a-ls 時計(Mechanical Watch Users News) blog.

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ランゲ・ブティックにて~2012新作展示会

ランゲ2012新作発表会に行って参りました!
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展示初日の夜、ブティック閉店後に、オーナーズクラブ向けのレセプションが開かれました。
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まずは最も気になっていたNEW GRAND LANGE 1へ。
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薄くなることで獲得したシャープさには好感が持てるというのが第一印象で、手に乗せた感じにもさほどの違和感はありません。
ただひとつ感じたのはゼンマイの巻き上げに関して。最初なかなか巻き上がっていかないランゲ1のあの感覚がここにはなく、かなり均一的にスムーズな感触でした。もちろん、機械としてはこちらも理に叶っているわけですが…。偏執的なランゲ1マニアにはこだわり所だったりもします(笑)。
そこで、持参した旧GRAND LANGE 1との比較。
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写真では分かりづらいでしょうけれど、厚みはかなり違って感じられます。
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裏側はシャトンが少ないのが“新型”です。
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このとき、なんでしょう・・・、突如、あるイメージが閃きました。(が、それは後ほど…)

次はダトグラフUP&DOWNをいじりに行きます。クロノのプッシュ感は軽やかで好感触。
大きさも腕に乗せた感じも、さほど気になりません。
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さらにメンバーの方が付けられていた貴重なYGダトをお借りして新旧の比較へ。
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YGダト、PTダト、ダトU&Dの裏側。
表顔の“間延び”が気になる方もおられるようですが、ダトの魅力はなんといってもこの裏顔でしょう! これはさすがに圧巻でした。

ここまでの盛り上がりの中、モックアップだったこともあってか、誰のご指名もなく、いまだショウケースの中で寂しそうに鎮座されているLANGE 1トゥールビヨン・パーチュアル・カレンダー(笑)
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限定で、我が国への割り当ては“片手くらい”とわかってはいても、あのお値段ですから…、
実機の動きをみないと、おいそれと手は挙げられないでしょうね・・・。
ということで、今回はこのモデルに関しては、わたしもノーコメントということで。

そしてまぁ、コレと・・・
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・・・コチラは、すでに良くご存知のハズなので・・・。
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最後にピンボケですが、
ランゲ 1 トゥールビヨン・パーペチュアル・カレンダーを模したスイーツをいただき、
有志一同の2次会へと向かったのでした・・・。

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これらの新作は、
3月4日まで銀座のランゲ・ブティックに展示されておりますので、
ぜひお出かけください。
























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by a-ls | 2012-02-25 23:52 | ランゲ&ゾーネ | Trackback | Comments(2)

ランゲ懐中物語

歴史時計趣味を始めた頃に、右も左も解らないままランゲの懐中に手を出して以来、その数は増える一方で、これまで一個たりも手放したことはなかったのですが・・・、昨年、「ランゲに魅了され腕時計は購入されたのですが、ぜひ懐中も」とおっしゃる方と出逢う機会をいただきまして、そこまでご熱心ならば一個おわけしましょうということになったのです。

事前にお伺いしていたお話では、「オープンフェイス、ゴールドケース、ルイ針、エナメル・ダイヤル」がご希望とのことでしたので、こちら懐中をお見立て致しました。
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かなり手の込んだルイ針。エナメル2層の文字盤ではありますが完品無傷、“B/DRESDEN”銘が入っておりますので初期ランゲであり、しかも分表示が青色文字で焼かれているのは大変に珍しく(我が家でも唯一の文字盤)、動作・精度とも非常にグレードの高い金時計でした。

とあるパーティの席上でお渡しすることとなり、その際に、ランゲ懐中の簡単な歴史を説明するため10個程度のコレクションを同伴させたのですが、お話しているうち、そのうちの一個を「是非にも!!」と、大変に気に入られてしまわれ・・・

それがこちらの個体でした。
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無垢のエナメル3層ダイヤル、針先まで丹精込められたルイ14世針・・・
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18Kハンターケ-ス、表面にもイニシャルなどの彫の無い無垢・・・
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ルビー留のシャトン、青焼きビスの3点留め・・・
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つまり完璧な1Aクオリティー。

複雑機構時計を除けば、我が家でも5本の指に入るピースでしたが・・・
強烈なご熱意に負け、急きょこちらを手放すことになり、その夜のうちに遠く旅立っていきました。

すると、そのパーティに同席されていらした別の方が、
「では、こちらはいただけるのですか?」と、青文字ダイヤルのものを引き取られ、
その後もいろいろあり、結局、一夜のうちに計3個のルイ針懐中を手放すこととなりました。。。。。。

この話には後日談がありまして、
このハンターをお譲りした方は、懐中時計、特にその音を殊のほかお気に入りになり、夜も昼もその音を聴いていたいと、この懐中の普段使いを望まれました。
製作後100年以上を経過しておりますが、精度も充分で状態も最高ですが、なにぶんにも対振動と防水に関しては無防備に等しいうえ、100年以上にわたって無垢の状態であったダイヤルやケースに(ミュージアムピースでもこの状態は珍しいですから…)、普段使いして傷がつくリスクを敢えて負わせるのは如何かとアドバイスしました結果、普段使い用の懐中として銀900ケースのALS懐中をさらにお世話することになりました。
それがこちら・・・、金と銀のツーショットです。
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そのためドイツの友人から取りよせた銀懐中なのですが、
これがなかなかのお転婆さんでして、150歳に近いのにあまりにも元気で振り角に320度以上も出して、“振りあたり”を起こして停止するくらい精度的には物凄いのですが、その反面“あがき”に癖があり、(これがホントの“悪足掻き”笑??)、その調整のため、これまでに数度ウォッチメイカーの手を煩わしております。
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まぁ、これが懐中時計の醍醐味でもあったりしますので、ご所有者さまにおかれましては
いましばらくお付き合いいただきたく、お願い申しあげるしだいでございます。。。。。
















More・・・つづく
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by A-LS | 2012-02-21 16:49 | ビンテージ | Trackback | Comments(6)

時計ミーティングいろいろ

black & black
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SIHH関係を中心に書いていたので、新年からの時計ミーティングの整理が全然できていませんでした。
というわけで、とりあえず、写真だけでも・・・

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                            PT & PG
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Special thaks to ay&ty style party
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More・・・つづく
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by A-LS | 2012-02-19 22:24 | GTG | Trackback | Comments(0)

急告! ランゲ&ゾーネ新作 東京発表会開催

「A.ランゲ&ゾーネ SIHH 2012 新作発表会」が早くも開催されます。

開催期間:2012年2月24日(金)~3月4日(日)11:00~19:00

       *2月24日(金)のみ 11:00~17:00
       *2月29日(水)はお休み

開催会場:A.ランゲ&ゾーネ 東京ブティック
     〒104-0061 東京都中央区銀座 6-7-19   TEL 03-3573-7788
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2012年新作コレクションの巡回ツアーは、A.ランゲ&ゾーネの直営ブティックで行われます。本社工房があるドレスデンのブティック(2月11日~19日)を皮切りに、東京(2月24日~3月4日)、ソウル(3月26日~4月1日)、上海(4月9日~13日)、香港(4月16日~22日)、さらにアブダビ、ドバイ(日程未定)と続くそうです。


ただひとつ・・・
大変に大変に大変に残念なお知らせがあります・・・・(涙)


今年発表の新作、もちろん全種類がやってくるのですが、
諸般の事情から、皆さんが一番注目しているであろう、
ランゲ1 トゥールビヨン・パーペチュアル・カレンダーはモックアップ(ダミー)機での巡回となってしまっております・・・・・・・・・。


うーーーー、馬鹿ぁぁぁぁ~~~!!
でもまぁ決まってしまった以上、致し方ありません・・・・・・


皆さん、是非是非お出かけの上、
ご自分の眼で観て、腕に乗せ、機能をいぢリ倒し、
ランゲ新作を存分にご体験ください!!!







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by A-LS | 2012-02-17 12:42 | ランゲ&ゾーネ | Trackback | Comments(0)

GO 2012新作 ザ・セネタ・オブザーバー

Glashütte Originalは来たるバーゼルを前に、 新作「The Senator Observer(セネタ・オブザーバー)」を発表しています。

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昨年末のアムンセンの極点到達記念日に発表された白ダイヤルはWGケースで25本限定でしたが、この度、今年のバーゼルに先駆け、黒ダイヤルでSSケースのセネタ・オブザーバーも発表されたました。
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オブザーバーというのはオブザベーション・ウオッチからきていると思いますが、元来は海上で船舶の位置を割り出すために使用された、いわゆる観測時計のことです。我らがランゲのシンプル3針時計、リヒャルト・ランゲも、オリジナルの発売当初は同じく『オブザベーション・ウォッチの精度とその観測精神を復刻した』と説明されておりました。

もともとは航海用の時計、マリンクロノメーター(船時計)とデッキウォッチ(船時計を合わせるための甲板時計)の総称がオブザベーション・ウォッチで、“Observation”のドイツ語が“Beobachtungs”なため、ドイツでは「B-watches(B‐Uhr)」とも呼ばれます。やがて時代は、航海から飛行機へと進化していきますが、「B-Uhr」というこの呼称と分類法は、第二次大戦下のパイロット・ウォッチ(空軍時計)まで続きます。

これは2009年発表のGOのヒット作、セネタ・クロノメーターの続編の意味もあり、また同時に、人類史上初めて南極点に到達したアムンセン(その昔、教科書で学び感動しました!!)の極点到達100年を記念した時計だそうです。
とはいえ、アムンセンが100年前にGOの時計を持っていたはずがないので(笑)、これはどういうことかといいますと、ちょっとばかり長ぁ~いお話になります。

アドルフ・ランゲさんの高名なお弟子さんに、彼とは義弟の関係にもあり、25歳の若さで独立して工房を開くことになるユリウス・アスマンという方がおります。このJ.アスマン商会では、高レベルの職人技術による高精度の時計が作られ、また、のちに米国の高名な時計ブランドとなるグリュエンを興すことになるフレデリック・グリュエンが修行したことでも知られるため、アスマンの懐中時計は米国や日本のグリュエン・ファンのコレクション対象にもなるなど、ランゲの復興前にはランゲ以上に有名で評価が高かったりもしたグラスヒュッテ・ブランドでした。
そこで、いろいろな経緯やシガラミから「ランゲ」という名を使いづらいGOが、グラスヒュッテ様式の伝統を象徴する人物として着目、過去にもその名を冠した限定モデルなどを出しておりますことは皆さんご存知のとおりです。

で、そのアスマンとアムンセンの極点探検との関係なのですが・・・、
どうもわたしは文章読解力が弱いようで、うまくまとめられないため(笑)、
以下、GOのプレス資料をそのまま引用することにします。


「ドイツ、グラスヒュッテの町で培われた165年以上もの優れた時計製作技術の伝統に敬意を表し、グラスヒュッテ・オリジナルは、リミテッド・エディション「セネタ・オブザーバー1911 ユリウス・アスマン」を発表いたします。この際立ったタイムピースは、自社マニュファクトリーの職人達の手作業によって、限定25本のみ製作されます。この時計はユリウス・アスマンとロアール・アムンセンという、非凡な2人の開拓精神への賞賛モデルです。」
「ポケットウォッチやクロノメーター、天文時計など、アスマンと従業員たちの著しい活躍により、アスマン・ブランドの評判は広く知れ渡りました。特に(航海に用いられる)天測用時計は、非常に高精密で最高レベルの職人技術が用いられたことが知られています。ロアール・アムンセンが歴史に名を残す旅に出発する前、アスマンの複数の天測用計器を購入しており、そのなかにはグラスヒュッテの若い時計師、ポール・ローヴェが1907/08に製作した時計も含まれていました。ローヴェの時計は極めて精密だった為、ドイツ製の航海用時計(マリンクロノメーター)の精度試験のため、ハンブルクにあるドイツ天文台の観測所から時計を送るよう要請を受けました。ロアール・アムンセンは時計を自身で確認し、1910年に購入しています。」
「その翌年1911年12月14日、このノルウェー探検家とそのチームは、最初の南極点の到達に成功したのです。」
「アムンセンは南極大陸で、天測時計を優れた使用法で用いました。彼は、くじら湾フラムヘイムのノルウェー探検隊ベースキャンプから出発したとき、天測時計は標準時に合せたままにしました。通常一つの時計はホームタイム時刻に設定し、船上のマリンクロノメーター機能との連動を想定します。アムンセンは別の時計を現地時刻に合わせ、その2つの差の計測を球面三角法に用い、南極点までのトレッキングに役立てました。従って、もし時計がなければ、アムンセンは南極点まで到達できなかったかも知れません。ノルウェーチームが到達できたこと以上に、アムンセンが持っていた天測時計がこのミッションに重大な意味をもたらしました。今日、オスロのフラム・ミュージアムには、この歴史的探索の多くの備品や書類とともに、文字盤に確かに「J.アスマン-グラスヒュッテ」と記載された、アムンセンのグラスヒュッテ製天測時計が展示されています。」

ということで、
「ん? ローヴェなの・・・アスマンなの・・・???」というイマイチ理解しづらい状態ですが・・・、

再びプレスシートから
「セネタ・オブザーバー1911 ユリウス・アスマン~
今回発表のこの華麗なタイムピースには、アムンセンの南極点到達の冒険旅行と、ユリウス・アスマンの優れた天測時計から、「セネタ・オブザーバー」という相応しい名前が付けられ、25本のみ特別に生産されます。このセネタ・オブザーバー1911には、シルバーが施された文字盤がデザインされ、この文字盤は、ホワイトラッカーと一番表面の美しい質感を醸し出す銀粒子により、3層構造で非常に丁寧に製作されています。文字盤の9時と3時位置には、それぞれスモールセコンドとパワーリザーブを、また6時位置にはグラスヒュッテ・オリジナル独自のパノラマデイトを配置しています。青焼きしてポリッシュ仕上げされた洋ナシ形の時針と美しい分針が、削られた黒いレイルロード式インデックスとアラビア数字の上を滑らかに進みます。
この限定セネタ・オブザーバー1911 ユリウス・アスマンは、円筒形のホワイトゴールド製ケースに、アムンセンの冒険心と探索を思い起こさせるカーフベルトが標準装備されます。ケースバックには無反射コーティングのサファイアクリスタルを使用し、そのフレームには、限定数と、アムンセンの南極点到達100年を記念した日、“14 Dec. 1911 – 14 Dec 2011”、ユリウス・アスマンの名前“ Julius Assmann – Glashütte i/SA”、 “Tribute to R. Amundsen”の刻印が彫金されます。」

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                                      カーフのストラップ(右)が標準だそうです。


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「セネタ・オブザーバー1911 ユリウス・アスマンの心臓部には、美しく精密に仕上げられた自社製自動巻キャリバー100-14を搭載しています。当時の歴史的な天測時計には手巻きムーブメントが使用されていました。グラスヒュッテ・オリジナルでは、このセネタ・オブザーバー1911 ユリウス・アスマンには、時計を装着する人の快適性を考慮し、現代的な自社の自動巻ムーブメントを採用しました。パワーリザーブ表示の「Ab Auf 」は、巻き上げてからの経過時間とゼンマイのパワー残量の両方を読み取ることが出来ます。ベースムーブメントのリセット機構により、秒針を標準時刻に簡単にシンクロさせることができます。他のリセット機能に比べ、秒針の歯車がリューズや巻上げ輪列に連結していないので、テンプを止めることなくリセットができ、テンプにかかる負荷を軽減させることができます。このリセット機構は時計に添付されるコレクターを用いてプッシュボタンを押すことにより作動します。自動巻の両方向巻上げローターは、特許を取得しているステップリダクションギア(減速機構)により、連結する二つの香箱へ力を伝達します。これにより主ゼンマイに多くの力が伝達し、香箱は早く満たされていきます。」
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「裏蓋のサファイアクリスタル越しに見えるキャリバー100-14は、ユリウス・アスマンに捧げるに相応しいムーブメントです。グラスヒュッテの特徴である3/4プレート、ネジ留めゴールドシャトン、ダブルGロゴを配した21金錘付きローターなど、グラスヒュッテ・オリジナル機械式時計の伝統的な高い製作技術が隅々まで体現されています。価格、発売時期は未定です。 」
とのことです。


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興味はありますが・・・、うーん、だけど、やっぱ44mmはデカすぎだぁぁぁ~。
かなりそそられた2009年のマリンクロノもデカさで断念したのですが、もしも、あのマリンクロノとこのデッキウォッチとを、対で所有されるような勇者がいっらしゃいましたら、ぜひペア写真撮らせてください~~~!!

More・・・つづく
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by a-ls | 2012-02-16 15:57 | グラスヒュッテ・オリジナル | Trackback | Comments(0)

2012新作雑感3 LANGE 1 TOURBILLON PERPETUAL

さて、途切れ途切れのランゲ新作の雑感ですが、ようやく今年のハイライトピース、ランゲ1トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダーまでたどり着きました。
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ランゲ1デイマティックをベースにした実に美しい時計ですが、ほぼ3000万円(PT)という高額ぶりはちょっとしたSF小説の世界のようで(笑)、寄せられている賞賛も、所有という現実味を感じづらいレベルからの声が多い気がします。
この時計を語る際に、まず確認しておかなければならないのは、この作品の開発開始時期でしょう。
過去ブログをご覧いただければおわかりいただけると思いますが、L082.1というキャリバーナンバーから、この作品の開発着手は2008年前半であることがわかります。この年、2008年4月のSIHHで発表されたランゲの新作はカバレット・トゥールビヨン。そのPTケースの日本定価は3280万円でした。つまり2008年前半とは、いわゆる“時計バブル”の、まさにピーク時期なのです。

こうした時代の流れを思うとき、この作品には、
“コストのことはとりあえず無視しても、ランゲ・クォリティーによって考え得る最高峰の永久カレンダーを製作しよう”という製作背景があったのではないかと思うのです。

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復興ランゲの象徴といえるランゲ1のフェイスをベースに、先行したランゲマティック・パーペチュアルを超える永久カレンダー時計の開発となれば、まずトゥールビヨンの搭載は必須として、12時ジャストにすべてのディスクが切り替わる新機構を加え、もしかしたら開発当初にはもっともっと多くの複雑機能の搭載が予定されていた可能性もあります。

・・・しかし同年9月15日、時計業界のみならず世界経済は、リーマンショックとして知られるショッキングな出来事に見舞われ、その後の世界の消費動向は一変してしまうこととになります。
現在発表されているモデルで、2008年後半以降の着手を示すムーブメントを挙げてみるとき、ランゲもその影響を色濃く受けたことがわかります。

サクソニア年次カレンダー(L085)、サクソニア・オートマチック(L086)、サクソニア・デュアルタイム(L086)、サクソニア・フラッハ(L093)、新型グランドランゲ1(L095)・・・、以上です。

現時点まで、リーマンショック後に開発着手された超ハイエンドウォッチの発表はなく、むしろお買い得(悪く言う人からすればランゲ・クォリティーを満たしていないと断罪されるような…苦笑)機種が並びます。
ランゲ1トゥールビヨンに永久カレンダーという複雑機構の搭載に着手した年の後半に、サクソニアの年次カレンダーの開発を始めざるを得なかったという不自然な事実ひとつを見ても、2008年という年の異常さというか、前半と後半とではまったく違う流れがあったことがわかります。

こうした高額にもかかわらず、何人かの方からこの作品の購入相談を受けました。
素晴らしいことです!!

それに対して、
ポジティヴな意見として、ここまで書いてきたような理由から①、②の2つを挙げます。
「伝統の進化系」をスローガンに進化を続けてきたランゲクォリティーの、これはそのピークに位置する作品にして(その製作背景が変化してしまった今となっては)、かつその最終作品となる可能性がある。 
ランゲにとって非常にエポックメイキングな年となるであろう2012年発表の、しかも唯一の限定作品である。
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また、ネガティヴな意見としては、次の③、④を付け加えます。
ランゲは新機構の開発コストを最初のモデルで回収しようとする傾向がある気がするので、後々になって同じような機構で、よりお買い得なモデルが出ても後悔しないでいられるくらい惚れ込めるかどうか。
オートマティックのトゥールビヨンというこの作品のベース機構が、必要不可欠であるという思い入れが持てるかどうか。

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とはいえ、まぁなんといっても最大のウィークポイントはその価格なわけです。
『1ユーロ100円近辺の今の時期で3000万円弱とすれば、1ユーロ150円超のリーマンショック前であれば4500万円以上で売るつもりだったのか?」という声もありますが、わたしの答えとしては「たぶんイエスだったろう」と、そう思うのです。
もしリーマンショックがなく、いまもまだ時計バブルが右肩上がりで続いていたならば、充分あり得る価格だったでしょうし、それほど当時の市場は実勢コストと乖離し、狂っていた(狂気と娯楽は紙一重のところがあるので、そのぶん楽しいこともあったのですが…)ということではないでしょうか。

さて、アメリカの住宅バブルを背景とした世界的な好景気を背景に、高品質かつ強気な価格設定&商品構成を推し進めた“ファビアン・クローネ政権”でしたが、リーマンショックを機に、エントリーモデルの比重を増やして顧客拡充へと大きく舵を切ったものの、翌2009年の米市場の大凋落など全世界的に売り上げを落とし、同年9月ファビアンの辞任によってその政権は瓦解…。リシュモンはその秘蔵っ子であるジェローム・ランベールの管理の下にランゲの新戦略を構築し直します。
(この辺りのことを書き始めると、延々と紙幅を必要としますので、ここでは多くは語りませんが…)、こうして、ファビアンの高価格政策とは180度逆のマーケティング戦略が急激に推進された結果として、2008年~2011年までのランゲのハイエンドピースの価格は、著しくその整合性を欠いたものとなりました。

ま、ひとことでいえば、2008年までのハイエンドはやや高すぎというか、競合するスイスの他ブランド等と比して相対的に設定された価格であり、逆に2009年~2011年は多分にサービス価格的なイメージがあるわけです。
もちろん、ファビアンの戦略にはファビアンの良さがあり(品質・探求心)、ジェローム戦略にもジェロームの良さ(価格・管理)はあります。が、しかしその両立は困難なのです。
ところが、今のランゲに対する不満の声を総括すると、「ジェロームの価格を維持しつつファビアンの品質に戻せ」というようなご無体な声だったりもするわけでして、そういう流れの中でのこの3000万円という、決して安くない価格設定は、わたしにとっていろんな意味でエポックメイキングな2012年の注目すべき一項目(サービス価格の終了=クラフトマンシップ重視の復活?に通づるのかなぁ~)という見方もあるわけです。

新CEOに就任したシュミット氏が仕切る初めてのSIHHでもあり、そしてランゲ1もダトグラフも、そしてサービス価格まで、それら様々な要素がまさに“ゼロ・リセット”された年、それは今後のランゲの方針にどのような道筋をつけて展開していってくれるのか、じっくりと注視していこうと思う次第です。

というわけで、実はここまでの自分は、前回のブログで言うところの“ランゲに甘い自分”なわけでして(笑)、
ここからはランゲ、特にランゲ1ファミリーにはうるさい、シビアな自分が一言モノ申すわけです!!
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たとえば、
『ランゲ1という名を冠するのであれば、ブリッジは4分の3プレートであって欲しかった!』
『ランゲ1という名を冠するのであれば、デイトを進めるブッシュボタンがついていて欲しい!!』などなど、

で、なぜそうはならなかったのかという仮説もあるのですが、そこら辺にまで踏み込むと、
すでに、いち時計好きというブログの範囲を超えた内容になっている気もするわけなのです(恥・・・・




ま、ブログごときにそんなに熱くなってどうすんの・・・と言われたり、
こういうのは誰かから原稿料もらって仕事として書かないといかん・・・・と諭されたり(笑)
・・・・・・ちと気恥ずかしい自分もいたりするので、
今回のランゲ1トゥールビヨン・パーペチュアル・カレンダー雑感は誉めたまま、
ある意味、誉め殺しで筆を置きましょう。
(・・・え、そんなに誉めてないですって??・・・・、ん、そんなことはないです、これは渾身のホメ・ブログです!!!)


More・・・つづく
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by A-LS | 2012-02-12 12:43 | ランゲ&ゾーネ | Trackback | Comments(6)

雑感2 徹夜ヴァージョン・・・GRAND LANGE 1 New

ここ10日ほど、前々回のブログ「ランゲ2012新作・雑感」の続きで、ランゲ1ファミリーの2作についての感想を書こうと、実は悶々としておりました(笑)。書いては消し、消しては書き・・・の繰り返し…。
要するに自分の大好物のランゲ1だけに、もの凄ぉぉぉぉ~くランゲに甘い自分と、ムチャクチャにランゲに厳しぃぃぃぃ~自分が、交互に文章に干渉するもんで、ま、収拾がつかないわけです。

特に要注意なのが、ランゲ1トゥールビヨン・パーペチュアル・カレンダーの蔭に隠れ、あまり目立ってはいない新しいグランド・ランゲ1だと思うのです。概ね好評価ですが、その理由として挙げられるのは…、
1)ランゲ1と同じデザイン比率に戻ったのが良い。
2)シングルバレルになったが、72時間のパワーリザーブを維持したのは良い。
3)旧グランドランゲ1よりも径が小さくなり、薄くなった。サイズダウンの新型など久しく体験してこなかった細腕の日本人的には好ましい。
4)シングルバレル化によって生じたムーヴ内のスペース的余裕が、将来の新機能搭載など、ランゲ1ファミリ―のさらなる発展的を可能にするに違いない。

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ランゲに甘い自分は、もちろんこの(1)~(4)には大共感ですわ!!!! いやホントに。

しかし、その一方で、“でもさぁ~”と呟く、天の邪鬼な自分もいるわけです。

でもさぁ~、1)って普通に誰もがまず考えることでしょ。じゃあなんで最初のグランド・ランゲ1はあの重なりのあるデザインだったんでしょう? それに、たとえ比率が同じだったとしも、大きなフィギュアと小さなフィギュアでは、見た目も印象も変わりますからね…。
そもそも2)の最大の意図って薄くするためなんですよね。そのために、長時間リザーブと高精度という二律背反の要素を機械的に達成していたツインバレル、すなわちランゲ1の設計思想の最重要根幹に変更を加え、そのうえで72時間のパワーリザーブも維持した。でも、これってもしや、精度的な妥協と引き換えということはないでしょうね…?
3)に関して言うと、実はこのムーヴ本体は径34.1mm×厚4.7mmなんで、時計自体はもっと小さくもできたはず(極端な話、現行のランゲ1にも転用できるサイズ)なんですよね…。2)、3)を裏読みすると、結局、デカ薄というマーケットの趨勢に乗っかるための…??
4)は、将来のグランド・ランゲ1・クロノグラフとか(笑)、充分にあり得ると思うけど、本当にムーブメントのスペースは拡がったのでしょうか。シングルバレルの香箱がどの程度大型化されたのかまだ未確認なので、これはなんともいえません。

まぁそうは言ってもね、実物を見て、腕に載せて、それでフィットしちゃうと、今までの呟き全部“OKぇぇぇ~ッ”って不問にしちゃう甘い自分も全然いるわけでして…(笑)。

ただ最後にひとつだけ気がかりなことは、この新型グランド・ランゲ1が、こっそりランゲ1の地位を襲ってしまうことになったら嫌だぁぁぁ~ということ。たとえば、市場にデリバリーされるランゲ1の本数が徐々に減らされて、どこのお店に行ってもこのグランド・ランゲ1しかない状況になっちゃったら…とか、…これって心配しすぎでしょうか。

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1994年のランゲ1から、今年2012年のランゲ1トゥールビヨン・パーペチュアル・カレンダーまで、この18年の間に発表されたランゲ1ファミリーはちょうど10作になります。
復興ランゲ&ゾーネの象徴的アイコンとして、これほどのロングセラーにいたった理由は多々挙げられると思います。アシンメトリーにして絶妙のデザインバランス、機械を超え芸術の域にまでせまらんとする美しい仕上げ、高級機械式時計の代名詞だった伝統のグラスヒュッテ様式の復興とオマージュ…などなどですが、中でも特に重要な要素として、長時間のパワーリザーブと精度という二律背反を機械的に達成したムーブメンの設計思想があげられます。繰り返しになりますが、今年のニュー・ファミリーであるグランド・ランゲ1では、その設計思想の根幹に非常に大きな変更が加えられました。ツインバレルからシングルバレルへの変更という大革新です。良かれ悪しかれ、これはランゲ&ゾーネにとって非常に大きなエポックであることは間違いありません。

ふぅ~~、ランゲ1トゥールビヨン・パーペチュアル・カレンダーまで筆が進まず、とうとう夜が明けてまいりましたです・・・・。というわけで、以下の雑感はまたまた次回まで保留になっちゃいます、ごめんなさい。。。。

More・・・つづく
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by A-LS | 2012-02-07 08:00 | Lange 1 | Trackback | Comments(2)

3939G ブラック・エナメル!

すごいものが出てきました。
先のOnly watchで、1,400,000ユーロという圧倒的な落札価格をつけた3939のステンレス・ケース・黒エナメル・ダイヤルですが、なんと、WGケース黒エナメル・ダイヤルという個体の存在が明らかになりました。

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現在、米国の某有名業者さんがUS $685,000.00(交渉可)という超強気なお値段で販売中です。

SIHHの情報収集のため、しばらく海外の業者さんサイトはご無沙汰していたのですが、
ちょっと見ておりましたら、いろいろと珍しいものがありましたので、備忘録的にちょっと載せておきます。

まず、5029R!
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一見3939のようですが、RGハンター・バックのオフィサーケース仕様に、自動巻きのムーヴR 27 PSを収めた35mmのリピーターで、1997年、ジュネーヴにパテックの新工場ができたことを記念して10個限定で作られたもの。とくに龍頭&ラグにはシビレます!!

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しかもこの個体には “Number One” というエングレーヴィングがあります。
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こちらは$650,000.00で販売中・・・。


さらには3979Jまで。
エナメルダイヤル(だと思ったけど・・・)、ローマンインデックスのリピーターで、1989年にパッテクの創業150周年を記念して作られたもの。
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安いのか高いのか・・・・US $339,750.00からスタートのオークションで如何か、だそうです。

このほか、
3974R MINUTE REPEATER PERPETUAL AUTOMATIC
(販売者は、世の中には6個しかないと豪語しています)が、US $750,000.00!!


現行品でも、
5078がUS $435,000.00とか、5339R(間もなくディスコンらしいです)が$610,000.00とか、
5013R(今年ディスコンになりました)の黒ダイヤルが$650,000.00だとか、
パテックのレアピースは、依然すごいお値段で市場を席巻中です。






















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by A-LS | 2012-02-01 07:51 | パテックフィリップ | Trackback | Comments(2)