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a-ls 時計(Mechanical Watch Users News) blog.

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(しつこいですが・・・またまた)2499のお話

先日、Patek Philippeの第4世代2499が、わずか4日間の間に4本登場するというジュネーヴのオークション・ネタを2本書きました。

http://alszanmai.exblog.jp/24405587/
ヴィンテージ&高級機械式時計に関する3大オークションハウス(サザビーズ、アンティコルム、クリスティーズ)のジュネーヴ・オークションの期間中(5/10~13)、それぞれのオークション・ハウスに1本ずつ2499が登場するというお話。

そしてその続編として・・・

http://alszanmai.exblog.jp/24419823/
クリスティーズに出品されていた2499の入札方法を詳解しつつ、3大オークションハウスに次ぐ存在のフィリップスが、やはり同じ時期にジュネーヴで開く時計のオークションにも第四世代2499が出されていたので、その情報を追加しました。

つまり、この4日間で5本の2499がオーナーを変えるわけです!!

この一連の記事はけっこうなアクセス数だったので、ちょっと情報を追加しておきます。
といいますのも、①の記事中に、『2499は針やインデックスやプッシュボタンの形状の違いによって第1~第4世代までの、全4期に分類されますが、今回の出品はすべて最後期の第4世代となっています』、ということを書いたのですが、実は・・・サザビーズのオークションに、もう1本、第3世代の2499も出されておったのでした。


で、これだけだと、ちょっと申し訳ないくらい薄い情報なので、ちょっとした”2499うんちく”と一緒に掲載しておきます。



【Patek Philippe 
reference 2499]
かつてパテック・フィリップには、汎用腕時計としては世界初となる永久カレンダー+クロノグラフ機構を搭載したref.1518という伝説的なモデルが存在しました。

下の画像は、今月10日にジュネーヴで開かれるフィリップス・オークションに出品中の、これまた珍しいブレス仕様の1518。
18k pink gold, 1948年製。35mm径。Calibre13搭載。Estimate CHF800,000 - 1,400,000。
(しつこいですが・・・またまた)2499のお話_b0159560_12354802.jpg
さて、この1518の後継機として1950年に発表されたのが2499です。以後、1985年に3970にその座を譲るまで、35年の歴史を通じてパテック・フィリップを代表するスペシャルな位置を与えられたモデルでしたが、2499はその製作年代の外装特徴によって、大きく4つの世代に分類されます。



[第一世代]
1951年―60年に製造されたもの。一番見分けやすい特徴はプッシュ・ボタンが角型であること。文字盤にはアプライドのアラビア数字インデックスが使われ、ミニッツ・レールの外周にはタキメーターが描かれている。針はリーフ(一部、ドルフィン針のものも見られるが、これはオーバホール時に交換したケースなどが考えられる)。ラグ足に溝が彫られたデザインも貴重。

第一世代はその希少性からオークションでも高値で落札されるケースが多く、2002年のアンティコルム・ジュネーヴ・オークションで落札された1951年製のPGケースの個体の落札額、$2,494,649は長きにわたって2499のオークション・レコードでしたが、2012年に第4世代のPTモデル、しかもエリック・クラプトン所有の個体に$3,655,757に、その記録を塗り替えられました。
ちなみに、PGケースの2499はこれまでに4個しか存在が確認されていないレアなもので、昨年のパテック・フリップ175周年記念イベントに合わせて行われたクリスティーズによるパテックのレアピースオークションに、その2499第一世代PGケースが久々に登場し(下の画像)、なんど$2,678,425(3億円!)という落札記録を打ち立てています。

(しつこいですが・・・またまた)2499のお話_b0159560_18233685.jpg



[第二世代]
第一世代のプッシュボタンが丸形に変わり、針がドルフィン針となった個体が第二世代と呼ばれます。ラウンド・プッシャーと針の特徴は最終形の第四世代まで継承されるので、このことがかえって第一世代の希少性を際立たせる結果となっています。この第二世代は主にアラビア文字のアプライド・インデックスが使われているが、一部でバー・インデックスの個体も確認されています。こちらの針にも、リーフとドルフィンの二通りが見られるようです。



[第三世代]
1960年ー1978年に製造されたもの。文字盤からタキメーターが消え、アプライドのバー・インデックスとミニッツレールというシンプルなフェイスになります。
一部に12時のインデックスだけアラビック数字の個体があるそうです。針は基本的にドルフィンで、一部にリーフも存在するそうです。

で、今回の追加情報として、この5月のオークションシーズン5本目の2499、サザビーズに出品中の1本が、まさにこの第3世代となります。
1972製で、イタリアの時計店GOBBIで販売された個体。そのために、月と曜日の窓をご覧ください。何と珍しいイタリア語表示となっています!!
Estimate CHF200,000 — 300,000


(しつこいですが・・・またまた)2499のお話_b0159560_13122212.jpg

[第4世代]
1978-1985まで製造された最後の第4世代は、すでに画像もさんざん掲載してますのでここでは省略しますが、サファイアクリスタルが採用されているため、ベゼルの厚が少し増し、リファレンスもef.2499/100と表記されます。











検討中の皆さん!
そろそろ入札してください!!(笑)

















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by A-LS | 2015-05-06 13:26 | オークション