オーデマピゲ SIHH2015 Japan Premiere
2012年末にジョナサン・キング氏が日本の新CEOに就任して以来、オーデマピゲの印象は、CEOの人柄を象徴するかのような、とても明るいものに変わった気がします。そして昨年、まるで鉛筆のようだった細長い銀座ブティックが移転。新ブティックは東西エントランスの両面が通りに面すという、広くて開放的なデザインで、旧ブティックとはまったく対照的なコンセプトでオープンしました。
先日、その銀座ブティックで開かれたSIHH2015の新作のお披露目ディナーにご招待いただきました。
驚かされたのは、ブティックそのものをミシュラン・レストラン化してしまうという規模の大きなその発想です!
まずドア・オープン時にはキングCEOが自らお出迎え、ウエルカムのシャンパン&カクテルが振舞われ、
新作のティーザー・ビデオを見たりしつつ、しばしラウンジで歓談したのち、
ゲストは店内中央に特設された2列の大きなテーブル席に案内されます。
席にセットされたカトラリーはクリストフルの「ジャルダン・エデン・シリーズ」で統一、しかも特注AP柄(上の画像・上段中央)ということだし、
お料理は祇園で名高い和風ベースのフレンチの名店「よねむら」の、しかも、ご近所の交詢ビル店からではなく、京都からオーナー・シェフ、米村氏(画像・上段左)を直々に招いて(そのためにブティックの地下にIHの調理台を入れたんだそうです!)のコース・ディナーだし、ワインも素晴らしいし、生演奏の音楽付きだし・・・。
で、ともかくゆっくりとコースを楽しんでもらってからはじめましょうというスタンスのようで、メイン・ディッシュが済んだ辺りで、ようやく新作時計が登場します。
しかしそれも、男性と女性のモデルさんが装着して登場する、ショー形式のもの。
宝飾ブランドではよくあるスタイルですが、たしかに時計の購入動機って、機構や機能以上に、身に着けた時のデザイン性や見た目も重要な要素とする層の方が多いのも事実ですから、APのこの方法は一理ありますね。
この日はご婦人同伴のゲストが中心だったこともあってか、新作の中でも「ミレネリー・レディース」の3ヴァリエーションと、注目の「ロイヤル・オーク・オートマティック」コンビのメンズ&レディースを際立たせるこのショー構成は、とても作品に合った演出に感じました。
もちろん、すぐにトレイに載った実機が回ってきて、手に取ってじっくり拝見できました。
もちろん、コチラのタイプもね。
また、とくに感心したのは、スタッフのホスピタリティーです。
どのスタッフもフレンドリーなだけでなく、かなり前に交わした話や時計の好みなどを覚えてくれていて、ブランクを気にしないで済む自然なおもてなしには感心しました。この辺り、フォーシーズンズ・ホテルやハロッズなどのラグジュアリー&サービス業からキャリアをスタートしたキングCEOの配慮かもしれません。
そのキングCEO、ニコニコとわたしに近づいて来るや、おもむろに、「SIHHでRD-1のプレゼンに来ていただいたんですよね」と、今年のSIHHで発表されたコンセプト・ウォッチ「RD-1」の話題を振ってきてくださいました。わたしがリピーター好きなのを、おそらく知っていたと思われるのですが、ゲストごとに関心のありそうな話題を把握し、切り替えているところも素晴らしい。しかも、「実はこれはまだシークレット情報だけど、・・・・」なんて、機械マニアックな楽しい話もしていただけました!
たいへん勉強になりましたし、正直、楽しかったです!!
ものすごくゴージャスなのに、そこに気負いがなく、なにかとても懐の深い雰囲気にあふれた”手作り”感にあるれたディナー・プレミアでした。