a-ls 時計(Mechanical Watch Users News) blog.

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Only Watch 2011 プレヴュー

先日のブログでPATEKのエナメル文字盤に触れた際に、

「例のオンリーワン・ウォッチに出品された3939をはじめ…PATEKも(黒エナメル)やればできるんでしょうね・・・???」と書きましたが、その文字盤がエナメルなのかラッカーなのかは、いまだ諸説入り乱れておりますが…


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その真偽のほどを自分の目で判断できる機会、
東京プレヴューが決定しました!

 日時: 2011年9月7日 10時~18時
 場所: アワーグラス銀座店
 〒104-0061 東京都中央区銀座5-4-6ロイヤルクリスタル銀座1F
 tel.03-5537-7888

さすがM社長ですな~(笑)
しかし、全品見られるのでしょうか?

ま、3939は別格として(落札価格は100万ドル超えもありうると言われています!)


個人的にじっくり見てみたいのは…

More・・・つづく
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by a-ls | 2011-06-24 03:35 | パテックフィリップ | Trackback | Comments(1)

懐かしの、アレが、時計に

ランゲのブログが続いたので、
趣向を変え、懐かしネタで。

Romain Jerome Space Invaders Watches というものが発表されました。
デザインはなんと、
タイトーからちゃんとライセンスを買ったという、
懐かしのアレです!!

More・・・つづく
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by a-ls | 2011-06-23 04:53 | 雑記 | Trackback | Comments(0)

ランゲとエナメル

技術も文明も日々進化しているので、あらゆるものが過去よりも素晴らしいものになっているというイメージが、わたしたちには強くあります。しかし、中には例外もあります。たとえばエナメル文字盤もそのひとつではないでしょうか。

18世紀以降の時計の文字盤はエナメルで作られるのが主流でした。
こちらのヴィンテージ・ランゲは、1890年代に制作された懐中時計を腕時計化したものです。
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この当時のエナメル文字盤は、現在からみても驚くほどクオリティが高いのですが、その技術や工房の多くが、20世紀初頭から盛んになった金属文字盤に押されて廃業し、失われてしまっているそうです。
一瞬思うのは、現代の機械技術や化学技術をもってすれば、エナメルの技術など簡単に復興できるのではないか、ということです。しかし今日の技術は、「大量に・早く・便利に」といった面に重きが置かれていて、中世~近代にかけて伝承された生産効率の悪い手仕事的な技術、「少数でも、高品質かつ芸術的なクオリティ」を職人的な工房で継承してきたエナメル技術のようなものは、むしろ当時よりも劣化しているのです。
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リヒャルト・ランゲPLMもエナメル文字盤を採用していますが、2度の大戦を越えて営業しているエナメル文字盤工場は、スイスの2社がかろうじて存続しているのみだそうで、そこに各時計ブランドの発注が集中するため、リヒャルト・ランゲPLMで、ダイヤルの納品は月産2枚ベースだったそうです。
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運良く綺麗なダイヤルに巡り会えれば幸いですが、同じリヒャルトPLMの文字盤でもけっこう仕上がりに個体差があるそうで、納品当初はしばしば交換依頼があったそうです。わたしの身近でも何人かが交換されています(汗…。
そうした交換の対応分も必要だったため、新製品に回せたのが平均月2枚だった、という言い方のほうが正しいのかもしれません。

また19世紀の技術が復興できない理由のひとつとして、当時に使われていた薬品のいくつかが、現在は有害指定され使用できなくなっていることもあります。なにせ、時代で言えば江戸末期、まさに只今ヒット中のドラマ「仁」の時代の話ですから、無知や迷信の中で相当有害な薬品も使われていたと思います。日本でも、たとえば和傘や作陶、木彫や切子硝子など、再現困難な当時の技法・技術は数々あります。

過去と現在のツーショット

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でも、こんな状況を変えてくれそうな、希望の星といわれているのが、ドミニク・バロン女史です。
彼女は現在、さまざまなブランドとさまざまなプロジェクトに取り組んでいるようなので、
その成果がいまから楽しみなところです。
その辺りの流れと、来日した女史のレクチャーの模様は以下に詳しいです。
http://ayty.sblo.jp/article/43332780.html#more(tyさ~ん、引用させていただきます)。

バンクリとバロン女史とのコラボ作品▼
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白の単色エナメル文字盤
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バロンj女史の芸術的な感性はもちろんですが、これまでは工房で一子相伝のような形で秘匿されながらかろうじて生き残っていた技術を、開かれた組織で、広く人材を募集し技術の教授・伝承をオープンにしつつ、企業としてその発展を目指しているのが素晴らしいところでもあります。

現在彼女の元には、リシュモングループからの数社をはじめ、かなり多くのブランドからのオファーや技術の開発依頼が舞い込んでいるようです。
わたしもこのセミナー後の歓談で、ランゲの文字盤に関して彼女にいくつかの質問をしましたが、
「今あなたがした質問のすべては、わたしたちとランゲがここ2年の間に解決しなければならない課題となっています」という言葉を得ました! もしかしたら数年後のバーゼル・SIHHで、各社のエナメル新作が競合したりすることもあるのでは……(笑)





More・・・つづく
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by a-ls | 2011-06-19 19:13 | ランゲ&ゾーネ | Trackback | Comments(10)

世界5番目のランゲ・ブティック in 香港

ドレスデン、上海、東京、ソウルに続く、
ランゲ&ゾーネ5番目の直営ブティックが、去る6月6日、香港にオープンしました。

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九龍半島先端の高級ブティックや星付ホテルの多い地区、
尖沙咀の1881 Heritage内。 
住所は以下です。
Shop G11, 1881 Heritage
2A Canton Road, Tsim Sha Tsui
Kowloon, Hong Kong

1881 Heritageは、2009年11月11日にオープンした、ホテル、高級ブティック、レストラン、24時間営業のショッピングエリアなどの入った複合施設です。元々は1881年に建設が始まった歴史的な建造物などをリイノベーションする形で作られたエリアだそうです。

観光ガイドによりますと、
「1881 Heritageは5つの主要建築物で構成されています。まずは中央にそびえるコロニアル建築が美しい建物で、1884年から1996年まで100年以上の長期に渡り『香港警隊前水警総部(日本でいえば、水上警察署)』として使用され、1994年に香港の建築物文化遺産として政府に認定されました。イギリス植民地時代を彷彿とさせる貫禄を放っています。メインの建物を現在は『Hullett House』という名前の5つ星高級ホテルと付属設備のレストランとしてオープン。馬舎として使用していた別棟はホテルから続いたレストランに、旧九龍消防局とその宿舎はブティックやショップ、そして時計塔はそのまま展示場として開放されています。また、広い敷地内の地上階部分には、高級ブティックの入ったショッピングモールと、香港の歴史建造物の展示などの催しが行われる会場が入っています。歴史的保存建築物でありながら、現在に美しく蘇った姿は、訪れるすべての人を魅了しています。 」とのことです。

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1881 Heritageの外観

香港は大好きな街ですので、行く楽しみがまたひとつ増えました。
上海ガニのシーズンにでも、みなさんご一緒しませんか(笑)?

http://www.alange-soehne.com/cms/en/contact-service/news/2011_06_01_BTQ_Hong_Kong

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by a-ls | 2011-06-17 03:05 | ランゲ&ゾーネ | Trackback | Comments(2)

Only One Zeitwerk !

A. Lange & Söhneは、今年8月27日にシンガポールで開かれるKidz Horizon チャリティー・オークションにZEITWERK のユニーク・ヴァージョンを出品します。ホワイト・ゴールドケースにグレー・ダイヤルという仕様で、これは世界で一本のみのOnly One Zeitwerk となります。
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以下、
この子供たちへのチャリティーに対する、ランゲとひとりの著名なコレクターとのストーリーを、ランゲの公式プレス・シートから引用します。

In August 2009, Duncan Wang, an American Chinese businessman and watch collector passed away at the age of 44 years.
His parents and his friends in Singapore found a fitting way to remember him, based on the two things that he was most passionate about – watches and charities.
One year later, the first “Duncan Watch” was auctioned off for a children’s charity in Singapore: The Kidz Horizon Appeal. Formed in 2004, and helmed by Dr Caroline Heah, it raises funds for children suffering from chronic diseases such as cancer or AIDS whose parents are not in a position to afford the medical treatment they need.
As both Dr Heah and Duncan Wang have always been great admirers of A. Lange & Söhne, it stood to reason that a special edition Lange timepiece would sooner or
later be the Duncan Watch of the year. This year, a one-of-a-kind LANGE ZEITWERK in
white gold with a grey dial and a special engraving will be auctioned at this year's
costume charity ball for The Kidz Horizon Appeal to be held at the Ritz Carlton Ballroom, Singapore, on 27 August 2011.
When Lange CEO Wilhelm Schmid was asked to contribute a special edition Lange
watch for the Kidz Horizon Charity Auction he and his team were immediately thrilled
because they felt it was the right thing to do: “To care for the society we live in, and in particular for the young, is deeply rooted in the history and values of our brand.”
The one-of-a-kind LANGE ZEITWERK made for this year’s Kidz Horizon Charity Ball.

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1/1 SGP 2011 – a special engraving on the caseback bears witness of its uniqueness and the occasion.
A Lange Watch for Kids, page 2 Lange manufactory was established in the first place to fight unemployment among young people in a destitute area.
Unlike hardly any other watch the LANGE ZEITWERK stands for uncompromising
clarity. Featuring indications of a size so far considered to be beyond feasibility, its dial always provides an unambiguous reading of the current time. With a soft click and no perceptible delay, the display advances from one minute to the next within fractions of a second. And at the top of the hour, the watch performs the big leap, when all three numerals discs jump forward by precisely one increment at the same time. The switching power is generated by a constant-force escapement between the mainspring barrel and the balance. Concurrently, it makes sure that the flow of power to the balance remains constant throughout the entire power-reserve period. The design of this unique version, showcasing dark/bright contrasts, is emphasised by a white gold case, grey dial and numeral discs with white numerals, a black crocodile strap, and the folding clasp, also crafted from solid white gold. A special engraving on its caseback bears witness of its uniqueness and the occasion: “1/1 SGP 2011”.


http://news.watchprosite.com/?show=forumpost&ti=718623&fi=112&s=0

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by a-ls | 2011-06-16 04:06 | ランゲ&ゾーネ | Trackback | Comments(2)

ランゲ懐中の最高峰

オークション残念シリーズを恒例化すると書きましたが、
最近の特筆事項といえば、5月16日のクリスティーズ・ジュネーヴでの、コレで間違いなしでしょう。
これに関しては、とても、残念とか敗退というレベルではないのですが…
備忘録がわりにブログに留めておきます…


A. Lange & Söhne. An exceptional and unique 18K gold skeletonized two train minute repeating grande and petite sonnerie openface keyless lever clock watch
SIGNED A. LANGE & SÖHNE, GLASHÜTTE I/S, NO. 62'510, MANUFACTURED IN 1911

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ミニッツ・リピーター、グランソヌリ、プチソヌリ、
しかもスケルトンダイヤル!!
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裏の面白みは意外と普通ですが(笑)、
スケルトンダイヤルはほとんど存在しないため、
ある意味、昨年日本にも来た、No.42500クラスの希少作品といえます。

エスティメートはCHF100,000 - CHF150,000でしたが、
(ちなみに1CHF=95円ほどです)
これがオークションではなんと!!!!

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by a-ls | 2011-06-12 14:04 | ビンテージ | Trackback | Comments(2)

ジェローム・ランベール氏との“ランゲ”会談 その2

アワーグラス桃井社長と並んで挨拶するジェローム氏
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前ブログが長くなりましたので、「その2」をつくりました。
会話式で書くと、時間がかかる上、フィクションというか小説みたくなっちゃうので(笑)、
以下はまとめ書きで。とりあえず、ジェローム氏が力説しておられたのは、

質問①「リヒャルト・ランゲのダイヤルのギミックについて」

かつて高評を得たダトグラフやリヒャルト・ランゲのムーブメントにマイナーチェンジを加えた新作を出すのはさして難しくはないし、そういうやり方のほうが、一部のユーザには安定的な評価を得られるでしょう。しかしその保守的なやり方はブランドの発展を殺します。高級機械式時計を安心して使っていただくために、わたしたちのブランドは今後数百年にわたって存続しなければならない責任があり、そのための組織には活力が必要なのです。わたしはブランドに活力を与える要素として、「技術力」と「開発力」が重要だと信じています。あなたにとって可動式ダイヤルは、一見、遠回りかつ不必要のようにみえるかもしれませんが、数年後にものすごいアイデアに結びついているかもしれません。新しい課題に向かってチャレンジする技術開発は絶対に無駄にはならないのです。

質問②「サクソニアなどの新ムーヴメントをみると、マーケティングや利益優先の発想がなされているのでは?」

あなたは新しいムーヴメントの開発にどのくらいの予算が必要とされているか知っていますか? もしランゲが利益を重視するのであれば、新しいムーヴメントなど開発せず、年間製作本数を増やし、5000ユーロ近辺のモデルを投入することが、もっとも手っ取り早い方法ですし、実際、リシュモンにはこのコンセプトを実行し成功しているブランドがいくつかあります。わたしはランゲがそのようなブランドになることを希望しておりません。わたしがランゲに深く関与したのは2008年からです。あと2年待ってみてください。それまでの新作はわたしが関与する以前のプロダクトと平行して発表されますが、2年後のラインナップからは完全にわたしのイメージしたものになります。今はまだ具体的には言えませんが、その時に今年の新作の意味や位置づけがより鮮明となります。

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気分を変えましょう!
「レベルソ=リバース」ということで、この夜のディナーは、お皿をリバース(=ひっくり返して)の盛り付けです。よく見ますと、お皿の左右のナイフとフォークも天地逆でセッティングされています。
「これもあなたのアイデアか?」と尋ねると、ジェローム氏は即座に頷き、いたずらっ子のように微笑みました。この後ジェローム氏とは、マーケティングについて、価格的戦略について、具体的な作品(リピーターなど)についても話したのですが、酒量と早口の正比例による聴き取り困難&具体的になればなるほどオフレコ話が多くなりまして、現時点でご披露できるのはこんなところでしょうか。

いろいろとご反論のむきもありましょうが(笑)、ランゲを単に収益重視のブランドにするのであれば、もっと効率の良い方法を彼はいくらでも知っており、それどころか、あの製造本数の少なさで、モデルごとに新ムーブメントの開発を行うのは収益重視どころか効率が悪い。しかしそれがもたらす企業活力が2年後のランゲに結実する…ということで、今年の新作は、“2年後のための布石”ということなのでしょうか。むー。
しかしなんか憎めないキャラではあります、ジェローム氏。

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ムーヴメント開発を連呼するジェローム氏の真骨頂がこれでしょうか。
ジャガーの超複雑ムーヴであるジャイロにさらに別動力でダイヤルを変更する機能のついた新型ムーヴメント。

ジェローム氏は①のたとえ話として、今年のパテックのラインナップについても言及しておりました。
「今年のパテック・フィリップは2年前に発表したムーブメントをベースに、いろいろな機能を載せたいくつもモデルを新作として発表しましたが、あれこそコスト重視の好例です。パテックの年間生産本数はランゲの10倍以上ですが、彼らの新作ムーヴ1に対し、わたしたちの新作ムーヴは4です。
興味があるのは7000Rだけですね。もしここに7000Rを持っている人がいたら、売ってもらいたいくらいです!」

ブログに書くとはいわなかったけど、ジェロームさん、載せちゃいました、ごめんなさい。
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by a-ls | 2011-06-08 17:15 | ランゲ&ゾーネ | Trackback | Comments(4)

ジェローム・ランベール氏との“ランゲ”会談

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香港渡航の前日のことでしたので、なかなか記事にできませんでしたが、ジャガールクルトCEOのジェローム・ランベール氏と、去年のドレスデンでのランゲ・アカデミー以来の再会を果たしました。
本来の目的は、同社の代表モデル、レベルソの80周年記念パーティと、新作の発表のディナー・イベントなのですが…
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ジャガーを所有していないにもかかわらず、わたしがこのような席にお招きいただけたのは、やはりランゲのからみです(笑)。リシュモン・グループの若きエース経営者でもあるジェローム氏は、昨年末までランゲのCEOを兼任し、シュミット新CEOにその地位を譲った後も、いまだランゲに大きな影響力を残しております。
しかもディナーパーティでも、場所を変えてホテルのバーで行われた二次会でも、ランベールさんの隣に席をとっていただき、わたしの拙い英語でご迷惑をおかけしたと思いますが、非常に突っ込んだ“ランゲ”トークを繰り広げることができました。

まずディナー前のカクテルパーティーの席、ポンと肩を叩かれまして、振り返るとそこにはランベール氏が…。主賓がディナー開始前に会場をうろうろすることはあまりないので、ちょっとビックリしたわたしに対し、開口一番のジョークが炸裂します。

「あなたが今日ここに来た理由を僕は知ってるよ、なぜ今年のサクソニアにシャトンが少ないかを訊きに来たんだろ?」

思わず爆笑です。
「そこには非常に深い理由があって、そのすべてを語るのには2~3日ほどかかるけど、構わないかい?」

こんなジョークがスラリと出てくることはおそらく、世界各地のランゲ・ユーザーから同じような質問を受けてきたという証しでもあるのでしょう。

そしてディナーが始まります。通訳のK姉さんは早々にお隣の御婦人とのレディーストークに没頭されてしまい、“お~ぃ、今、深い話されたらやべぇ~よぉ”と思っておった刹那、ジェローム氏から、

「今年のランゲのモデルでは何をオーダーしたのですか?」と問われ、
「いや、それが…。実はまだ何も…」と答えますと、ジェローム氏は実に悲しそうな顔され、

「・・・・。リヒャルト・ランゲ・トゥールビヨンはどう? 気に入らない?」と訊いてきました。

そこで意を決して、
「鎖引きでストップセコンド・トゥールビヨンを実現した技術は評価しますが、でもその一方で、精度に影響する可能性のある可動ダイヤルのアイデアは、リヒャルト・ランゲのラインでやるべきではなかった気がします」と答えました。

下手な英語なのでどこまで上記のニュアンスが通じたかは今もって不明ですが(笑)、ジェローム氏の顔が一瞬曇ったのは間違いありません。ここからジェローム氏は一生懸命に意見してくれたのですが、自分にとってヒヤリングが一番苦手なフランス語訛りの英語に加え、徐々に早口となり、わたしもどこまで理解できたか自信はありませんが、だいたい以下のようなことを語ってくれました…、

うん、たぶん話してくれていました…、
いや、話してくれたような気がします…(笑)

「リヒャルトのラインにいれたのは、ザイフェルト懐中をモチーフにした観測時計という、歴史的な側面があったからです」と、
これに関しては教科書的な回答。そこでついに核心を…。

「しかし精度を追求することと、可動文字盤のアイデアは矛盾するのでは?」
さすがにちょっとムッとした表情を浮かべましたが、ジェローム氏、ここから熱くなります。

「矛盾することを不可能と認めてしまえば、そこに進歩はありません。有益な技術の多くが不可能を可能にしようとする努力やアイデアから生まれた。それがわれわれの次の進歩につながります。もちろん、あれが完全とは言わないが、あのダイヤルの可動ではトルクにほとんど負担をかけずに動く技術を開発しています。(註:小さな滑車を使うことでトルクの力ではなく慣性でスライドする)。でも、もしあのダイヤルにしなかったら、きっとより多くの人から『なぜムーヴメントの動きをもっと見えるようにしないのか!』と言われたでしょう。

※ニュアンスでは記憶しているのですが、それを話し言葉に変換するのはなかなかにむずかしく、
以後は、箇条書きで行かせてください・・・ (続きはまたのちほどでご勘弁を・・・)


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by a-ls | 2011-06-06 20:02 | ランゲ&ゾーネ | Trackback | Comments(2)

A.LANGEデミ・ハンター懐中

こちらも最近のオークション・サイトに出されたものです。
ケースを閉じたままでも上蓋にくりぬかれた風防から時間が読み取れるものを、ハーフ・ハンター、もしくはデミ・ハンターといいますが、A.Lange銘でのデミ・ハンターは非常に珍しいです。
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ただ、裏蓋を開けて機械を見ますと、ムーヴメント上に彫られているのはこれまでのAdolf Lange DresdenではなくA.Lange&Sohne Dresdenとなっています。
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ケース番号とムーヴメント番号も一致していますので、怪しいものではありません。
アドルフの長男リヒャルトが経営に参加したことで、社名をA.LangeからA.Lange&Sohneに変えるのは1868年のことですが、文字盤とムーヴメントの表記は、1870年頃製作の時計からA.Lange&Sohneに統一され始めます。
しかし、この後の数年間(1871~76年、ムーヴメント番号でいうと7839~10808まで)、文字盤とムーヴメントの表記が一致しない時計が、一部で散見されるのです。
その理由として、
①海外(特にアメリカ)市場では、A.Langeの名がすでに浸透していたため、時間をかけて移行した。
②社名変更前にストックしていたA.Lange銘のエナメル文字盤を無駄にするのがもったいなかった。
などのいくつかの説がありますが、中には、文字盤はA.Lange&Sohneなのに、ムーヴメントがAdolf Lange というような不一致などもあり、真相はわかりません。
内蓋も素敵です。ブレゲのコピーみたいです(笑)
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肝心のオークションのほうですが、ムーヴの鉄サビの汚れもあってか、
なぜか力が入らず、早々に敗走…
で、後から見直していたら、「やっぱ、珍しい時計。なぜ落札しなかったのか…」と後悔の念がわき、それでせめてブログに載せて記憶に留めることにしました(笑)。

これからもオークションに負けた時計の掲載をシリーズ化しようかな、と。
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by a-ls | 2011-06-05 17:57 | ビンテージ | Trackback | Comments(4)