ミュンヘン時計イベント・ラッシュその①~KunstWerkUhr: The Patek Philippe exhibition
先のブログでも触れていますが、 https://alszanmai.exblog.jp/21419003/
先月の17日から27日まで、ミュンヘン文化芸術会館で「KunstWerkUhr」と題されたパテック・フィリップの大規模なイベントが開かれました。
「我々がミュンヘンに来たのは、伝統と革新、崇高な職人への感謝、芸術文化への愛情といったパテック・フリップの成功の基盤となっているものが、この街でも高い価値をあたえられているからです。」というティエリー・スターンCEO(写真下)の言葉通り、このイベントの内容はわたしたちが通常イメージする、新作時計の展示やディナー・パーティーだけでなく、歴史的なタイムピースの展示、時計師はもちろんエングレーバーやエナメリストなどの職人の技術展示、ワークショップ体験など、今までのパテック・フリップのイベント・イメージを大きく変えるものでした。
入場口。ここでは美術館並みにヘッドフォンを借りて回るガイドツアーやビジネスツアーも受け付けており、要望に応じては、学校のクラス単位やグループで「Watches for children」という学生ツアーにも申し込めるとのことでした。
約1200平方メートルのスペースに、470個以上の時計が展示されており、現行品はカラトラバからグランドコンプリケーションまで、ともかくすべてが展示されています。しかも現行品を陳列したケースは、ジュネーヴのパテック・フィリップ・サロンとまったく同じデザインで、あたかもジュネーヴを訪れた気分にしてくれるうえに、ジュネーヴサロンの2階をイメージした接客テーブルの正面には窓に見立てた大きなプロジェクターがあり、そこにはレマン湖が24時間ライヴ中継されているという徹底したジュネーヴ仕立て、もちろん有名な大噴水も見えます。ここまでくるともう職人的な念の入れようなのです(笑)。
21もの複雑機構を搭載した懐中時計、キャリバー2000。こちらは特別室のターンテーブルの上に鎮座しているので、どの角度からも楽しむことができます。ラスト・ワンのWG!
1820年頃に作られたオルゴール付きの時計、しかも機械仕掛けで蝶のように羽ばたきます。こうした展示を通じて、時計作りを子供たちの教育に役立てようとする、「Watches for children」という特別なプログラムもあり、今回の展示では学校や団体単位での参加を受け付けておりました。こういう姿勢が欧米のイイところですね。
ミュージアム・セクションには、ジューネーヴのパテック・フィリップ・ミュージアムから運ばれた貴重な時計の数々が展示され、500年間の、つまりは5世紀にもわたるヨーロッパの時計史を振り返ることができます。
こちらは1821年製のリューセックの筆記記録式クロノグラフ。
元祖ワールドタイム・1937年製(上)と、このイベントのために、特別に作られた最新のワールドタイム(下)。
どこが特別かお分かりですか?
通常はパリの位置にミュンヘンが、しかも青字のホームタイムに!
これもこのイベントのためのデザインによる特別仕様のドームクロック。
ミュンヘンのあるバイエルン州(いわゆるババリア)に伝わる伝統的な紋様をデザインしたもの。
パテックとしては初の試みであり、かつ貴重な時計の数々がみられるとあって、ドイツ国内のみならず欧州各国からも多くの観覧者が集まり、期間中は終始熱気にあふれた混雑ぶりだったそうで、成功のうちに幕を閉じたようです。
そのリアルな雰囲気については、こちら(下)のパテック・フィリップのHPに紹介の動画もありますので、結局のところそれを見ていただくの一番手っ取り早いかもしれません(笑)。
http://www.patek.com/contents/default/en/watchArtGrandExhibition2013_Munich.html
リンク先に飛んだら、
ページの左上にある、この素敵なジェントルマンの画像を探してクリックしてくださいねっ。
しかし、ではなぜこの時期のミュンヘンだったのかといいますと…、ここからは想像になりますのですが、
このミュンヘンでは毎年恒例のドイツ最大の時計展示イベント「Munichtime」(これにはランゲをはじめ、ほとんどの時計ブランドが参加します)が開かれまして、今年はそのイベントが11月1日~3日の予定で組まれていたのです。ですから、その直前に敢えてぶつけてきたのではないかなぁ~と…。
ま、いずれにしろ、10月中旬のこのパテックの「KunstWerkUhr」から、11月の「Munichtime」まで、ミュンヘンの時計ファンは最高の想いだったのではないでしょうか。
で、その「Munichtime」の初日、11月1日に、
わたしはまたもミュンヘン近郊でニアミスしていたりなのですが・・・・
ま、その辺の事情も含め、
「Munichtime」イベントの様子も、順次掲載の予定であります。
続きは『ミュンヘン時計イベント・ラッシュその②』で。