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パテック・フィリップ LAブティック

間もなくロンドン五輪の開会式が始まりますが、ちょうどその頃アメリカはLAでも、ある重要な開幕式典が開かれているはずです。

ニューヨーク辺りにすでにありそうで、でも実はなかったパテックのアメリカ・ブティックが、今年7月27日、ついにロサンゼルスにオープンします。
住所は 360 North Rodeo Drive, Beverly Hills.
運営主体は有名宝飾品店Gearysで、門構えはこんな感じ。
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有名ブランドのブティックがひしめくロデオドライブですので、観光・お買いもののついでに、
ぜひのぞいてみてください。

内装はこんな感じ。
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さらに、このブティックのオープンを記念した、いくつかの“ブティック限定(独占販売)ウォッチ”がでるということです。一個はカリフォルニアにちなんだ絵柄の描かれたエナメルのドームウォッチとのことですが、クロワゾネ・ワールドタイムのユニーク・ヴァージョンモデルもでるのではという噂もあり、こちらの情報も楽しみです!!

ちなみにそんなユニークピースをめぐる内緒の商談をするスペースは、こんな感じ??
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ネタ元はこちらです
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by a-ls | 2012-07-27 22:31 | パテックフィリップ | Trackback | Comments(4)

ランゲ・アカデミー

ランゲ・アカデミーに参加してきました。
もともとはスタッフ教育用の講習カリキュラムであったものを、前社長ファビアン・クローネ氏に我儘を言って、エンドユーザー用に組み直してもらうことで実現した日本発祥のオーナーズクラブ・イベントなのですが、最近は他国からの申し込みも増えたのに加え、講習場所や内容の問題など、将来的にはいろいろと乗り越えなければならないことも多く・・・、まぁその辺のことはここで書く必要もないので、とりあえず、今回の内容の簡単な報告を!

●初日、まずは本社工房にてファクトリーツアー。
今回拝見できたのは・・・
・複雑系の組み立て部門
・仕上げ(ブラック・ポリッシュなど)
・エングレーブ部門
・懐中時計のリケーシング(ダマスカン紋様など、旧来のエングレーブも含む)
・ひげゼンマイ部門
などなど・・・。今回はセキュリティ上の理由から撮影が許可されませんでしたので、
後日、オフィシャル写真をを頂いて掲載します。

午後からは、本社ショールームに移動して、
・ひげゼンマイのワークショップ
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続いて品質管理ワークショップ
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さらに実技として、問題のあるランゲ1の文字盤を使用して、実際に品質検査を体験。
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右と左、どちらかに本社の検査部門も見逃した大きな“間違い”が・・・わかります??


●二日目
ベーレンシュタインのランゲ時計師学校にて、同校を見学ツアーのあと、
一年生の作業室にて、
・1815のムーブメントのアセンブリー
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このようなバラバラの状態から始まって・・・
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積木崩し的な苦労と、細かい作業へのイライラ感の果て、ついにテンプが動き出すと、物凄く感動します!
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・実際のテンプ受け(裏)にペルラージュ仕上げの体験
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・同じテンプ受け(表)に、自分でデザインしたエングレーブ体験
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午後からは本社ショールームに戻り、
商品開発部のティノ・ボーベ部長を講師に、今年の新作のレクチャー
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グランド・ランゲ1のデザイン・コンセプトから始まりましたが、途中、ムーブメントに関するQ&Aから議論が白熱・・・
主な論点は
「シングルバレルとなったグランドランゲ1はランゲ1に取って代わるのか?」
「ムーヴに生じたスペースと、その拡張性は?」
「新しいムーブでは、デザイン上、どこまで小さいケースのランゲ1を作れるのか?」etc・・・

そのため、全体的にタイムオーバーぎみとなり、
ランゲ1パーペチュアル・カレンダー・トゥールビヨンのカレンダー機構の講習を終えて以降、
そのトゥールビヨン部分やダトグラフU&Dを含むその他新作については駆け足の展開となってしまいました。



●そしてこの日の夜、
翌日朝に一日早く帰国される方々もいらっしゃったため、ドレスデン唯一のミシュラン店「ビーン&ベルガー」にて“卒業式”。
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セールス・マネージャーのダニエル・ロガー氏も臨席、アッセンブリーに苦しんだ1815ムーブメントを埋め込んだ卒業証書を授与されました。
(なお、このムーブのテンプ受けには、参加者それぞれのイニシャルが、コッソリと彫り込まれておりました!)


●最終日となる三日目はドレスデン市内のミーティングスペースにて、三つのワークショップを体験しました。
・ストップセコンド・トゥールビヨンのパーツ作成
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これ(上)を使って、(下)のようなものを作ります
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・鏡面仕上げ体験
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・チラネジの取り外し&取り付け体験
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そして今回、もっとも重要な“ミーティング”がこの日のランチにありました!!
実はアカデミーの責任者であるジョアンナさんが、ウォルター・ランゲ翁のご養子さんと結婚され、
苗字が変わってジョアンナ・ランゲさんとなり、さらにおめでたも重なり、
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次世代の社主が有力視される“ランゲ家のお嬢さん”ソフィーちゃんとの初対面が実現したのです!!

まだ生後10か月の彼女が、ランゲ&ゾーネを立派に率いる姿を見るまで、
なんとかLOCを頑張れたらいいなぁ~・・・・(笑)






講習の詳細や、公開した方がよいと判断される情報などは、
後日また、改めてまとめたいと思います。
とりあえず駆け足ですが、今回はここまで。。。。。。
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by a-ls | 2012-07-25 11:34 | ランゲ&ゾーネ | Trackback | Comments(6)

古き良き時・・・

昔のAD集など

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       電報のアドレスに訂正が! 電報が現在のURLみたいなものだった時代・・・

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       こちらは雑誌広告(上)と、新聞広告(下)。


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       製品をドカァ~ンと告知した王道広告パターン

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       最後は、20世紀初頭製作と思われるイメージ広告で。








広告なども気をつけて探していきますと、なかなか味のあるものに出逢いますよね。
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by a-ls | 2012-07-17 14:42 | ランゲ&ゾーネ | Trackback | Comments(2)

"Albert black rose"

こちらにも黒が!!

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非常にドキッとさせられる“新作”

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美しい・・・・!


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いつかは手にしたいブランドです!!
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by a-ls | 2012-07-13 15:53 | Lang&Heyne | Trackback | Comments(8)

黒いノーチラス!!!

こ、これは!!! 
一体なに????? 




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by Bamford Watch Department だそうです。



































※最近、長い文章が続いたので、ちょっとラクさせてもらいました(笑)
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by a-ls | 2012-07-11 12:05 | パテックフィリップ | Trackback | Comments(2)

ランゲ探偵局事件簿 “謎のDarth”・その第三回

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※前回同様、本文とは何ら関係はありませんが、コラージュ製作にすっかりハマってしまい(笑)、これの製作に時間をかけすぎて、ブログの更新が遅れ気味になっていたりもします・・・



前回のブログ 「ランゲ探偵局事件簿 “謎のDarth”・その第二回」から続いています。

前回、リンクをつけ忘れたブログがありました。
110,XXXというシリアル番号が、どういう意味を持つかに触れたブログです。

新宿に現れた珍品のLange1、ソリッドバック“Darth"の個体調査です。
写真撮影はもちろん、箱から保証書、修理証明書まで、すべてを閲覧させていただきました。
GMTさんには大変にお世話になりました。この場を借りて改めて御礼申し上げます!!
こちらが保証書、レファレンスは確かに「101.015」です。
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ケース番号「113102」、同じ11万台でも3千となれば、1999年の保証書であっても矛盾はありません。
実品と照合します。
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問題なく一致しました。

しかしなぜ、シースルーバックの“Darth"とは異なる101.015というリファレンスが与えられたのか・・・
この調査の際にGMTのK店長からうかがった前所有者氏のお話や、当時の南青山の販売店にゆかりのあった方々からのお話を総合しますと、以下のような経緯があったと推察されます。

1998年、翌年に発表となるLange1の黒ダイヤルの予約受け付け時に、南青山ブティックでは“メタルケースバック・フェア”的な催事を行った。それは、一定期間のうちに予約した顧客には、珍しいメタルケースバックでのデリバリーを約束するものだった。おそらく正式な“Darth"より早く、限定的な数量でデリバリーされたのではないかと思われるが、その際に、通常の“Darth"と区別するために、異なったリファレンス「101.015」が与えられたのでしょう。つまり、第一回に仮説1として御紹介した推論にほぼ一致する経緯だったわけです。

こうして日米にほぼ同時に現れた2本の謎の“Darth"のうち、日本のものは、完璧な正規品と断定されました。このGMTの個体は、現在ではすでに販売終了となっておりますが、買われた方が“珍品”を手に入れたことは間違いありません。

さて、残るは米国の個体です。これについては、ついに最終手段を取りました。
ランゲ・オーナーズ・クラブの外交ルートを通じて、ドイツ本社に問い合わせていただいたのです。

そうこうするうち、依頼者からは次のようなメールが・・・。

   「初期のケースに後期の機械が入っている事例はない」
   そう考えることにして、confirm the orderを伝えたところ、
   already soldとの返事でした。今回はこれで終了です。
   相談に乗っていただいてありがとうございました。



こちらも販売終了となったようですが、ランゲ探偵局の追求は止まないのです。
以下、依頼人さまへの返信・・・

   了解いたしました.....ご苦労様でした。
   どんな返事が来るか・・・もしかしたら返事は来ないかもしれませんが、
   とりあえず、ケース番号「110202」の個体の詳細調査をランゲ・ジャパンにお願いいたしました。
   古い個体に関しては、「資料なし」というコトで済まされることも多いですが、
   返事がありましたらお知らせしますので、あてになさられずに、お待ちいただければと思います…


そしてそれから数週間の後、ついに・・・・、
この米国の個体にまつわる“真相”が発覚するのです…。


ドイツ本社からの返事・・・・その結末はかなり残酷なものでした。






   【依頼人への最終報告書】
   以前の“ダース”の件ですが、ドイツ本社からようやく返事がきました。
   該当の個体、ケース番号110202は、ランゲ本社の台帳上のデータでは、

   CASE NO:110202
   REF NO:101.005
   MODEL: Lange 1 PT
   DIAL: Rhodié dial

   となっているそうです。
   

   
解説しますと、
この個体はやはり1994~95年ヴィンテージのものでした。
ですが、本来は101.005、つまりPtケースでロディウム文字盤(下の写真参照)のソリッドバックとして、この世に生まれたわけです。  


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 【最終報告書を続けます】 

問題の個体CASE NO:110202は、リファレンスREF NO:101.005として、
つまり、本来は“ステルス”のソリッドメタルケースとして生まれたわけです。

さらに、ランゲ本社からは、
以下のようなリマークが添えられておりました。

「本社のシステムの履歴によりますと、
こちらの時計は1997年に本社にてオーバーホールされているようです。
その際も黒文字盤ではなく、ロジウム文字盤だったそうです。
a-lsさんのご友人が見られた商品には、黒文字盤がついていたそうですが。。。
どのような経緯で黒文字盤に変わったのかは追うことができませんでした」



   ということで、結論から言いますと、1997年以降から現在までのある時点で、
   本社ウォッチメイカー以外の第三者によって、
   ロディウムダイヤルから黒ダイヤルに換えられた個体ということになります。
   第三者によってケースが開けられた形跡はビスのネジ山などに残りますので、
   実物をよく見ればわかると思います。
   
   疑問があるとすれば、デイトの数字ダイヤルも白抜きのものに同時に換えられている点です。

   これには2つの仮説が立てられます。
   ①他の“ダース”から取り外して変えた。
   ②本国ではない、どこかの国のサービサーが、顧客の依頼で黒文字盤に付け替えた。



※②の仮説について、もう少し補足しておきます。
日本でランゲの時計の修理・オーバーホールを受ける場合、各地の正規店からランゲ・ジャパンへ送られ、最終的にリシュモン・サービスという組織がこれを引き受けています。リシュモン・グループが修理サービスを一本化しているわけです。ところが、こうした組織がない国では、ランゲが契約した時計師がサービサーとして修理やオーバーホールを請け負う場合があります。アメリカ市場ですら、ひとりの時計師が全米のランゲを担当します。
こうしたサービサーはある程度の自由度をもって動けるうえ、修理に必要な基本的パーツが手元にあるので、仮説②のような事態が起こらないとも限らないわけです。


  【最終報告・結論】
   もしも仮に②のケースであれば、判断はグレイゾーンですが、
   今回のケースは、かなりの確率で“後付け品”に分類されると思いますので、
   買わずに見送られたのは正解だったように思います。

   ここまでのいきさつを、いつかブログで発表してもよろしいでしょうか???? 



これに対して、依頼者さんから頂いた返事です。


   ご調査ありがとうございました。
   もし在庫が残っていたら注文が確定していたわけですから、危ういところでした。
   ブログでの発表はOKです。
   こういうことがあった、という情報共有は注意喚起として役立つものでしょう。
   
   以前にランゲ1トゥールビヨンPGで針がブルースチールになったものを見つけ、
   質問したら「見難いので販売店に替えてもらった」という回答があったのを思い出しました。

   中古市場はいろいろなことがありますね!
















・・・ということで、3回にわたる長い報告でしたが、
お付き合いいただいた方、ならびに、ご協力いただいた関係各位に、
改めまして感謝いたします。

ありがとうございました。

More
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by a-ls | 2012-07-10 05:18 | Lange 1 | Trackback | Comments(5)

ランゲ探偵局事件簿 “謎のDarth”・その第二回

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※前回同様、左記図版と記事内容とに深い関係はございませんので、ご了承ください
 

前回のブログ「ランゲ探偵局事件簿 “謎のDarth”・その第一回」から続いています。

最初の“謎解き”からしばらくして、依頼者から次のようなメールと写真を頂戴しました。

  

ご回答ありがとうございます。
時計については、(販売業者と)これまで何度もメールでやり取りしています。
シリアルNo.が110202で興奮したのですが(?)、
いただいたコメントにより冷静になりました。
ムーブメントNo.は不明で、初期ではないのでしょう。
仮説2が確からしいのではないかなと思っています。
業者から来た写真を添付しましたので、ご覧ください。


「ん? …何!?  オーマイガ~! 
ケースナンバーが、110202だってぇぇぇぇ~!!」 


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添えられた写真で確認しても、間違いありません。 確かにケースナンバーは110202です。
これが何を意味しているかと言いますと・・・、
先のブログで述べた、わたしの仮説1および仮説2が、完全に崩壊してしまったのです。

つまり前回の両仮説とも、想定していたのはDarthが発表された当時、つまり1998年±2年以内の出来事だったのですが、このケースナンバー110202を受けるには、1994~95年の製作でなければなければならない理由が存在するのです。

前回も書きましたが、復興したランゲのシリアルナンバー(ケース番号)は、110,001から律儀にスタートします。1994年に発表された復興ランゲ初のモデルは、Lange1、Saxonia、Arkade、Pour le Mériteの4モデルでしたが、さらに律儀なことに、ケース番号の下3桁とムーブメント番号を合致させようと試みたため、初年度の製品に関してはかなり計画的に番号が振られています。
もちろん、いくつかの例外はあるでしょうけれど、
基本的にLange 1には110,001~110,250までの計250本が振りあててられ、
続く110,251番がウォルター・ランゲ翁所有のPour le Mérite(YGケース・限定番号1番!)であることは有名ですが、そこから200本、110,450までがPour le Mériteに振られます。
そして110,451以降をSaxonia、Arkadeで分け合いますが、こうした経緯から、110,XXX台のケース番号を持つ時計は、1994~95年ヴィンテージでなければならないのです。

過去ブログには画像もありますので、(ランゲ 1)(サクソニア)、ケース番号を確認してください。

さらにLange 1に絞って見ていきますと、復興年の94年に発表されたLange1は、すべてがソリッドケースバック仕様で、以下の3種類だったとされています。
・YG (solid caseback)ケース/ シャンパン・ダイヤル・型番:101.001
・YG (solid caseback)ケース/シルバー・ダイヤル・型番:101.002
・PT (solid caseback)ケース/ ロディウム・ダイヤル・型番:101.005
※これは推測の域を出ませんが、この250本の内訳は、YGが100本ずつで200番までを使い、残るPTが50本。結果、合計が250本になったのではないかな、と…。
※ちなみに94年の復興ランゲ初代4モデルのうち、シースルーバックが採用されたのはPour le Mériteのみで、それ以外の3モデルはすべてソリッドバックで発表されました。

依頼者が発見した米国の“Darth"のシリアルが110202であったということは、
ブラック・ダイヤルのLange 1である“Darth"が、すでに1994~5年のランゲ復興当初から用意されていたというあり得ない事態を意味します。もしもそれが事実であれば、ランゲ1の歴史は大きく書きかえられることになるという、つまりは、ランゲ1愛好家にとって驚天動地の大事件勃発なのです!!!

以下は、この写真を受けて依頼者に速攻で送ったメールです。   


ご返事ならびに、お写真ありがとうございました。
とり急ぎ、“Darth”についてですが、まさか11万0千番台だとは思いませんでした!

ケース・シリアルが110XXXとなりますと話は特殊になります!!
ウォルター・ランゲ翁が所持する、あの初代PLMの限定番号No.1のケース番号が、「110251」で、
以降、限定番号とケース番号は一致して進んでいます。

今回の110202はそのPLMよりも早い番号です。
この個体には「保証書」(=Warranty)が付いていないようなので、詳細はなんともわかりませんが、
ケース番号以外のデータ(ムーブメント番号、販売年月日、リファレンスなど)が知りたいところです。
 
もしこれが94年~95年にかけて作られた草創期のランゲ1であったとすれば、
わたしの予想では、ムーヴメント番号はNo.202(3桁!)ではないかと思われます!!
この個体を見て、エキサイトされた理由はほんとうによく理解できます。

しかし、このソリッドケースバックを開けてみた際に、万一ムーブメント番号が3桁でなければ、
逆に、「このケースバック自体が後付けでは‽‽」という疑惑も湧いてまいりますので・・・
なんとも購入決断のしづらい個体であると思います・・・。

もっとも、草創期ランゲ1であっても、その事実に興奮するのは我々のような極々一部で、
市場評価にはなんの影響もないのが現状ですし・・・
こうなってきますと、GMTさんの“ダース”のギャランティーも見たいですね、
そのケース番号が知りたいところです!!



当探偵局としましても、110202という画像が出たからには、実働調査に乗り出さざるを得ません。
この時点でGMTさんの個体は、まだ正面写真が公開されたのみで、裏蓋の写真はHPに掲載されていませんでした。そこでわたしは、次なる裏付けを得るため、超法規ルートに手をまわし(笑)、GTMさんの“Darth"を短期間「売り止め」としてもらったうえ、写真撮影の許可もいただき、現場に乗り込んだのです!

その際の“証拠写真”がこちら・・・
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・・・この個体、保証書によりますと、販売者はかつての南青山ブティックとなっておりましたので、1999年当時に同店に関わりのあった方々に話を訊きとりした結果、リファレンス番号が変わったその全貌がほぼ明らかとなってきました。そしてさらに、コトの発端となったアメリカ中古マーケットの“Darth"の意外な顛末も・・・

また、だいぶ長くなって参りましたので、
ひとまず、今宵はここまでといたしましょう。。。。。。
















以下、“謎のDarth”・<第三回>へ続きます
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by a-ls | 2012-07-08 05:28 | Lange 1 | Trackback | Comments(0)

ランゲ探偵局事件簿 “謎のDarth”・その第一回

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※左記の画像はブログ内容とは無関係です、・・・念のため。。。。


数ヶ月前のことです。
アメリカの通販サイトに掲載された一本のLange 1にまつわる、
次のような調査依頼をいただきました。

   「Lange 1 Darthにソリッドバック仕様は存在しますか?」という質問です。
   もちろんPtでシリアルNo.は11万台です。
   自分はこんな古い時代にDarthはなかったと思っていたのですが、
   シースルーバック仕様の11万台が存在するらしいことを知って、分からなくなりました。


一般の方にとっては“なんのことやら・・・???”かもしれません。
しかし、依頼人のようにランゲのヒストリーに精通する者の視点からすると、この短い文章には、“驚天動地”の内容が含まれているのです・・・、実は、かく言うわたしも、この時点では、このコトの重大性にはさほど気づいておりませんでした・・・。

では、依頼内容をもう少し解りやすく説明していきましょう。

b0159560_4275947.jpg「“Darth”」とは、Ptケース・黒ダイヤルのLange 1で、レファレンス番号(=型番)は101.035(左の写真参照)を指します。
この“Darth=ダース”というネーミングは、映画「スターウォーズ」の黒衣のキャラクター、ダースベイダーのイメージから由来したマニア間での呼称であって、正式名称ではありません。

「ソリッドバック仕様」とは、サファイアクリスタルガラスを使った通常のシースルーバックではなく、ケースと同じ金属を使ったメタルの裏蓋が装着され、ムーブメントが見えない仕様のもの。
Lange 1が発表された94年からの一年間ほどは、このメタルバックの方が主流でした。 

「シリアルNo.は11万台」とは、いわゆるケース番号のことです。1845年にアドルフ・ランゲによって創業された旧ランゲが製作した時計(主に懐中時計)は約10万個強であったというデータから、新興ランゲは律儀に110,001というシリアル(ケース番号)から時計製作を始めたため、「シリアル11万台」とは、再興当初に製作されたことを意味ますし、メタルケースバック個体のほとんどが11万台のケースナンバーですので、当初、この場合も矛盾はないと判断しました。 


つまり、「Lange 1 Darthのソリッドバックがあるか?」という依頼人の疑問は、言い換えるならば、メタルバックが主流だったようなLange 1草創期に、すでに“Darth"は存在したのか? という質問であったわけですが、
この依頼が舞い込んてきた時、大変偶然なことに、日本の中古マーケットにも、同じくソリッドバック仕様のLange 1 Darthが突如出現したのです。
(ただし、この個体の保証書日付は1999年1月で、何故か101.015という通常のDarthとは異なったリファレンス番号が与えられていました)。

このため、依頼者が見たアメリカの個体(業者のHP上ではリファレンスは101.035と明記)と合わせ、珍しい“Darth”が日米で同時に存在しているという事実は、これはいわば“アリバイが成立”したようなもので(笑)、ソリッドバックのDarthが存在することは間違いないという認識が、わたしの中で確定してしまったのです。
(いまにして思えば、この判断は悔やまれてなりませんが・・・)

そしてその認識に基づき、見た目は同じLange 1 Darthのソリッドバックケースなのに、なぜ「101.015」と「101.035」という異なったリファレンスが生じてしまったのかという“疑問”に絞り込んだ、次のような“謎解き”を行ってしまったのです・・・。



   お尋ねの件ですが、
   なんという偶然か、該当する個体が日本のGMTさんとeBayの両方に出ておりますね。
   「Lange 1 Darthにソリッドバック仕様は存在しますか」、というご質問ですが、
   この2つの個体の存在から、メタルケースバックの“Darth”が存在することは事実と認定して間違いないようです。
   ただ、日本とアメリカに存在するこの2つの“Darth”の、その由来は異なっているのではないかと思っております。

   “Darth”が初めてランゲのカタログに登場するのは、1999/2000版からです。
   この当時、カタログの更新は2年に一度でした)でしたが、
   このカタログの時点からすでに101.035という、現在知られるリファレンスナンバーになっています。
   これに対し、GMTの方のシリアルは101.015とされています。ここが大きな謎です。

   以下はあくまでも推測の域を出ませんが、
   草創期のランゲは、意外と簡単に顧客からの特注を受けつけてくれたという事実を前提として、
   この謎に対する、ふたつの仮説をたててみました。

   (仮説1)101.015が「後に生まれた」とする説
   1999年はランゲにとって黒文字盤イヤーでもあり、
   この年PTケース・黒文字盤の新作としては、以下の3本を発表しました。
   103.035 アーケードの“Darth”
   107.035 カバレットの“Darth”、 
   101.035 そしてこのランゲ1の“Darth”  です。
   
   つまり下3桁の035は、“Darth”の仕様(Ptケース・黒ダイヤル)を意味していることがわかります。
   このLange 1“Darth”に対して、特注などのなんらかの理由からメタルケースバックを作る必要が生じ、
   その際、通常のクリスタルバックと区別するために、101.015というリファレンスを割り当てた。


   (仮説2)101.015が「先に生まれていた」とする説 
   このカタログより2年前の1997年に黒文字盤・PGケースというLange 1が発表されています。
   そのLange 1にインスパイアされた、とある正規店もしくはVIP的な顧客が、
   このPTケース・ヴァージョンをメタルケースバックの仕様で特注した。
   これが1999年に納品され、101.015というリファレンスが割り当てられた。 
   特注品のため、カタログには載らないリファレンスを持つランゲ1“Darth”が誕生し、それがGMTに現れた。
   その一方で、1999年から「Lange 1 Darth」は正規カタログ品に採用されます。
   この頃のLange 1は、、(明確なルールは不明ですが・・・)メタルバックとクリスタルバックが選べたり、
   メタルケースを別オーダーできたりしたこともあったため、101.035というリファレンスを持ったままの“Darth”、
   つまりebayに出ているメタルケースの“Darth”も生まれた。

   どうでしょう???

   次にシリアルの問題ですが、
   ランゲのケース番号はある時期から、「若い番号のほうが古い」というルールが通用しなくなるため、
   わたしはあまり気にしないようにしています。

   たとえば自分の手持ちのLange 1で、
   1997年発表のWGケース・ブルーダイヤル(リファレンス101.027)という個体は、
   シリアルは11万7千番台、ムーブ番号は1万2千番台ですが、シースルーバックです。
   さらに言えば、明らかにそれより以前に作られたはずのランゲ1PTでは、
   ケースのシリアルは14万台なのに、ムーブ番号は6千番台(まだ4桁!)だったりします。

   自分の感覚では、どちらかといえばムーブメント番号のほうがまだ、
   「若い番号のほうが古い」というルールが重んじられているようなイメージがあるのですが・・・
   いかがでしょうか・・・?





・・・TVの2時間サスペンスドラマでも、探偵の最初の推理は間違った犯人を示すことがお決まりとなっていますが、この時点のランゲ探偵局もまさにそうで(面目ナシ…)、やがてこの事件は、さらなる意外な展開をみせることになるのですが・・・

ひとまず、今宵はここまでといたしましょう。。。。。。









 “謎のDarth”・「第二回」へ続きます 
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by a-ls | 2012-07-07 11:43 | Lange 1 | Trackback | Comments(0)

The Lady

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リシャール・ミルGINZAさんの御厚意で、リュック・ベッソン監督の新作「The Lady」のプレミア試写会にお招きいただきました。
主人公のアウンサンスーチー女史を演じた女優ミシェル・ヨーが、リシャール・ファミリーであることから実現した素晴らしい企画です。試写の前にはミシェル・ヨーとベッソン監督の会見も行われ、こちらにも参加させていただきました。
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場所を移動して試写を拝見しましたが、本当に感動的な作品でした。
2時間15分という長い上映時間でしたが、その3分の1くらいの時間は涙ぐんでいたのではないかと思います(苦笑)・・・。
この映画の様々なシーンが、「自分の一番大事なものは何か?」ということを問いかけてきます。
そしてその大切な存在を、国家へ対する自己の責任や自由の獲得と引き換えにできるかを、問いかけてきます。
自由のために多くを犠牲にすること、おそらく自分は彼女のようには振る舞えまいと痛感しつつ、彼女の崇高で強じんな意志に感動して涙し、そしてまた同時に、なかなかに叶えることのできない母であり妻である彼女の家族への想いのためにも涙するのです。

歴史は、「自由」という権利の獲得に対し、多くの血と涙を要求しました。
第二次大戦の後、多くの国でそれが当然の権利とみなされるようになってきました。
政治を志す者が持たなくてはならない責任と覚悟の基本はそこにあります。
国民の自由や権利が犯されそうな時に、取るべき態度とは何か・・・我が国の今の政治家のそれを思う時、あまりにもかけ離れていて情けなくもあり、そのために流した涙もあったかもしれません。

選挙時とは180度異なる政策を国民に諮ることなく、選挙で選ばれた政権党内部を切り捨てて、他の野党と徒党を組むことでの成立に躍起となる政府。。。たまに出る声明は「国民のため~」「国民生活を守るため~」という歯の浮くようなシロモノ。。。我が国のすべての国会議員が、政治家の基本に立ち返るためにも、ぜひ見てもらいたい映画でもありました。

まだ進行中の評価の定まらない歴史ゆえでしょうか、ミャンマーの政権内部の動きや、ラスト近くの時間の経過など、映画ではつまびらかにならない部分もありますが、とにもかくにも、個々が人として世に存することのできる最小の単位である“家族”と、それを国際的に担保する後ろ盾となってくれる“国家”と、どちらも「家」という文字を持つこの2つの集合体の幸福や繁栄を背景として、わたしたちの多くは生活の保証を受けることができているということを、改めて実感した2時間15分でした。

会見の後、ミシェル・ヨーがRM051とともに、リシャール・ミルの顧客のための控室に来てくれました。
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しかし思うのですが、リシャールさんって、ほんとうに予知能力でもあるのでは!
ナダルは言うまでもありませんが、バッバ・ワトソンも、ファミリーに加わった途端にマスターズを勝ったし、このミシェル・ヨーは女優ですから、そんな“勝ち負け”はないだろうと思っていたら、この映画の完成に合わせるように最近スーチー女史の軟禁がとかれ、解放された女史がイギリスなどを外遊する姿をニュース映像などで多く目にするようになった・・・。当然、この映画の注目度も高まっていく・・・ うーん・・・ 恐るべきかな・・・。

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そしてまた思う。
この映画のテーマである「自由と解放」とは、時計におけるリシャール・ミルのテーマでもあるのでは・・・と。
重力からの「自由」であるトゥールビヨンへのこだわり、時計という機械の重量を「解放」するための挑戦・・・ うーん・・・ これまた深い・・・。
















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by a-ls | 2012-07-02 17:47 | リシャール・ミル | Trackback | Comments(2)