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a-ls 時計(Mechanical Watch Users News) blog.

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懐中ものがたり

コレクション歴も時を重ねてくると、市場で同じ個体を何度か見ることがあります。


つい最近も、ちょっと切ない再会がありました。

まずこの個体を最初に見たのは2011年6月ごろ。

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文字盤はガタガタでしたが、すごいのはこれが超初期のA.Lange懐中ということ。
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シリアルがなんとNo.2437なのです。
自分がそれまでに見た一番古いシリアルでも3000番台だったので、本当に1845~50年代初頭の作と思われます。
当然ながら鍵巻で、アメリカ用の輸出ムーブメントとして、純正(アメリカ製の)18Kのオリジナル・ケースが付属いておりました。
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そういうわけで、けっこう本気で入札したのですが・・・
オークションでの競り合いには敗れてしまい、残念ながら、縁は結べませんでした。
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それから3年近くの時を経て・・・・・・・












またこの同じ個体と出会います。
しかし、18Kのケースを失い、不動品となり・・・
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大変悲しい姿での再会となりました、
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150年近く生きてきたお祖父さん懐中に、
この3年弱の間、どんなことが起こったのでしょうか・・・


スモールセコンドもグラグラのようで、文字盤の痛みもさらに進み・・・
もはやブリッジのシリアルくらいにしか価値が見いだせない状態でしたので、それなりの入札しか出来ませんでしたが、またもや縁がなく。。。




うーん。。。。
ランゲの歴史を語るうえでは貴重な個体だったんですけど、


2011年に無理してでも落札しておけば、こんなことにならなかったのかなぁと、








何か、とても寂しい再会でした。。。。。。















by a-ls | 2014-03-14 22:30 | ビンテージ