FHHの“Hommage à la Passion”賞と"Hommage au Talent"賞
"Hommage à la Passion"(情熱へのオマージュ)賞は、ブランド創設者や代表者や販売者といった立場から長年にわたって時計業界に貢献した優れた人物の、その情熱に対して与えられるもので、たとえば昨年はジャン・クロード・ビバーさんに贈られましたが、それはウブロでの成功のみならず、オーデマ・ピゲ、オメガに勤務し、さらにブランパン復興を成し遂げたビバ―氏の時計人生を通して贈られたものでした。
そして今年、2013年、
その"Hommage à la Passion"賞を受賞したのは・・・・
われらがお爺父さま!
ウォルター・ランゲ会長、その人なのでした!!!
受賞理由は、1924年、グラスヒュッテの名門時計ブランドであるランゲ&ゾーネの設立者アドルフ・ランゲのひ孫としてこの世に生を受けて以来、第2次大戦の最終日(ドイツの無条件降伏の日)の爆撃による工場壊滅や、共産主義政府による会社の接収、西側への逃亡とプフォルツハイムでの失敗を経てもなお、中断の40 年間を通してランゲというブランドの精神を維持し、東西ドイツの統一後についに故郷ザクセンでランゲ&ゾーネを復興させ、その後の20数年間のうちにドイツを代表する時計ブランドへ成長させた、その89年の偉大な生涯に対するオマージュであります。
はい、まさに"Hommage à la Passion"(情熱へのオマージュ)賞!!
異議なぁぁぁぁぁぁ~~し!!! であります。
ちなみに、昨年ジュリオ・パピ氏が受けた"Hommage au Talent"賞(長年にわたって時計業界に貢献してきたウォッチメーカーや開発者としての才能に贈られる賞)は、今年ジャン・マルク・ヴィダレッシュ氏に贈られました。
Walter Lange(左)とJean-Marc Wiederrecht(右)
ヴィダレッシュ氏は現在、知る人は知っているAgenhor社の代表であり、そのウォッチメーカーの業績としてよく知られているのは、ハリー・ウィンストンからの「オーパス9」や、2006年に発表されたヴァン クリーフ&アーペルの創業100周年記念モデル「セゾン」のムーブメント開発、そしてわたしも大好きな「ポンデ ザムルー(恋人たちの橋)」などの同社とコラボした一連のポエティック・コンプリケーション・ムーブメントですね。特に2012年発表の「ポエティック ウィッシュ」では、3 体のオートマタ(自動人形)と、2重のゴングによるファイブミニッツリピーターを組み合わせた複雑ムーブメントを開発し、日本での発表イベントのために来日もされました。そのイベントで解説をされた広田氏はヴィダレッシュ氏を“レトログラードの魔術師”と呼んでおりました(笑)。最近ではローマン・ジェロームとコラボした「スペースクラフト」が記憶に新しいところです。
このNewsは世界的な経済誌「フォーブス」のHPにも掲載されておりました。これはもはや時計界とかそういう狭い領域ではない、広ぉぉぉぉぉ~いお話なのだなぁ~と、ちょっとした感動がありました。
最後にFHH関係各位との記念写真。
ウォルター爺父さまもヴィダレッシュさんも、本当におめでとうございます。そして、いつまでもいつまでもお元気で、ますますのご活躍ならびに時計業界を見守っていってください。