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a-ls 時計(Mechanical Watch Users News) blog.

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価格改定・・・・ネアゲランゲネアゲ

ま、昨今の為替レートの急変を見ていたら仕方ないかなぁ~と、思ったりもするわけですが、
各社、価格改定(・・・というか“値上げ”でしょ!)の、お知らせを絶賛通達中です。

各社の値上げカレンダー
価格改定・・・・ネアゲランゲネアゲ_b0159560_8295657.jpg




聞いている範囲では、
2013年3月20日からの
ゼニス価格改定を皮きりに。。。。。

以下、
3月25日
ヴァンクリーフアーペル

4月1日(※エイプリルフールだというのに、全然冗談ではない・・・)
ラルフ・ローレン 
ジャガールクルト
パネライ


4月8日
ロジェ・デュブイ

4月15日
リシャール・ミル


そして最も早く価格改定に乗り出したパテック・フィリップがいまだに改定日を延期したままの中・・・・
とうとう
ランゲ&ゾーネ
4月30日より、改定です。

今回の値上げの特徴は
1)基本的に(改定後の価格での入荷があるはずない)ディスコン品の価格は変えなかったが、今回の改定では、まだ市中在庫がありそうなものは変更してきた。
2)過去、暗黙の不文律として、限定品も価格改定の対象外としてきたのに、今回初めて、ランゲ1トゥールビヨンパーペチュアルとランゲ1“ルーメン”が、その対象となっている。
3)SIHHの新作も価格改定の対象になった。

※つまりまだ一度も店頭で拝んでいなのに。。。。というか、サンプル展示を見る前に早くも値上げって、なにかもうおかししくて、むしろ笑ってしまいました。

新作に関して言えば、こんな感じ
1815ラトラパンテPG ¥16,306,500→¥17,388,000
1815ラトラパンテPT ¥18,343,500→¥19,572,000

1815 UP&DOWN
WG¥2,457,000→¥2,614,500
YG ¥2,341,500→¥2,499,000      
PG ¥2,341,500→¥2,499,000

SAXONIAアニュアルカレンダーPT ¥4,998,000→¥5,323,500 

Grand Lange1 
Lumen    ¥6,016,500→¥6,415,500
WG黒ダイヤル ¥3,423,000→¥3,643,500

と、ここまでネガティヴ要素ばかり挙げてしまいましたけれど、
ま、ランゲ・ジャパンが頑張ったところもあると思います。たとえば・・・

1)今回列挙したのは主にリシュモングループ所属ブランドの価格改定情報ですが、お分かりのようにランゲは他社よりも一番遅い4月30日まで旧価格を引っ張っている。
2)海外のランゲ・フレンズからの情報では、日本をのぞく海外のランゲ各社は4月1日から新定価を適用するようですが、ランゲ・ジャパンはここでも一番遅い時期まで値上げに抵抗してくれた。
3)対ユーロの為替レートは昨年末の約100円から現在の125円前後まで、円に対して約20~25%も変動したが、値上げの幅は平均で約8%までに抑えている。




ね、ね、ランゲ・ジャパン、ちょっと頑張ったゾ、ということで・・・(小笑)






























今日のコレ、酔った頭で書いているので、文章がなんかいつもよりネチネチしてる(笑)。
そんなこんなで、ちょっと書きすぎた部分は、「おまけ」欄に続く、ということで。。。。
















ま、ランゲを擁護するわけではありませんが、実は大手の輸入業者は、為替の変動をその都度その都度、価格に織り込むというような安直な発想では動いておりません。
為替の変動リスクを呑みこむために、ある時期の為替レートで為替予約(つまり為替の“買いだめ”みたいなことを)しておき、一定期間一定額のレートが適用できるようにしてあります。
各ブランドともに年間の生産本数を細かく決めていますから、為替予約が済んだ段階で、年間の輸入額(=仕入額)はほぼ算出できるわけで、それらの動かない数字を基準に、細やかな年間計画や年間予算が立てられるわけです。
リシュモンのような大企業は3月が決算ですから、新年度の始まる4月から5月にかけて為替予約を行うケースが多いはずです。一年ずっと同じレートでは為替変動リスクに耐えられない可能性がありますので、それを少なくとも半年に一回、つまり次の為替予約を10月から11月にかけて行います。
ランゲをはじめその他多くのブランドの価格改定が春と秋に行われるのはそのためで、その際、半年前のレートで立てた年間計画に対して、新たな為替予約レートではそれが呑み込みきれない計算になったようなときなど、つまり、計画を修正するための最有力手段として、価格の改定が行われるケースが多いわけです。

年に2回程度の見直しですから、よく言われるような、
『為替が上がるとすぐに「値上げ」する。』というのは、必ずしも正しいとは言えないわけです。

そしてもうひとつ、よく言われるのは、
『為替が上がると値上げするのに、為替が下がっても値下げしない』ということです。さすがにリーマン・ショック後のような大きな景気変動の際には、各ブランドの多くが値下げを行いましたが、通常の為替変動くらいでは、値上げをするときほどのマメさでは値下げは行われません。

実はこれにも大きな理由があります。

わたしたち消費者は、ブランドから直接に商品を買っているのではなく、正規小売店から買っているからです。
つまり、小売店にある展示品在庫は、すでに小売店からブランドへの決済(=支払い)が終わっているものなので、ブランドが値下げを決めるということは、少なくとも在庫分に関しては、単に小売店の利益が減ることでしかないわけです。
今まで、“コレを売ると○万円の利益がある”という裏付けのもとで、スタッフを雇い、広告を出し、店舗家賃や経費を払ってきた小売店が、いきなり「来月から▲万円の利益に減らしてもらうんで、よろしく」と言われても、お店側からすると、これに対しては「え、ちょっと待って!」ってことになるでしょ。
旧定価から新定価へ、下がった部分の利益の差額補償をブランドが負担するのは非常に難しく、小売店の理解を得ることもとても困難なので、その辺りがなかなか「値下げ」が行われづらい一因でもあるわけです。








※値上げ前に“成約”しても入荷時の価格になっちゃうのは、理屈ではわかるけど、感情として納得できないんだよね~・・・、せめてランゲブティックくらい、値上げ前の成約分は旧価格で納品とか・・・そういう配慮にならないのかしら・・・。ねぇ~、









     
by a-ls | 2013-03-16 08:26 | 雑記