a-ls 時計(Mechanical Watch Users News) blog.

alszanmai.exblog.jp

カテゴリ:エナメル( 5 )

タンブール・ツイン・クロノ

ランゲ・ネタを書かなくちゃなぁ~、とか言っておきながら、
こともあろうに、ルイ・ヴィトンです。わははは。

b0159560_12543056.jpg

今年の新作「タンブール・ツイン・クロノ」
カッコ良いとかカッコ悪いとかは、とりあえず置いといて(笑)、
この時計を紹介した雑誌などを見ると、だいたいが判で押したように・・・

「ヨットレースでの使用を想定したクロノグラフ。異なる2つの経過時間とその時間差が瞬時に分かる特許取得の新機構を搭載。」・・・くらいしか書いてない。

しかしわたしが注目したのは、一見スポーティーなこの時計が、実はなんと

エナメル文字盤を採用しているということなのです!
b0159560_1372523.jpg

もちろんハンドメイド&グラン・フー(=ホット)エナメル!

しかもエナメル独特の滑らかなガラス質感をあえて感じさせない(笑)、クルドパリ風な生地を採用しているのです。
しかしなんか最近、パテック6002をはじめ、青文字盤とかブルーエナメル、多いですね。

製作過程が公開されていますのでご紹介しましょ。
ホワイトゴールドの文字盤にあらかじめ凸凹をギョウシェ彫りし、そこにエナメル釉薬を塗布していきます。
b0159560_13102017.jpg


この青色文字盤をヴィトンでは「Lake Geneva Dials」と呼んでいるそうです。レマン湖の湖面の青のイメージなのでしょう。しかし青ではありながら、地板のギョウシェの質感を損なわないような透明なガラス質でもなければならず、いくつかの階層に分けて注意深く重ね塗りして、その度に840度の高温で焼き入れします。
b0159560_13232540.jpg

これは各段階の比較でしょうか?

焼き入れの各段階で厳しく吟味され、欠損したものを破棄していくため、歩留まりは20%くらいで、ブランドの説明によれば、ダイヤル1枚の仕上がりに、だいたい延べ40時間を要すると(もっとオーバーな数字を出してもいいのにね・笑)、説明されています。

ということで、エナメル文字盤の時計は、なるべく紹介するようにしてきましたので、これがたとえルイ・ヴィトンであっても(笑)、分け隔てなく紹介するわけです(笑)。

もっとも、ヨットレースになぜエナメルなのか…という疑問には、なかなか確かな回答を得ることができないのですが、 時計雑誌さんも、もうちょっと詳しく説明してあげればよいのにと思うのは、なんでルイ・ヴィトンがツイン・クロノを製作したのかという点です。
b0159560_13313234.png

その前にまず、操作の確認を…。
最初に7時位置のボタンを押すと、4時&7時位置のカウンター針が同時に動き出し、ボタンを再度押すと、7時位置のカウンター針が停止して今度は12時位置のカウンター針が動き出す。続けて3回目の7時ボタンを押すと、4時&12時位置のカウンター針が停止するので、結果として12時位置のカウンターには二つの時間の時間差が表示されているという仕組み。そして4度目のプッシュですべてのカウンターがクリアーされるという、すべてをモノ・プッシュで制御した、非常に使いやすい機構なわけです。

で、なぜこのよう機構が必要だったかというと、ルイ・ヴィトンは、2隻のボートが同一条件下の決められたルートのセーリング・タイムを競うマッチレース、「アメリカズ・カップ」の挑戦艇決定シリーズである「ルイ・ヴィトン カップ」を主催していて、これはその30周年記念モデルなのです。
一対一のタイムレースだからこそ、互いの時間差が瞬時にわかるこのツイン・クロノは、この種のレースにとって非常に有用だったわけです。

時間差の比較が可能なツイン・クロノという世界初の機構で、画期的な3層コラムホイールがこの複雑機構をシングル・プッシュ・ボタンで制御していて、しかもエナメル文字盤という(笑)、まぁ~すごい時計なわけなのです。
b0159560_1341582.jpg

b0159560_13441097.jpg

自動巻き。35時間パワーリザーブ。28,800 振動/時間 (4 ヘルツ) 回。
18KWG。ケース径45.5mm。 厚14.35mm。
783万3000円(予価)だって。
世界限定30本。11月発売予定。
b0159560_13444924.jpg






ま、買うとか買わないとかは置いといて、
エナメルの仕上がり状態だけは、実機を一度見てみたいなぁ~。
[PR]
by a-ls | 2013-08-02 13:43 | エナメル | Trackback | Comments(0)

ジャガーの技術、ピアジェの薔薇

今年になって、各社からエナメルやアーティフィシャルな文字盤の話題が数多くもたらされています。
個人的に大好物なもので、けっこうマメにご紹介しておりますが、今回はグランメゾンのジャガールクルトのお話です。同社はこちらのエナメル文字盤(↓)を発表した2009年頃から、
b0159560_10594522.jpg

社内のエナメル技術が大きく躍進し、そんでもって、今年以降はガンガン出していきますよぉぉぉ~ッ、
という感じらしいです(笑)。

ジャガールクルトがミクロス・メルチェルを中心とするエナメルのワークショップを社内に設けたのは1996年のことだそうで、今日では、グラン・フー・エナメル、シャンルヴェ、乳白エナメル、クロワゾネなど、前世紀に懐中時計などに用いられていた技術を、次々と腕時計の文字盤に甦らせています。
b0159560_10153152.jpg

さらに彼らは長い時間を費やし、ついにレベルソのケースにエナメルを施す確実な方法を確立しました。

日本で開かれたフェルメール展を開いたキュレーターからの委託によって、「真珠の耳飾りの少女」の複製を
レベルソのケースバックに描いたり、
b0159560_10212398.jpg

ミュシャの複製を描いたりもしていますし、5大陸を描いた、「Master Grand Tourbillon Continents」もこのエナメルチームの業績です。
b0159560_105454.jpg


そしてジャガールクルトでは数年前から、“Blanc de Limoges enamel(=ホワイト・リモージュ・エナメル)“という革新的な新技術に着手しており、それらの成果は「Master Grand Tourbillon」のエナメル文字盤の白鳥の表現などで見ることができます。
b0159560_1055072.jpg

b0159560_1056044.jpg

b0159560_10591715.png


なんでも、焼きつけた後に通常のエナメルのように平らにせずに、彫金のような複雑な彫り模様を表現する技法だそうです・・・どうやるんだろ????
とにかくスゴイです。

そしてさらにはピアジェからも情報が届いています。ジュエリーのイメージが強い同社でも、古来のエナメル技術の復刻に対して積極的に取りんでおり、ブランド自らが“ピアジェの情熱の証”と呼ぶ薔薇をモチーフとしたエナメル細密画の文字盤の製作過程が公表されました。
b0159560_1041528.jpg

ピアジェと薔薇、それは1980年からブランドの指揮をとったイヴ・ピアジュが得た栄誉(1982年のジュネーヴ新品種・薔薇コンテストの優勝作が「イヴ・ピアジェ・ローズ」と名付けられた)を受けて以来、ブランドに誕生した、崇高な伝説でもあります。
b0159560_22193127.jpg


そして最後を締めるのは、ピアジェといえばダイヤモンドセッティング。
この分野では間違いなく世界No1の技術を持っています。
b0159560_10421091.jpg

エナメルとダイヤによって再現されたピアジェのクリエイティヴ・セクションからのニューローズでございます!!




最近、このテの話題が異様に増えているのは個人的には望ましいことなのですが、
流行ってくると、必ずや粗製乱造や模倣作などもワッとでてくるのがこの業界(笑)。
単なるブームとして終わって欲しくはないですね。
[PR]
by a-ls | 2013-05-21 10:47 | エナメル | Trackback | Comments(5)

ブルガリ「Commedia dell’Arte」

エナメル文字盤と複雑機構・・・昔はなかなか見られなかったような“細工”やストーリー性のある時計が、様々のブランドで作られ始めているようです。
b0159560_2255326.jpg

彫金とエナメルによる文字盤、ミニット・リピーター・・・。
これはあの「ブルガリ」からの新作なのです。
今年のバーゼルで、ブルガリは複雑なリピーター時計を発表しました。
ま、あの「ブルガリ」とはいえ、ブランドのジェラルド・ジェンタを丸ごと買収しておりますので、彼の秀逸なリピーターのムーヴメント、Caliber BV 618をベースにできるわけです。

レトログラード機構にもエナメル文字盤にもヴァンクリ―フのポエトリー・オブ・タイムに近いものを感じますが、中央の細工はリピーターに合わせて動きをつけられているということで、オートマタの要素もあります。
b0159560_2295619.jpg

b0159560_22102135.jpg

b0159560_22103645.jpg


動画はコチラ

b0159560_2212044.jpg



まさかブルガリの記事を載せる日が来るとは思ってもいませんでしたが・・・(笑)。

こういう時計が増えてくるのは大いに歓迎です。
[PR]
by a-ls | 2013-05-15 22:21 | エナメル | Trackback | Comments(0)

ブレゲの新製品

ブレゲさんたら、さすがです~。
ついにこんなものまでエナメルで作ってしまいました!

b0159560_19123410.jpg


エナメルプレート入りのカフスなんですが、この作品がマニアックなのはコチラの時計のダイヤルをほぼ正確にモチーフとしているところでしょう。
b0159560_21201782.jpg




※この部分を切り取った感じですね。




ブレゲさんは、以前からカフスには力を入れていたのですが、エナメルが大好物のわたしとしては、今回の新作には非常に心惹かれます!




話はブレゲさんから離れますが、カフスといえば、
一部好事家の間で密かに支持されている「トゥールビヨン・カフス」に新色、レッドが加わったそうです。
b0159560_19224297.jpg


立派なトゥールビヨンっぷりは動画でご確認ください(笑)。


ちなみにこのシリーズにはムーンフェイズもありまして、
b0159560_19281934.png



どうせなら、ペンもお揃いでいかが(笑)?

b0159560_19322119.jpg






販売ページはコチラ
[PR]
by a-ls | 2013-02-17 19:33 | エナメル | Trackback | Comments(4)

今日の3本~エナメル編

b0159560_2461886.jpg


現行ランゲが公式に作成したエナメルダイヤルのモデル、

リヒャルト・ランゲ プール・ル・メリットPT、RG、そしてエマイル。


エナメル文字盤の完成度は大変素晴らしい。
ジャケ・ドローなどのエナメルもよく出来てはいるが、質感は非常にクリアで、いうなればコンテンポラリー・プロダクツとしての完成に主眼があるように思えるのにくらべ、ランゲのエナメルの特筆すべき点は、そのテイストや質感が、19世紀の懐中時計にも近い“しっとり”感を持っていること。
ちなみに、パテックのエナメルも19世紀的風合なのだが、ムラ、泡立ちなど、雑味感まで19世紀っぽいのが(笑)・・・良いのか悪いのか・・・。

いよいよSIHHが近づいてきましたが、
ランゲの新作、どんな感じなのでしょうか。。。非常に楽しみです!!!








【おまけ】
b0159560_2482232.jpg

3本ショット「あるある」①・・・1本だけ時間が違う。。。。。
3本ショット「あるある」②・・・短針と長針が重なって針が一本に見えてしまう。。。






何事にも精進と鍛錬が必要ですね・・・・
[PR]
by a-ls | 2013-01-11 03:13 | エナメル | Trackback | Comments(4)