















ブログをずっと敬体文で書いてきたが、
そのために本業の文が荒れてきた気がしたため、
久しぶりに、常体で書いた。







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by A-LS | 2015-06-20 03:20 | パルミジャーニ・フルリエ | Trackback | Comments(4)

”和時計”に会う

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独立時計師アカデミー(=Académie Horlogère Des Créateurs Indépendants) 、AHCIの正会員である菊野昌宏さんの和時計を拝見できました!
しかも、初号機と今年のバーゼルワールドで発表されたリサイズ・ヴァージョンを、2本同時に!!
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和時計は、江戸時代の日本で一般的だった時制である不定時法を腕時計上に再現したものですが、それが非常に困難な技術であるのは、その”不定時法”という名の通りに、目安となる時刻自体が”不定”で季節によって日々変動するという点です。

江戸時代の時刻は、日の出と日没を基本にしており、日の出を”明け六つ”、日没を”暮れ六つ”として、昼と夜の時間をそれぞれ6等分して、そのひとつを一刻(いっとき)としていたわけです。つまり日の長い夏になれば昼の一刻は長くなり、逆に冬の昼の一刻は短かくなければなりません。季節によって一刻の長さがぜんぜん違うわけです。
12時間なり24時間なりを均等に割ってこその”時計”という概念では、これを文字盤上に再現するのはほぼ不可能にも思えますが、和時計は時刻の駒(今で言うインデックス)のほうも自動的に動かすことでそれを克服してしまうという、とてつもない時計なのです。

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この”不定時法時計”は、東芝の創業者のひとりであり、江戸末期~明治期の日本の偉大な発明家、田中久重の国宝級の名作「万年時計」に搭載されていることでも有名ですが、今から10年前、2005年の愛知万博(愛・地球博2005)の際に、この「万年時計」のレプリカを出品する国家プロジェクトが発案されました。最先端技術のエンジニア約120人が投入され、故障状態で保管されていた万年時計を分解し、その仕組みを理解して動作するレプリカを博覧会に展示するという企画でした。しかし、この和時計機構以外にも、天球時計機構、一年間のパワーリザーブという超ロングな動力機構など、「万年時計」が備えていた機構はあまりに複雑すぎて、結局、レプリカの製作は博覧会のオープンに間に合わなかったという逸話が残されています。

興味のある方は、そのプロジェクトに密着した下のNHKの番組をどうぞ。




実は、わたくしは時計よりも先に、この田中久重に魅了された経緯があります。小学生の時に、NHKの子供番組でこの久重の少年時代ををドラマ化した「からくり儀衛門」という番組がありまして、本当に夢中になってみておりました。
その中で、今でも強烈に記憶しているエピソードが、時計絡みのものでした。

早朝のまだ暗いうちに起き、”明け六つ”の鐘を撞かなければならない寺の小僧さんの苦労を知った儀右衛門少年が、自動鐘つきのからくりを思い付き、寺に内緒で勝手に設置するエピソードです。それは、設置したタイマー替わりの荒縄がほどけきると、荒縄の先に括り付けられた切り株がハンマーとなって鐘を撞く仕組みだったのですが、その荒縄の長さを計測したのが夏、しかし設置は冬だったため、日の出前にからくりが作動してしまい、和尚にこっぴどく怒られてしまいます。
しかしこの失敗から儀右衛門は、「定時法」と「不定時法」の概念に気付いたのでした…というもの。
思えば、このドラマに感じたわくわくが、今の時計趣味のルーツになったのかもしれません…。ああ、懐かしい。




や、話がすっかり横道にそれてしまいましたが・・・


そんな複雑な和時計の機構(自動割駒式和時計=じどうわりごましきわどけい)を、腕時計サイズにまで小型化・搭載したのが菊野さんなわけです。


でも、「夜が明けたら6時」、「日が落ちたら6時」という、とってもわかりやすく、なおかつ自然と調和した日本人の時制、それを機械式時計という歯車の規則の中に再現した菊野さんの感性と技術、これは間違いなくそのスピリッツ&発想からして日本オリジナルですから、広く世界に発信して、この感性を世界中の時計ファンに知ってもらいたいと、わたしは心から願うのです。
もちろん現在の時分針も備えていますし、緯度と経度を伝えれば(白夜の関係で北限はあるそうですが)、海外でもその地の不定時法を味わうことができるそうです!!

【菊野さんのHP】→ http://www.masahirokikuno.jp/


また、この和時計は現在、セイコーミュージアムで一般公開中ですので、ぜひお出かけください!
http://www.seiko.co.jp/news/holdings/2015/201505291598.html




ちなみに、この集会は不定期開催のイベントで、日本在住の外国人時計マニアと日本の時計愛好家が、英語と日本語のちゃんぽんで時計の話ばっかりするという変だけどとっても楽しいイベント。
今宵の時計たちがこちらでした。。。




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ああ、楽しかったぁ~












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by A-LS | 2015-06-18 16:24 | 時計いろいろ | Trackback | Comments(4)

世界一の複雑時計

今年の9月17日、世界で一番複雑な時計が発表されます!


これまでの時計史において、最も複雑な時計といえばパテック・フィリップのキャリバー89でした。
しかし、世界3大ブランドのひとつバシュロン・コンスタンタンは、今年むかえる260周年記念式典の”目玉”として、現在制作中の懐中時計を披露すること、そしてその懐中時計は、過去に製作されたどの時計よりも複雑な機構を持つことを明らかにしました。


以下、HPより引用します。

「1755年の創業以来、一度も途切れることなく続いてきたマニュファクチュールであるヴァシュロン・コンスタンタンは、2015年9月17日、創業260周年を迎えます。
この記念すべき特別な機会に、メゾンは前代未聞のタイムピースを発表します。 高級時計製造の世界で前例のない技術進歩を体現するこの時計は、発注者であるコレクターの夢と、難題の実現に挑むメゾンの意欲から生まれた作品です。

この懐中時計の製作には、 8年に及ぶ開発期間を要しました。8年間このプロジェクトに特化したメゾンの3人の時計職人たちが、スペシャルオーダーを担当するチーム「アトリエ・キャビノティエ」のサポートを受けて、全面的に設計・製作を手がけたこのグランド・コンプリケーション時計は、卓越性の探究によって培われてきた260年にわたるノウハウを示すものです。

昔ながらの時計製造の原則と、21世紀の革新的な技術を同時に用いて生み出された、世界で最も複雑なこの時計は、ジュネーブ・シール取得のための厳しい条件を満たす計時機能とコンプリケーションの驚くべき組合せになっています。

この時計には、一から計算・設計を行わなければならなかった全く新しいコンプリケーションが搭載されています。さらには他のすべてのコンプリケーションに関しても、技術あるいはデザイン面での改良や変更が加えられており、数多くの特許申請の対象となりました。
この世界一複雑な時計の製作には、不断の粘り強さのみならず、かつて到達されたことがないほど高レベルな数学と職人技を駆使することが求められました。

この卓越した時計に搭載されている、数々の斬新なコンプリケーションに関する詳細は、今後少しずつ明らかにされます。今年の260日目で、なおかつメゾンの創業260周年の日に当たる2015年9月17日、ヴァシュロン・コンスタンタンは、世界に一つしかないこのタイムピースの全容を明らかにします。」


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久々にエキサイトする内容ですが、ちょっと冷静になりましょう。
ひと口に世界一複雑な機能といっても、なにをして世界一と決めるのかですが、これまでは複雑機能の数でした。現時点世界一といわれるキャリバー89は33の複雑機能を有していました。
かつてパテックの175周年時計5175についた書いたブログで、キャリバー89の複雑機能にも触れましたが、その33機構を羅列しますと、
1)恒星時の時間、2)恒星時の分、3)恒星時の秒、4)第2タイムゾーンの時刻、5)日の入り時刻(ジュネーヴ)、6)日)の出時刻(ジュネーブ)、7)均時差、8)トゥールビヨン、9)永久カレンダー、10)日付(レトログラード表示)、11)西暦年(3ディスク)表示、12)曜日表示、13)月表示、14)閏年表示、15)世紀ごとの閏年修正、16)太陽針(季節、分点、至点、黄道12宮)、17)天空星座図(ジュネーブ)、18)月齢ムーンフェイズ、19)イースターの日付、20)クロノグラフ、21)スプリットセコンド・クロノグラフ、22)30分計、23)12時間計、24)グランド・ソヌリ・チャイム、25)プティット・ソヌリ・チャイム、26)ミニッツ・リピーター、27)アラーム、28)ムーブメント・パワーリザーブ、29)チャイム・パワーリザーブ、30)チャイム停止装置、31)リュウズ位置インディケーター、32)ツイン・バレル、33)4ウェイ・セッテイング・システム。

・・・なのですが、おそらくこのヴァシュロンの懐中時計(社内的なプロジェクト名は”グランド・ルーブル”もしくは”マグナム・オーパス”と呼ばれているそうですが、有名なアレックス・ゴビ氏は非公式ではありますが、”チボリ”と名付けています)、この時計が、世界一を謳うということは、まず間違いなく34以上の複雑機能が搭載されていると思われます。

どのような新機能が含まれるのかはおいおい明らかにされていくのらしいのですが、ブランドはいくつかのヒントを提示しました。

新機能その①:ビッグベンでお馴染みのウエストミンスター・カリオンのゴングを搭載。
グランドソヌリとプチソヌリの切り替え(ゴングの打音)に関する画期的な機構がある。
また、あらかじめ設定しておくことで、就寝中など音を出したくない時間帯に自動的にサイレンスモードになる機構がある。

新機構その②:選択・切り換え可能なデュアル・カレンダー機能を備えている。
つまり、12か月・52週・7曜という一般的なグレゴリオ暦と、ISO 8601ビジネスカレンダーシステムとの切り替え、あるいは瞬時の読み換え(?)が可能。

ここで先のヴァシュロンのHPの文章を思い起こしてほしいのです。
今年の260日目で、なおかつメゾンの創業260周年の日に当たる2015年9月17日、ヴァシュロン・コンスタンタンは、世界に一つしかないこのタイムピースの全容を明らかにします”という文章、これは、ISO8601にはその年の何日目かを表示する項目があることを、暗にほのめかしていると思われます!!
ちなみに、9月17日という日付は、1755年にジャン‐マルク・ヴァシュロンが公式に最初の弟子(時計師見習工)を採用し、時計工房として最初の段階を刻んだ日でもあります。



さて、もうひとつ驚くべきことは、この時計は一般に販売するために開発されたものではなく、「アトリエ・キャビノチェ」 と呼ばれる顧客のオーダーメイドに応えるセクションが窓口となって作られているということです。

ヴァシュロンのHPにはこういうページもありますので、引用します。

「1755年の設立以来、ヴァシュロン・コンスタンタンが特に力を注いできたことは、モデルの外観の決定や、機能や部品の選択に際限ない時間を費やし、熟練時計師によるオーダーメイドの腕時計を製作することです。非常に複雑な時の表現や詩的表現、ギヨシェ装飾やエナメル装飾を施した文字盤、ローマ数字やアラビア数字、センターセコンド針やパーペチュアルカレンダーなど、あらゆることを実現し、オーナー様の望みを反映させた個性を腕時計に与えるために労を惜しみません。

ヴァシュロン・コンスタンタンの腕時計のコレクターは、このことを熟知しています。そのため、1860年代には、皇帝アレクサンドル2世と皇后が、息子のウラジーミル・アレクサンドロヴィチ大公のために豪奢なタイムピースを注文しました。20世紀の初頭には、パティアラのマハラジャ、ブーピンダル・シン氏が腕時計のスペシャルオーダーの著名なお得意様の1人でした。有名なニューヨークの銀行家ヘンリー・グレーブス・ジュニアと、彼の友人であり有名な20世紀初期の自動車製造者ジェームズ・ウォード・パッカードも、ヴァシュロン・コンスタンタンが製作したオリジナルのタイムピースの素晴らしい オーナーでした。

現在、ヴァシュロン・コンスタンタンの「アトリエ・キャビノチェ・スペシャル オーダー」サービスが、アイデアや独創性の自由なやり取りから築かれたこの 伝統を引き継いでいます。

「アトリエ・キャビノチェ・スペシャルオーダー」部門の使命はジュネーブの優れた時計職人キャビノチェたちの卓越したノウハウを永続させることです。このアトリエは私どものお客様に、あらゆるご希望を叶えた、唯一無二のタイムピースをオーダーメイドで製作するという他にはない特別なサービスをご提供いたします。

このスペシャルオーダーの多くには秘密と内密性が取り巻いています。しばしば常軌を逸した夢を体現したり、とにかく激しい欲望を表現しています。視覚的に選ぶというよりもオーナー様が希望を話すことで製作されます。
キャビノチェにはカタログやコレクションというものがありません。あるのは注意を払って聞く耳です。注文者の秘密で私的な物語から全てが始まりました。ある者は歴史に夢中でグランフー・エナメルで絵画の復刻を希望しました。またある者は恋する詩的な人物で年に一度、愛する人の誕生日にだけ鳴る大切なメロディーを欲しがりました。最後に、複雑さを好む者は今までにない時計を夢見ていました。
易しいものから難しいものまで全ての注文は、プロジェクトがメゾン・ヴァシュロン・コンスタンタンの価値観と伝統に完全に調和し、未来のオーナー様の夢を満たし、かなえることを保証するために特別に任命された倫理委員会によって丹念に検討されました。」


ということです。
実はわたしもこのシステムで時計を1本お願いしたことがあるのですが、その顛末はまた別の稿にすることにして、さてこの”チボリ”、下世話な話、お幾らくらいなんでしょう(笑)。
まず『このプロジェクトに特化したメゾンの3人の時計職人たちが、8年間がかり』という表現から、世界最高級の技術を持った時計師が3人も、8年間フルタイム・ジョブしていることだけでも、人件費的に7~8億円はかかっていそうななわけで、うーん、”チボリ”というニックネームから、発注主はコペンハーゲンの大金持ちではないかと踏んでいるのですが、おそらく昨年オークションで話題になったパテックの「スーパーコンプリケーション」の落札価格並みのお値段になるのではないかと邪推しております。(笑)


というわけで、この件に関しましては、続報がありましたら、随時お知らせするようにします。







(関連の参考記事)
http://alszanmai.exblog.jp/23018101/
http://alszanmai.exblog.jp/23718471/
http://alszanmai.exblog.jp/23723984/












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by A-LS | 2015-06-17 12:59 | ヴァシュロンコンスタンタン | Trackback | Comments(6)

いいなぁ~、ロンドン・・・その理由。



最近、「いいなぁ~ロンドン」的な記事を、パテック編ジャガールクルト編と、立て続けに書きましたが、
他にも、画像はありませんが、ヴァシュロン・コンスタンタンは「ロンドン・クラフト・ウィーク」の創設メンバーとして、5月上旬にロンドン・ブティクを中心に”メティエ・ダール”のデモンストレーション展示(マイスター実演&ワークショップ)など、幅広い活動や展示を行っていましたし、6月には大規模なGO展があのハロッズで開かれるなど、イギリスではかつてないくらい、大規模な機械式時計のイベントが頻繁に開催されています。


『どうしてだろ~?』
と思って調べていましたら、”なるほど納得”なデータを発見しました。


下の票の数値は2015年の1月から4月までの上四半期のスイス時計ブランドの輸出額を示したもので、国と輸出額(単位は百万スイスフラン)、そして前年同期との比較をパーセンテージで示したもの。
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イギリスの伸び率が群を抜いています!

このデータ見れば、”そりゃあ、イギリスでイベントやるわな”と納得。

ちなみに日本は10%を超える減額なんですが、これは比較の対象となった前年2014年があまりに良すぎたためで、この減少は織り込み済みなのだそうです。
ですが、4位のイタリアから10位のUAEまで、輸出合計はほとんど僅差といえるダンゴ状態。


大きなイベントを誘致したりレアピースを引っ張って来るためにも、
なんとか、も少し日本市場が盛り上がんないと・・・・、とは思うのですが・・・。




頑張れニッポン!!!








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by A-LS | 2015-06-15 17:21 | 雑記 | Trackback | Comments(0)

Patek Philippe ~2015バーゼルワールド・コレクション

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土曜日に、パテック・フィリップ新作展~2015バーゼルワールド・コレクションが開催されました。

アワーグラス主催のバーゼル新作披露&受注会というスタンスのイベントですが、新作時計の写真撮影はOKなもののブログ等での発表はNG という例年のルールのため、文章による雑感を多少まとめます。

まず一番印象的だったのはRGのノーチラス5711Rでした。
鮮やかに発色したローズゴールドは非常に魅惑的で、それでいてスポーツウォッチとしての取り回しの軽快さをキープするための措置としてブレスを計量化してあり、結果として、過去のどのノーチラスよりも薄いそのブレスのシルエットが、なんとも魅力的でした。

次に問題作のパイロットウォッチ、カラトラバ5524G。
過去にミリタリー・ウォッチなどをたくさん見てきましたが、時計としてここまで丁寧に作り込まれたものは初めて見たかもしれません。パーツの仕上げといい、針の処理やプッシュボタンのロック機能といい、さらには装着感・重量感共に高級機械式時計のイディオムに満ちております。もともと500万クラスのパイロットウォッチなど存在しなかったわけですから、こうしたスタイルの時計をターゲットしてきた方にとっては、いろいろな意味で問題作かと思います。



5131Rは”アンタッチャブ状態”でエントランスに展示されていましたが、気になる”日本”は時針の陰でした・・・。
これはすでに日本にも入荷しているようです。

注目の5730Pならびに、黒い宇宙のセレステアルは、残念ながら展示なし。
5170Gはそれなりの重厚な存在感でございました。


ま、新作も素晴らしかったのですが、各ゲストの時計も素晴らしく、撮影はそちらのほうがメインでした(笑)。


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うおっ!! 2色そろい踏み




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なぁにぃ~!! 5004顔の3970 !!!




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この2本の合計金額よりも、「あ、レフ番が一番違いのペアだ」ということに、先に気が付いたらプロ(笑)。



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先達と後継に感謝”サンキュー”です。



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上から、7000R、××××P(笑)、5539G。
※掲載の際は、この程度のモザイクがけをお願いしますとの事らしいです。





リピーターの御着用率が非常に高まっておりました(汗)・・・



しかしまぁ、良い大人があっちでもこっちでも時計のお話、こういう集まりはやっぱり最高です。





















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by A-LS | 2015-06-14 18:34 | パテックフィリップ | Trackback | Comments(6)

雨あがり









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by A-LS | 2015-06-13 15:24 | 雑記 | Trackback | Comments(0)

いいなぁ~、ロンドン

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前回ブログでパテック・フィリップのロンドン限定についてお伝えしましたが、またもやロンドンです。

今度はエングレーヴィングによるビッグベン!!





ただこれはパテックではなく、ジャガールクルト、レベルソの限定時計。

先月5月12日、ロンドンのオールドボンド・ストリートに多くのゲストを招いて華々しく開店したフラッグシップ・ブティックのオープン記念として製作されたもので、正式モデル名は「the Grande Reverso Ultra Thin 1931 Special London Edition」、 26本の限定とのこと。


鮮やかなグリーンのダイヤルが印象的!!

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ブランドのHPによりますと、
英国&グローバル・ストラテジー・ディレクターのザーラ・カシム=ラカーは、このフラッグシップブティックについて、次のように説明しています。
「ここは、金庫のように鍵をかけて、特別な時だけ訪れる、という場所ではありません。愛好家やお客様がいつでも気軽に立ち寄っていただくためのブティックです。フラッグシップとしてイギリス最大のコレクション(世界最大ではないかもしれませんが)を揃えていますし、特別な作品も展示し、定期的に入れ替えを行っていますので、ぜひ何度も訪れて見ていただきたいと思います。訪れるたびに、ジャガー・ルクルトの腕時計や伝統について、または高級時計というものについて、新しい何かを発見できるでしょう」



最近なぁーんか、イギリス、いいなぁ~~~・・・・

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ムーヴメントは手巻きのキャリバー822(21,600振動・45時間パワーリザーブ・ref. 278853L)。
当然のことながら、ロンドンのフラフシップ・ブティックでのみの取扱い。現地定価は £6,800で今夏からのデリバリーだそうです。










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by A-LS | 2015-06-12 08:23 | ジャガールクルト | Trackback | Comments(0)